【読書】ピエール・ルメートル/我が母なるロージー
先日悲しみのイレーヌについて書きましたが、早速その後我が母なるロージーを読み始めたところ、面白くて一気読みしてしまいました。
今回は電子本ではなかなか伝わりにくいところですが、リアル本ならでは、手に取った瞬間、「あ、中編かぁ」とわかる厚みなので気負わずに読み始めることができます。
薄っ!
読む前はこれってカミーユのお母さんのことを書いたのかと思いつつ、いや親、名前が違ったぞ、と思って読み進めました。
物語の始まりは…
ある日爆弾事件が起きて大騒ぎになったところへ犯人が自首してきて、まだ他にもたくさんあるから爆発させたくなかったら要求をのめ、という始まり。
この犯人、若いのになかなかの曲者でなかなか落ちません。あの手この手で迫りますが決して折れないのです。
はてさて彼の要求とは、捕まっているお母さんの釈放と自分達の全面的な免責、あと大金を用意してオーストラリアまで逃がせろ、というものです。ま、ありえない要求ですよね。
そんなにお母さんが大事なのか、と思って調べ始めたら、いやいやこの親子なかなか一筋縄ではいかない関係だと分かってきました。
カミーユの親との関係もそうですが、古今東西色々な親子関係がありますよね。
このタイトルって…
さて、犯人を落とせるのか、というのは是非読んでほしいのですが、この本のタイトル、日本版なんですがエルロイの「我が母なる暗黒」を意識してつけたんでしょうねぇ、きっと。
作者が何をヒントにこの本を書いたかというところが書かれてましたが、いや〜、そういう終わり方ですか、と思いました。毎回そうですが終わり方、いや、物語の終わらせ方がルメートルさん素晴らしい。余韻ありまくりです。
これでカミーユのシリーズ、未読は後一冊、先にちょっと違うのを読み始めたので、ちょっとお預けというか、ちょっと読み終えてしまうのが勿体無いと思うくらい面白いシリーズですね。もう続きは書かないということなのが大変残念です。
おすすめ度:★★★★(相変わらず、すっごくいいリズムで話が展開するので一気に読ませてくれました!)
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