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【自治トピックス】No.54

 定期的というわけではないが、気が向くと新型コロナウイルスの検査を行う。東京都心での仕事が続いたときや、遠方の旅行に出るとき、たまに検査の間隔が空いたときには、無症状の人向けの民間の検査をしてもらう。検査機関によって異なるが、数千円で済む。デルタ株が全国にまん延していた時期、検査所はいつも行列ができていた。だが、最近はほとんど利用者を見かけない。こうした検査は、感染が拡大したときよりも落ち着いている今のような時期の方が検査の意味があると思うが、やはり人は危機感が出ないと検査しようとは思わないし、他人のためではなく、自分が安心したいだけなのかもしれない。
 例によって今回も「陰性」の判定だった。もちろん、陰性の判定には安心できない。私は昨年、「陰性」判定の数日後に発症している。未だに感染経路は分かっていない。では、なぜ検査を受けるのか。自分よりむしろ、周りに安心してもらいたいのである。検査の「陰性」はTwitter上で明らかにしている。元々、咳喘息気味の私はどうあがいても咳の症状から逃れられない。このご時世、公共空間で咳をしていると、人間扱いしてもらえない。「陰性」判定はせめてもの自己防衛だと言える。
 昨日から「ワクパス」のアプリがスタートした。さっそく登録した。これで検査は不要になるのか。いや、そうとは思わない。しばらくは、定期的な検査は欠かせないと思っている。日本でもオミクロン株への置き換えは避けられないだろう。欧米ほど大騒ぎになるか分からないが、ワクチンを打てば大丈夫という社会が訪れるには、まだ時間がかかりそうだ。辛抱強く、自分にできる感染防止対策を続けていきたい。

 さて、今週もニュースの切り抜きを。

 東京都庁で16日に開かれた「第1回 パラスポーツの振興とバリアフリー推進に向けた懇談会」には、パラアスリートだけでなくタレントも出席した。今後もより多くのタレントが懇談会に姿を見せる予定だという。
 この日は06年のトリノなど3大会に出場した元パラアイスホッケー選手の上原大祐氏らパラアスリート、歌舞伎俳優の市川海老蔵、演出家でタレントのテリー伊藤、元サッカー日本代表のラモス瑠偉氏、女性ボーカルユニット「リトルグリーモンスター」のメンバーらが参加。リモートでは、仮面女子の猪狩ともかも出席した。
 参加したタレントはこれだけではない。今回は出席しなかったものの、懇談会メンバーには歌手の大黒摩季、タレントの高橋みなみ、眞鍋かをり、プロ野球解説者の中畑清氏にバイオリニストの葉加瀬太郎氏もいる。さらに落語家の林家正蔵、三平に加え、萩本欽一、由紀さおりというビッグネームまでいる。
東スポ2021年12月17日配信

 テレビのスポーツバラエティー番組みたいなメンバー構成になっている。ダウンタウンの浜田雅功さんが登場すれば、フジテレビ『ジャンクSPORTS』と変わらない。都庁の会議を、こうやって電通のイベントみたいにしていいのだろうか。長年の東京五輪優先都政で都庁にイベント行政の癖が染み付いている。トップが軌道修正しないでどうする。

 国民民主党と、小池百合子東京都知事が特別顧問を務める地域政党「都民ファーストの会」は17日、初となる合同勉強会を都内で開催した。国民民主の玉木雄一郎代表らと都民ファの都議が出席。玉木氏には来年夏の参院選をにらみ、知名度のある小池氏と連携を強めたい狙いがあるとみられる。
東京新聞2021年12月17日配信

 国政レベルでは、国民民主党と維新の会との連携が話題となっているが、東京というエリア限定では都民ファーストの会が連携相手になるのだろうか。このニュースを東京維新の会の面々がどう捉えているのか知りたい。参院東京選挙区は、国民民主だけで1議席を狙うのは厳しいので、ファーストの会公認で候補者を擁立し、小池知事の応援を得るという戦い方は現実的ではないか。

 ただ、東京選挙区は次の選挙で立憲民主の蓮舫氏が改選を迎える。この方はぶっちぎりなので、定数は1減るくらいに思った方がいい。公明も盤石だろう。自民も1人は確実。共産は撮り鉄で躓いた人だが、落選はないだろう。そうなると、最後の2議席を、立憲民主の2人目、自民の2人目、維新の会、ファーストの会(国民民主)が争う感じか。維新は3年前、音喜多駿氏が滑り込んだが、小池旋風が吹くとなると厳しい戦いを強いられる。

 塾生の応募資格は都民ファの政治理念に賛同する満18歳以上で日本国籍のみを持つ人物。受講料は3万円(29歳以下は2万円)。来年1月7日締め切りで、募集人数は60人程度となっている。
 塾の会場は東京・新宿周辺でオンラインも同時開催。初回は来年1月29日で講師は小池氏が担当するという。その後は1か月に1回のペースで開かれ、全5回が予定されている。
東スポ2021年12月16日配信

 2016年に小池知事が初当選してすぐに「希望の塾」が開催されて、参加者を大量に集めた。講師は「政治とカネ」の問題で辞職を強いられた元都知事とか含まれていて、大ホールの講演会状態。そこから翌2017年都議選では、都民ファーストの会公認候補が選ばれている。

 塾生はどこの選挙区から立候補するか選べなかったというから、国政選挙というなら気をつけた方がいい。都民なのに、いきなり山梨県でとか言われたら、出馬表明した瞬間に落ち武者決定である。

東京都の小池百合子知事は20日、東京23区でつくる特別区長会とオンライン上で会談し、2022年度の予算編成に向けて要望事項を聞き取った。同会は新型コロナウイルス対策として、中小企業への支援拡充などを要望。小池氏は「経済の立て直しは極めて重要だ」などと述べた。
同会は重点項目として5項目を要望した。児童相談体制の拡充につながる支援や、都と区の役割分担などを検討する「都区のあり方検討委員会」の再開、大規模な水害発生時の広域避難の体制整備なども要請した。
日本経済新聞2021年12月20日配信

 特別区長会が「都区のあり方検討委員会」の再開を要望しているのは興味深いところ。石原知事は役人に投げっぱなしだったから、検討委員会を設置しても都庁官僚は無茶ぶりしかしてこなかった。猪瀬知事はシンプルにこの手の問題に興味がないから、石原知事同様に放置プレイ。舛添知事も、何をどうしたいのか分からなかった。

 小池知事は、東京大改革なんて大風呂敷を広げるのであれば、この歪な都区関係を正常化する努力をしていただきたいものだ。それにはまず、知事自身がどういう思いを持っているのか、官僚に伝えなければならない。

 まあ、おそらく興味ないんだろうけど…(苦笑)

 東京都の小池百合子知事が19日、東京・西武東久留米駅前で、同日告示された東久留米市長選(26日投開票)の街頭演説に登場。特別顧問を務める地域政党、都民ファーストと国民民主党が推薦する無所属女性候補の応援に入った。
サンスポ2021年12月19日配信
東久留米市長選挙に立候補したのは届け出順にいずれも無所属の新人で、
国民民主党、地域政党の「都民ファーストの会」が推薦する元東京都議会議員の細谷祥子氏(67)
自民党、公明党が推薦する前東久留米市議会議員の富田竜馬氏(44)
共産党と社民党が推薦する元東久留米市議会議員の篠原重信氏(70)
の3人です。
NHK2021年12月19日配信

 非常に地味な選挙ではあるが、国政での保守・中道・野党共闘の3勢力がぶつかる興味深い市長選。小池旋風の行方も気になる。細谷氏は元都議で、地元での知名度は高い。実質的には自公対都民ファの争いになりそう。

東京・武蔵野市が提出した、実質的に外国籍の住民も日本国籍の住民と同じ条件で参加を認める住民投票の条例案が21日、市議会の本会議で採決が行われ反対多数で否決されました。
NHK2021年12月21日配信

 なんてことはない。最初から賛成派と反対派で決まっていて、態度を明らかにしていなかった2人が今日、「反対」を表明して、僅差で否決されたというのが結果だ。松下市長がこの2人の切り崩しができると思っていたのか、それとも最初から反対することが分かっていて、玉砕覚悟で条例案を出したのかは分からない。

 それにしても、与野党で修正協議すらなかったのだろうか。ゼロか100かのガチンコでは議論は深まらないし、否決したら終わりだ。

 「外国人に乗っ取られる」みたいな都市伝説を真顔で拡散している人たちがたくさんいるが、武蔵野市民というのはそんなにアホと思われているのだろうか。地方の外国人参政権が認められていない限り、二元代表制のもとで国益に反する住民投票結果が市政に反映することなどあり得ない。乗っ取られると思っている人たちは、今、現に住民投票条例を否決した現実を否定しているようなものだ。議会制民主主義のもとでは、多数派が反対すれば、いかなる結果も覆せる。市長がどんな独断専行を犯したとしても、リコールすることができる。

 東京都武蔵野市議会で21日、日本人と外国人を区別せずに投票権を認める住民投票条例案が否決されたことを受け、松下玲子市長は「市議会では市民への周知が足りなかったとの意見があった」と述べ、市民の声をさらに聞き改めて条例案を検討する意向を示した。
産経新聞2021年12月21日配信

 私ならこうする。まず日本の有権者のみを対象とした住民投票条例案を提出し、成立させる。その上で、外国人の投票要件を提案した上で、(日本の有権者のみを対象に)住民投票で賛否を聞く。住民投票で賛成多数なら、外国人の投票要件も含めた住民投票条例の改正案を議会に提出する。この場合も、最終的に決めるのは議会だ。

 選挙人名簿不正コピー問題で前町長が辞職したことに伴う真鶴町長選は十九日投開票され、辞職した前町長の松本一彦さん(55)が、八十八票の僅差で元町長の宇賀一章さん(69)を下した。ともに新人で元会社役員の大塚伸二さん(66)、前町議の森敦彦さん(70)も及ばなかった。公選法の規定で、松本さんの任期は辞職前と同じ二〇二四年九月二十五日まで。投票率は62・20%(前回71・78%)、当日有権者数は六千二百八十八人。
東京新聞2021年12月21日配信

 神奈川県真鶴町では、選挙人名簿を不正にコピーしても町長を続けてもいいらしい。これからは、遠慮なくコピーさせていただこう。有権者が認めたのだから、間違いない。

 6年間、一般質問が行われていない福岡県 大任(おおとう) 町議会の12月定例会で、副議長から一般質問の通告が出されたが、議長が「内容が不適切」として許可しなかったことがわかった。議長は定例会初日の10日に体調不良を理由に議長を辞職。質問を通告した副議長が「流会」を宣言するなど混乱した。
 町議会規則では一般質問の内容を「町の一般事務」に関することとし、議長の許可を要件としている。議長だった 丹村(にむら) 咲男議員によると、「(市民団体への妨害行為などは)司法が絡む内容で、一般質問にそぐわない」と次谷氏に伝え、質問をコロナ感染の1項目に絞るよう説得したが、折り合いがつかなかったという。
読売新聞2021年12月15日配信

 頭おかしいんじゃないか、ここの町議会は…(断言)

 愛知県の大村秀章知事が代表を務める政治団体「秀成会」が2020年、大村知事の著書を支援者らに無料で配布していたことが関係者への取材でわかった。専門家によると、有権者に無償で本などを提供する行為は、寄付を禁じた公職選挙法に触れる可能性があるという。
毎日新聞2021年12月16日配信

 これは政治家がやってしまいがちな失敗なので注意していただきたい。政治家が出版する本なんて売れないから、当然、自宅や事務所に無駄に詰みあがっている。市民団体や企業とかの勉強会に招かれると、ちょうどいい機会だからと、古本屋に売っても1円にもならない自著を配ったりする。ところが、これは寄付に当たるから公選法違反というわけだ。

 もちろん、あんたの本なんていらないよって人が大多数だと思うが、それとこれとは事情が異なる。

 河村市長は4月の市長選や新型コロナウイルスに感染した際、無症状で治ったことなどを挙げ、「市民の皆様と神様、仏様にサンキューベリーマッチという1年だった」と振り返った。
 一方、河村市長は8月、東京五輪の金メダルをかじって批判を浴びた。漢字に「謝罪」の意味も込めたのかと記者に問われると、「自分でご判断いただきたい。感謝のほうが大きいんじゃないか」とした。「人間、色んなことがある。わしは誠実に生きていて裏切ったことはない」とも語った。
読売新聞2021年12月21日配信

 くだらないので、発表しなくていいし、質問しなくていい。

 任期満了(来年1月27日)に伴う岐阜県美濃加茂市長選(同1月16日告示、同23日投開票)で、汚職事件で事前収賄などの罪に問われ有罪が確定し、11月に再審請求した前市長の藤井浩人氏(37)=同市蜂屋町=が13日、無所属で立候補することを正式に表明した。
岐阜新聞2021年12月14日配信

 有罪が確定してもなお無罪と主張し、再審請求までしているのだから、ある意味、当然の決断なのかもしれない。仮に当選すれば、有権者が藤井氏は「無罪」と判断したのか、「禊は済んだ」と判断したのか、どちらと捉えればいいのだろうか。

県議会では20日原発に関する特別委員会が開かれ、この中で島根原子力発電所2号機の再稼働をめぐる請願や陳情の審査が行われましたが、いずれも継続審査となりました。

ある委員からは「コロナ禍で経済が疲弊していることからも島根原発2号機はいち早く再稼働すべきで、地域経済を守ることで住民の生活を守ることにつながる」といった意見や別の委員からは「県民の不安を解消できていないことからも、反対する請願を採択すべきだ」という指摘が出されました。
NHK2021年12月20日配信

 島根原発2号機の再稼働について、県議会に賛否両方の請願・陳情が提出されている。地元の意見は尊重すべきだとは思うが、「コロナ禍で経済が疲弊しているから再稼働すべき」という論理は、非常に怖い。あくまで安全なのか否かが問われている。

 極論になってしまうが、仮に廃炉にしたとしても地元は何十年か、廃炉ビジネスで経済が回るはずだ。

 日本原子力発電東海第二原発が立地する東海村で、無作為選出の村民が原発に関する問題を話し合う村主催の「自分ごと化会議」の第五回会合があり、これまでに出た意見をまとめた提案書の案が示された。「建設的な議論の場をつくる」など六項目で、来年一月中をめどに山田修村長に提出される。これを受けて村長が、東海第二再稼働の是非の判断に向け、村民の意向把握をどのように進めるかが次の焦点となる。

 十九日に村産業・情報プラザ「アイヴィル」で開かれた会合。会議の運営を村から受託するシンクタンク「構想日本」(東京都)の担当者が提案書の案を説明し、参加者十五人が意見交換した。

◆「自分ごと化会議」を踏まえた提案書(案)の6項目
(1)村、原電、住民間で原発の正確な情報を共有する
(2)東海第二原発の安全性を強化し、残るリスクを住民に説明する
(3)東海第二の事故に備えた広域避難計画を整備する
(4)東海第二の立地による交付金など、村の現状を知る
(5)東海第二に代わる村の魅力をつくり出す
(6)原発に関する建設的な議論を行う場を多くつくる
東京新聞2021年12月21日配信

 「自分ごと化」という言葉が引っかかる。まるで原発の再稼働に賛成・反対していた市民が「自分ごと」にしていなかったように聞こえないか。

 それはそれとして、頭を冷やして落ち着いて議論する場が必要なことには異論ない。昨今のSNSの場ではこういう議論は不可能なので、原発に限らずこういう議論を重ねていただきたい。

 大阪府と大阪市が大阪湾の人工島「夢洲」で計画するカジノを含む統合型リゾート(IR)の開業目標時期を2029年度に定めたことが20日、分かった。建設予定地の土壌から基準値を超えるヒ素やフッ素などが検出されたことを受け、夢洲を所有する市が土壌改良費として約800億円を負担することも判明。国に提出する区域整備計画に盛り込む方針で、近く公表する。
時事通信2021年12月20日配信

 800億円というのは、東京の豊洲新市場の土壌汚染対策経費と大して変わらないではないか。高すぎる。議会は中身を精査していただきたい。

 トランプ配るのに、地べたに配るわけでもあるまい。スロット回しながら生産食料品を食べるわけではない。ギャンブルに負けたら罰ゲームで地下水を飲まされるわけではあるまい。本来なら土壌汚染対策なんぞ最低限で済むはずではないか。

 港湾会計なので直接税金が投入されるわけではないと思うが、本来市民に還元されるはずの収益が800億円分減るのは厳然たる事実だ。

 還元されるという前提で今から話すのも危うい議論だが。

 主催団体の県高校文化連盟(県高文連)演劇部会は差別表現があるため生徒が中傷を受ける可能性があると弁護士から助言を受けたとして、同祭を放送予定の福井ケーブルテレビに懸念を伝え、同校の劇だけが放送されないことになった。玉村さんは問題とされたセリフについて「過去の発言の引用で、差別の意図はない」などと主張し、放送されることなどを求めて11月からネット上で署名活動を始め、波紋が広がった。
毎日新聞2021年12月21日配信

 主催団体も、演劇部の元指導員も、どちらも大人として勝手に自分たちの考え方を生徒に押し付けていると感じる。つまり、大人の世界での原発推進と反原発との罵り合いを、子どもたちの世界に持ち込んでいるだけではないか。生徒たちに差別的な発言をさせれば、ハレーションが大きいのは当たり前で、元指導員はそれを自覚していたはずだ。主催団体の側は、差別的表現をネタにして放送を丸ごと中止して、生徒たちの演劇を「なかったこと」にしている。原発推進行政に対する〝忖度〟を感じて、陰湿だ。

  今年も、表現を巡っては息苦しい毎日が続いた。子どもたちはそういう大人たちを〝忖度〟しながら成長していくのだろう。いたたまれない。



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