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模試で成功しやすい人、失敗しやすい人の特徴

「模試で成功しやすい人と失敗しやすい人の特徴」というテーマでお話ししていきたいと思います。2023年10月の教室通信を加筆修正してアップしています。


○テストの朝、親子喧嘩はしない ×テストの朝、親子喧嘩する

イライラすることもあると思いますが、テストの日は気持ち、心、体を整えていく練習をしましょう。後期になれば6年生の模試はあと数回を数えるようになります。入学試験当日のシミュレーションをしていきましょう。親子喧嘩をしてしまうこともあると思いますが、そこは大人が我慢して無事に試験会場へ送り出すということを一つのテーマにしてほしいです。前の日の夜や当日の朝に喧嘩をしたり、怒ったりすると集中力を欠いてしまい点数が下がってしまいます。その点を変えてみてください。

  • 気持ち、心、体を整えていく

○集合時間には余裕を持って着く ×集合時間ギリギリに着く

中には集合時間にギリギリに着く人もいます。コツは、模試を外部会場で受ける場合、場所をしっかり確認しておくことです。毎年思い込みで試験会場に向かう人がおり、埼玉の会場ですが、栄東中で行うと思っていたら埼玉栄中で行われていて、栄東に行ってしまったケースもありました。幸い30分ほどで移動できるため、そこまで大変ではありませんでした。遅刻部屋が用意されている場合もあり、数十分以内であれば受験が可能ですが、理想的な結果は望めないでしょう。また、暑い時期に受験する際は汗が引く前に試験が始まってしまうかもしれません。時間に余裕を持って15分から30分前に到着するように心掛けましょう。

さて、外部会場で模試を受験する際のその他のコツを紹介します。まず、筆記用具などの持ち物を確認することが重要です。次に、帰りの待ち合わせ場所を事前に決めておくこともおすすめです。また、気分転換になるような小さなお菓子を用意しておくことも考えてみてください。ただし、本番の入試の際は学校によっては制限があるため確認が必要です。ラムネやグミ、ビスコなどがおすすめです。気分転換になり、次の科目に集中したり前の科目を忘れたりするのに役立ちます。

そして、水分補給も忘れずに行いましょう。緊張すると水分補給が滞ることがありますが、頭痛の原因にもなりますので、常温の水を持参することをおすすめします。飲む際は一気に摂取せずに少しずつ摂るよう心掛けましょう。さらに、試験会場に到着後、最初にトイレの位置を確認することも大切です。模試時によくあるシチュエーションとして、トイレから教室に戻れないということがあります。初めての場所では教室の位置関係を理解するのは難しいかもしれません。したがって、自分の部屋番号を覚えておくこともおすすめします。

  • 場所をしっかり確認しておく

  • 筆記用具などの持ち物を確認する

  • 帰りの待ち合わせ場所を事前に決めておく

  • 小さなお菓子を用意しておく

  • 水分補給も忘れずに

  • トイレの位置を確認する

○漢字は思いつかなければ飛ばす ×漢字は思い出すまで考える

1科目目は国語です。ほとんどの入試が国語からスタートします。国語をどう乗り越えるかによって、その後の3科目、かつ合計4科目が決まります。国語は特に時間配分が難しいです。漢字については1問につき2点程度なので点数の配分的には低いです。だから「わからなかったら飛ばす」でいいでしょう。ただし不思議なのは、漢字が解けると嬉しいと感じてしまうことです。だから、ここが「罠」と言っても良いでしょう。解けるとすごく嬉しいけれど2点です。はまりやすいので気をつけてください。子どもたちが苦手なのは同音意義語です。同音異義語は何度やっても間違うので、「納める・収める・治める」とか「努める・務める・勤める」といった、同じ音だけど意味が異なる漢字を見ておくといいと思います。わからなかったら次に進んだ方が良いでしょう。

  • 子どもたちが苦手なのは同音意義語

○終わった科目は忘れる ×国語の失敗を引きずる

テストが終わった後、休み時間中に前の科目の問題を解いている子もいますが、次に気持ちを切り替えましょう。特に国語は緊張してしまって、時間配分やミスをしてしまうことがあります。腕時計を見る練習も取り入れて、シミュレーションを通じてイメージを高めましょう。月によって問題数が変わることもありますが、通常は漢字語句(10分)、読解1(20分)、読解2(20分)のような時間配分がよいでしょう。時間配分も重要なテーマの一つとして取り組んでいただきたいです。

  • 時間配分も重要なテーマ

○計算問題こそていねいにやる ×計算ミスをしないと思っている

計算問題に関しては丁寧に取り組むことが大切です。子どもたちの手元を見ると、焦って高速で筆記するケースがありますが、このスピードでは字が乱れてしまい、間違ってしまうことが多いです。親御さんも是非試してみていただきたいですが、急いで書くと「0」が「6」に見えてしまうことがあります。そのため、日常の計算から丁寧に行うことが重要です。計算ミスを軽率なミスだと片付けずに、その原因を正しく見極めることが求められます。これは実力の不足が原因です。子どもたちの計算を見ていると、単純な引き算などの計算ミスが見受けられますが、これが時に致命的な影響を及ぼします。たとえば2×6=18というようなミスが発生すると、その後の指導も難しくなります。このような事態を避けるためには、日々の訓練を通じて注意深く計算することが必要です。また、単純な計算の方法が理解されていないケースもあるため、計算方法についてもしっかりと話し合いましょう。

計算ミスを減少させる方法についてお話しいたしますが、短期間で改善されるものではないため、長い目で取り組んでいただきたいです。最初に、数字の大きさを均一に揃えることに注意してください。特に「0」を小さく書いてしまうと、0の数を誤って判断してしまうことがあります。5年生は前期の終わりに売買算という内容に取り組みます。売買算では10万などの桁も現れるため、0の数を正しく書くことが重要です。このような場面では、雑な0の記入が桁のずれやミスを引き起こすことがあります。数字の大きさを揃えることを心がけましょう。次に、文字を濃く書くことが重要です。字が薄いと誤解を招くことがあるため、しっかりとした筆圧で文字を書くことを心がけてください。個人的には0.7mmの鉛筆シャープペンが使いやすくておすすめです。

また、小数点の扱いにも注意を払いましょう。5年生は「割合」の単元では、小数の計算が多く出てきます。たとえば75%は×0.75と計算しますが、この際に桁のずれに注意が必要です。小数点は丁寧に書くことを心掛けましょう。分配法則を活用したり、工夫を加えることも良いです。つまり、計算問題に取り組む際に、ただ速く解くことを目指すのではなく、「どのように工夫できるか?」という視点で考えることが大切です。特に模試の場合、計算の解説も提供されるため、単なる正誤判定だけでなく、工夫の有無も確認してみてください。

さらに、何でも仮分数にすることをやめましょう。5年生だけでなく、6年生にも該当するケースがあります。足し算や引き算を帯分数に戻すことなく仮分数で進めてしまうことがあります。しかし、この方法では数が大きくなり、ミスにつながります。そのため、「帯分数に戻す=ミスを防ぐ」という意味を理解してください。注意が必要です。

先に計算する部分のある逆算に関しては、正答率が50%以下のことが多いです。この逆算は難しいもので、何度やっても理解しきれないことがあります。しかし、必ず1問はテストに出題されますので、先に計算する部分を計算してから番号を振り、逆算を行う練習をしてみましょう。

また、覚えるべき数字の暗記も重要です。テストで覚えるべき数字を出題することがあります。これにより、学習内容の理解度を確認すると同時に、覚えるべき数字をしっかりと覚えているかを確かめるための手法です。この際にも、「0.375(ミナコ)を知っているでしょう?」といった確認を行うことで、生徒たちの意識が高まります。0.375は1000分の375から約分していてはテスト時間が足りません。

最後に、何かおかしいと感じたら戻ることも大切です。子どもたちはしばしば先走りしてしまうことがあります。自信を持って「絶対ない」と思う答えを書いている時、間違いを見逃していませんか? 分母が3桁の場合は滅多に出題されません。少しでも疑問を感じたら、どこかでミスしていないかを振り返り、対策を取るよう心がけましょう。たとえば「17」が出てきた場合、その倍数の34、51など登場しているはずです。素数が残るという場合は、どこかで約分できる可能性が高いです。

  • 数字の大きさを均一に揃える

  • 文字を濃く書く

  • 小数点は丁寧に書く

  • 何でも仮分数にすることをやめる

  • 先に計算する部分のある逆算の練習をする

  • 覚えるべき数字の暗記をする

  • 何かおかしいと感じたら戻る

○できそうな問題から解く ×問題は順番に解く

できそうな問題から解くことが重要です。これは社会科などにも当てはまります。特に社会科の地理はかなり難解な部分もあります。たとえば、政令指定都市の名前を答える問題など、地図上の場所も合わなければ正解とはされないケースもあります。歴史の問題から取り組むのも良いですし、後半に出題される時事問題的な内容にもチャレンジすることができるでしょう。たとえば、岸田文雄といった政治家の名前が問われることもあるかもしれません。重要なのは、できる問題から取り組むことです。順番に問題を解くアプローチは特に社会科の場合、おすすめではありません。

○算数は大設問⑴に全力投球 ×算数は全問手を付ける

算数に関しては問題番号順に進めることが一般的ですが、少し異なるアプローチが効果的です。まず、大設問3番以降は(1)に対して全力を注ぎましょう。計算問題については全ての問題に取り組むことが求められますが、その後の大設問に関しては、必ずしも全問に取り組む必要はありません。特に大設問2番の後半には正答率の低い問題が出題されることがあります。これらの問題については、必ずしも全問正解することにこだわる必要はありません。正答率が10%台になることも時にはあるため、少し考えて難しいと感じたら次の設問に移りましょう。

偏差値が40後半から50台の受験生に対してのアドバイスとして、3番以降の設問では大設問(1)に重点的に取り組むことをおすすめします。前回の模試の結果を振り返ってみてください。最後の5分間で7番の(2)に取り組む必要はないでしょう。きっと正答率は低いはずです。ただし、偏差値70以上の方々には、7番の(2)を楽しんで解くことをすすめます。それ以外の受験生は、7番の(2)を解く時間があるのであれば、1番の(5)をふり返るなど、やるべきことがあります。

○リード文が長くてもねばる ×リード文が長いとあきらめる

最後のアドバイスとなります。リード文が長くても諦めずに粘りましょう。この考え方は算数、理科、そして社会科にも共通しています。特に算数の場合、大設問の(1)に関しては、それほど難易度が高くないことが多いため、ここで得点を稼ぐことができます。逆のパターンも存在します。(1)が難しくても、(2)が比較的容易な問題が含まれている場合もあるのです。通常、(1)は取り組みやすい問題として設計されており、それが次のステップへの誘導となっています。したがって、リード文が長くても、どうにかして(1)まで取り組むようにしましょう。

理科においても同様の考え方が適用されます。リード文が長く感じられるかもしれませんが、最低限(1)までたどり着くことを目指してください。なぜなら、リード文を斜め読みしても、(1)の問題には取り組むことができる可能性があるからです。したがって、最後まで諦めずに取り組む姿勢が大切です。

最後の問題まで鉛筆を握りしめ続けること、ファイティングポーズを貫くことが重要です。問題の難易度が高くても、「止め」の合図が出るまで、最後の瞬間まで努力し続けることが成果を生む道です。大事なのは、自分の限界を決めずに挑戦し続けることです。

成績が芳しくなかったり、先月は良かったけれど今月は下がる可能性もあるかもしれません。しかし、そのような場合でも、新たなテーマや目標を見つけてポジティブな気持ちで取り組んでいきましょう。自分の弱点や課題を入試前に把握できたことは、成長への一歩と捉え、弱点克服しましょう。「入試以外は小テスト」です。

後悔のないよう、通常通りの努力を惜しまずに取り組んでください。皆さんを応援しています。

  • ファイティングポーズを貫くことが重要

  • 自分の限界を決めずに挑戦し続ける

  • 入試以外は小テスト


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