週末の浅草は、普段と変わらない賑わいだった。確かにコロナ禍前に比べれば外国人観光客の姿がなく、本当なら店から人が溢れるほどの賑わいでないと、本来の賑わいではないのかもしれない。用事を済ませて、地元に戻ってから、ふと気になって緊急事態宣言中も酒類を提供し続け、午後8時を過ぎると行列ができていた居酒屋に寄ってみた。すると、やはり「まん延防止等重点措置」が適用されてからも深夜まで酒類を提供して営業を続けていた。ところが、店内は閑散としている。カウンター席はガラガラ。テーブル席にはそこそこ客は入っているが、ほとんどが2~3人のグループだった。奥の宴会スペースには客はいなかった。やはり連日の新規感染者数の多さに、さすがのアル中もビビっているということだろうか。オミクロン恐るべし。数字に勝る脅し文句はないのかもしれない。
連日、1万人近い新規感染者が出ているのに、この日に知事が視察した宿泊療養施設はたった350床である。トレーニングルームも完備された施設に入ることができるラッキーな無症状者は、どのように選別されているのだろうか。気になるところだ。昨年、私の感染時には宿泊すらさせてもらえなかった。
小池知事が「原則宿泊療養」を打ち出しているのに、現実には入所待ちが発生している。記事では「一定規模」と言っているが、連日の新規感染者数からして、相当の規模だと考えていいのではないか。その一方で、小池知事は、たかが350床の宿泊療養施設を視察して、ドヤ顔で取材に応じている。記者たちは「これでは全然足りないですよね」と聞けばいいのでは。
知事の出すメッセージと、現場の実態が乖離している。そこを暴くのは報道機関の役割だ。
何を旗印に両者が合流するのかが分からない。都民ファからすれば、小池知事が全力投球で応援に入れば、東京選挙区で議席を得るのは難しくはないはずだ。一方、都民ファが東京選挙区で一人勝ちすれば、国民民主党が付け入るスキもなくなる。選挙協力や合流なしには勝てない。そういう意味では、都民ファ側がマウントを取っているのだと考えていい。
緊急事態宣言もまん延防止等重点措置も出ていないのに、山梨県が勝手に特別措置法に基づく私権制限を行うなど、まさに超法規的措置としか言いようがない。だいたい、ワクチンを接種していないことによる不利益を被るのは、「差別」ではなくて、なんだというのか。自宅療養なら「1人3万円給付」も意味不明だ。感染して、自宅に籠るだけで、1日3万円がもらえる。感染防止には何の役にも立たない。どうかしている。
名護市長選挙は新基地建設のご当地だから、ついつい政局絡みで考えてしまいがちだが、2期目を目指す現職は強いという選挙のセオリー通りの結果でしかない。これで基地が容認されたわけでもない。一方で、沖縄県知事選も玉城知事の再選を目指すわけで、名護市長選挙と条件は同じだ。支持基盤が揺らいでいるとはいえ、そう簡単には負けないだろう。
これも現職が再選を目指す市長選。余ほどのことがないと、現職を落とすことはできない。桜井さん、立民色が強すぎた気がするが。
こちらも現職が2期目を目指した選挙だったが、元職に大差で負けた。それにしても、元々の「事前収賄」はいったい何だったのか。市民の判断は藤井氏=無罪だったのではないだろうか。
石川県知事選挙は、保守派から3人が出馬を表明して、さらに金沢市長選も加わって、えらい騒ぎになっている。ただ、いずれも自民党のコップの中の争いで、そこがいかにも保守王国らしい。森喜朗元首相のおひざ元で、側近の馳氏が負けるとなれば、ただ事では済まない。
議員の成り手がいなくて、通常の選挙では定数が埋まらず、再選挙を行っても、なお埋まらない。議員定数を減らせば、この空白を手っ取り早く埋められるが、それで解決するとは到底思えない。
しかし、議員報酬が月額15万円ではねえ。地方議員の報酬は高すぎてはいけないが、最低月額は法律で基準を定めてはどうだろうか。少々高くても、交付税措置されるんだろうし。
ちなみに。
区市町村議会の最高月額は、神奈川県横浜市の95万円。月額15万円の長野県高木村と比較して、いかがだろうか。横浜市議の皆さんは、報酬に見合った働きをしているだろうか。
これは素晴らしい。全国の議会で即刻導入していただきたい。本会議場だけではなくて、委員会室にも置いてほしい。どこの議会も、傍聴席は議員の後方で、議員の表情が見えない。誰がやじったのかも分からない。議員は安全地帯でドヤっているだけだ。
茨城県取手市は、議会改革のトップランナー。さすがだ。
このまま現職町長の居座りを認めたら、真鶴町民の民度が疑われても仕方あるまい。こうして抵抗する姿勢を見せたことは何よりだ。あとは町議会がどうアクションを起こすのか。
私が記者を始めた1995年当時、東京23区にも数区、公益質屋がまだ存在していた。「質屋」という名前の通り、貴重品を持ち込むと、お金を貸してくれる。昔は、こういう施設がセーフティーネットの一角を担っていたのだ。クレジットカードもなければ、ローンカードもない時代。変な高利貸しからお金を借りて、生活が破綻するより、わずかながら公益質屋からお金を借りて、生活の足しにする。給料が入ったら、お金を返す。そういう古き良き時代があったのだ。
もちろん、お役所がやっているから、取り立てなどできない。その一方で、高額の借金もできない。晩年はお年寄りが、久しぶりに上京する孫にお年玉をあげたい、美味しいものを食べさせたいといったささやかな欲求にこたえて、市井ではお金にもならないような物品と交換して、お金を借りたそうだ。年金が入ったら、お金を返す。そういう牧歌的な行政窓口があったことは、もう今の公務員は知らないのだろうね。