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製造現場での「見える化」によるコスト削減活動の勧め


はじめに


一般的に製造業における製品原価は、製造原価と販管費(販売費用と一般管理費)に分類されます。また、製造原価は、材料費、労務費及び製造経費に分類されます。材料費用は、主に、製品のベースとなる直接材料とその加工に必要な材料である間接材料および製品に装着される部品に整理されます。また、加工や部品装着に必要な治工具や、加工による消耗される部品の費用も、材料費用に含まれます。製造原価には、材料費以外に、労務費と製造経費が含まれます。労務費は、製造に直接係る直接人員の人件費とこれを支える技術や人事等の間接人員の人件費から構成されます。これ以外にも、退職金の積み立て準備金や社員のための福利厚生費用も含まれます。製造経費には、投下された装置や建屋への投資に対する減価償却費に加え、工場運営に必要な電気代に加え、水やガス等の用力費用が含まれます。また、製造を支えるために必要な外注経費も、多くの場合、製造経費として計上されます。

製造業にける原価構造


 見える化によるコスト削減活動では、さまざまなツールが活用されています。例えば、プロセスマップの作成では、コスト削減活動のプロセスを可視化するために使用されます。プロセスの各ステップや関連する部門、役割などを洗い出し、明記していきます。一方、バリューストリームマップ (VSM)は、製造プロセス全体を可視化するためのツールで、材料の流れ、作業ステップ、在庫、待ち時間など、製造活動のすべての流れを表記します。これにより、無駄を特定し、改善の機会を見つけることにより改善を促進します。
しかしながら、これらのツールでは、企業活動の全般を記述、明確化することにより改善のポイントを明確にしていくことになりますが、実際には、製品設計や、受注、在庫管理、出荷プロセスでは、制約条件が多く、手を付けるのが難しいことが多いと思われます。そこで、ある程度事業が確立しており、ビジネスが成り立っている中で求められるコスト削減活動に注目したいと思います。これは、製造現場、すなわち生産しているライン内でのコスト削減活動ですが、実際には、ここで見いだされた施策により、直ちにコスト削減が実現することが期待されます。実際には、某マッキンゼーから受けたコンサルタントで実地に習得したコストの見える化とインターナルベンチマーキングによるコスト削減活動の進め方になります。

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