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DaiGoさんの著書「超効率勉強法」のレビュー

中学受験にも応用可能なことが載っていますので、そのあたりのコメントも残してみたいと思います。2021年7月の教室通信を加筆修正してアップしています。動画にもしています。

第2章 「超効率勉強法」の基本

最初にDaiGoさん自身の勉強法の例として「青チャートバラバラ勉強法」が紹介されています。
勉強の最大の敵は「飽き」ということで非常に納得できる内容です。私も保護者会で同様の手法としてリベンジノートを使った「中テスト」勉強法を紹介しています。ランダムに問題を抽出するというところが肝です。

最高の勉強法は受け身な勉強ではなくアクティブラーニング(積極的な勉強)であるとし、そのポイントは2つ①想起(思い出すこと)と②再言語化(自分の言葉に置き換えること)としています。

①想起(思い出すこと)

「模試は何度も受けなさい」は科学的には大正解。テストの時にアウトプットするために脳を使っているので、一番勉強になるとのこと。テストのために勉強するのではなく、テストそのものが勉強。

・分散学習
復習の間隔を少しずつ伸ばす。物事を学ぶこととは、すなわち忘れること。「2×2のルール」というのが紹介されています。 2日後 2週間後、2か月後に復習するのが効果的とのこと。
実際には5、6年生だと2日に1回授業があるので、2日あけるのは少し心配です。ですが、本書だと忘れかけたときに復習するのが効果的ということでした。しかし、私の経験上成績のいい子はその日のうちに復習しています。この方法は本書の後半で紹介されているオーバーラーニングという手法です。実は、覚えていること、マスターしたいることをダメ押しでもう一度勉強することも上級者向けの勉強方法として紹介されているのです。また、勉強が苦手な子は忘れるのも早いですから、そうなると誰にとっても復習は早い方がいいのではと思っています。私個人としてはタイトスケジュールで忙しい受験生には早めの復習をおすすめしたいです。

・インターリービング 
複数のスキルを交互に練習する手法。こちらもたびたび紹介している勉強法です。私自身も効果を非常に体感しています。

②再言語化(自分の言葉に置き換えること)

・ティーチング・テクニック
自分が勉強した内容を他人に説明してみるという手法。保護者会でもたびたび紹介する手法です。授業で習ったことを自宅で親御さんに向けて解説してみるのです。その際の小道具として100円ショップのホワイトボードの購入をおすすめしています。先生のものまね付きで親御さんに問題を解説することで記憶が定着します。時間に余裕がある夏休みなどにおすすめしたいです。また、家に帰ってから親に説明するという思いがあると自ずと授業に集中できるものです。

・グループ・ゲーミング 
仲の良い友人と互いに教え合う手法です。主に上位のクラスで日常的に行われている方法です。実はこれは教えている方にも自分の理解を深めるというメリットがあります。そのあたりを親御さんに理解していただきたいです。

第3章 「勉強前」7つのテクニック(抜粋)

・好奇心を刺激する
「好奇心」を誘う工夫が脳の機能をアップさせるとのこと。勉強前に10分程度好きなマンガを読むことで脳が刺激され勉強にもいい効果があるとのこと。時間のルールを守れるのであれば効果的です。続きが気になるマンガの方がいいようです。勉強のモチベーションを上げるマンガは私の教室の本棚にもあります。

・音楽を正しく使う
BGMは勉強のジャマにしかならない、無音状態がベストとのこと。これは私自身としては反省点でもあります。事務所内でもいつも音楽をかけています。音楽にはモチベーションをアップする効果はあるそうですが、脳や勉強へのメリットは少ないようです。正しい使い方は先ほどのマンガのように勉強前に10分ほど好きな音楽を聞くことのようです。

・ピアプレッシャー(仲間からの圧力)でやる気を出す
モチベーションが高い人の中に身を置く。勉強ができる友人を増やす。人間の生産性は仲間の影響を強く受けやすい。これも納得できることでしょう。中学受験のメリットだと思います。

第4章 「勉強後」5つのテクニック(抜粋) 勉強後は「脳を使わない活動」をすべき

・報酬つきの昼寝
パワーナップ(効果的な昼寝) Googleやナイキでも取り入れられているそうです。塾では昼寝はなかなか推奨できませんが、夏休みなど自宅で勉強する際には取り入れてみてください。

ウェイクフルレスト 何もしないでボーッとすること。一見勉強にとってはマイナスのようですが、脳にとっては必要な時間とのことです。瞑想やボーっとする時間を作ってみましょう。私の場合は電車に乗っている時間をこれにあてていることがあります。

・睡眠の効果を最大まで引き出す
インターリービング・スリープ 勉強を中途半端なところで止めて眠る。起きたら前日に止めたところから続きを勉強する。1日の勉強はキリが悪いところで終える。

これは私も日々心掛けていたことなので納得できました。その際に便利なのが付箋の活用です。翌日どこから勉強するかすぐわかるように付箋をしておきます。またページの途中であればそこに←(矢印)のメモを残しておきます。そうすると翌日スピーディーに再スタートできます。
余談ですが、この手法を私は読書や映画鑑賞にも応用しています。読書もキリがいいところまであえて読みません。小説の最後の数ページは余韻を楽しむために取っておきます。映画も同様です。アマゾンなどの動画配信で見ることが多いのですが途中で止めて翌日以降に続きを楽しみます。

寝る前にTo Doリストを作っておく(5分)
「翌日への不安感」が睡眠障害の大きな原因の1つとのこと。このTo Doリストの作成は夏休み前の保護者会で話すことが多いです。ぜひ取り入れてみてください。

・運動で記憶を定着させる
勉強に運動をプラスすると記憶の定着率が上がる。勉強前10分のランニング、勉強後5分のウォーキングを。子ども達は普段は小学校に行ってますから、体育の授業もあるでしょうし、運動不足ということも大人と違ってないでしょう。こちらも夏休みなどに運動不足にならないように気をつけてほしいです。学校のプールでもいいですし、ラジオ体操でもいいでしょう。または親御さんと近所のスーパーに散歩がてら夕飯の買い物もおすすめです。たまには車ではなくて徒歩で買い物に行ってみましょう。

・クロノタイプに逆らわずに休む
カフェインは起床から90分後。起き抜けに飲むのはコップ一杯の水がベスト。これも日々実行してることでした。

第5章 勉強の効果をさらに高める7つの習慣(抜粋)

・話しかけるつもり音読
音読もただするだけでなく人に向かって音読をした方がよいとのこと。忙しいとは思いますが、親御さんに聞き役をお願いしたいです。

・苦手意識を消す
苦手意識は学習の成果を著しく下げる。勉強前に「小さな成功体験」を思い出す。こちらも保護者会でよくお話しする内容です。我が子を理系や文系と決めつけない。苦手科目、苦手科目と連呼しないようにお願いしています。

・オーバーラーニング
すでにマスターしたスキルをさらに練習する手法。自分が「これ以上やっても上達しないだろうな……」と実感したところから、さらに同じ内容の学習を続ける。ぜひ、これは取り入れてほしい勉強法です。自宅に帰ったらもう一度、算数であれば「知識・技術」に取り組んでみましょう。できると思っていても、できなかったり、新しい発見があることもあるでしょう。できると思うことをもう一度やることがとても大切なのです。

第6章 地頭を良くする科学的トレーニング

①ワーキングメモリ 短時間だけ頭の中で情報をコントロールできる機能のこと。

・運動 ウォーキング 1回40分を週に3回。先ほどの運動の話でも出ましたが、勉強と運動は切っても切り離せない関係です。これは大人でも同様です。仕事の質を高めるためには運動をしましょう。私も週に一度プライベートジムに通っています。45分筋トレをして30分バイクに乗っています。その他には晴れた日には一駅ウォーキングをしています。2kmで20分程度ですが、好きな音楽を聞きながら夜景を楽しみながら気分転換になります。これはどちらかというと親御さんにおすすめしたいメソッドです。

・筆記開示 自分の悩みをノンストップで紙に書きなぐる。メンタル改善、脳機能アップ、心配事がなくなると認知能力アップ。勉強が終わった後、寝る前に8分、ネガティブな感情を吐き出す。こちらもどちらかというと親御さんにおすすめしたいです。その際に利用するのがブログです。受験ブログに悩みを羅列することで我が子にフラットな気持ちで接することができるかもしれません。ブログほどおおげさでなくてもインスタやXなどのSNSでもいいでしょう。

②マインドセット 心の中に根付く深い「信念」や「考え方」

・選択と戦略をほめる プロセスをほめる、次にチャレンジする意欲が湧いてくる。
・「努力は報われないもの」と認める 努力にしがみつかない、戦略にフォーカスする。

(1)達成の可能性が高いゴールを設定する。(達成できる自信が70~80%のもの)

(2)ゴールまでのステップを明確にする。毎日のルーチンをできるだけ具体的に決める。脳は「次に何やるんだっけ?」と行動に迷った瞬間から急激にモチベーションがしぼんでいく性質がある。

(3)戦略をレビューする、成功をしっかり味わう 。「小さな勝利」の体験が印象づく。

この章だけでも、読みごたえがあります。けっこうあっさり書いてあってもっと読みたいと感じました。この手の話もよく保護者会でお話します。プロセスをほめる。または小さな目標設定。夏休みの予定はノルマ設定型。毎日のルーチンを決めてくださいというお話をします。戦略のレビューはテスト直しの時によくお話します。

・失敗を学習のチャンスだと考える
 失敗とうまく付き合う、「間違いは新たな学習のチャンス」 セルフコンパッション「自己への思いやり」、「別の自分」がどんな言葉をかけてきたか紙に書き出す。

模試で失敗したとき、クラスダウンしたときどのように気持ちを立て直すか、もっと言えば受験で不合格になったときに翌日どのように気持ちを立て直して入試に挑むか。失敗とうまく付き合うのが入試のコツだと言ってもいいかもしれません。入試までにたくさん失敗して乗り越えるテクニックを身につけておきましょう。


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