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【自治トピックス】No.65

 今日は東日本大震災の関連記事をキュレーションしようかと思って、ニュースをあれこれ読んでみたが、どれもピンとくる記事がない。阪神・淡路大震災よりも早くマスメディアにおける風化が進んでいるような気がする。他人のことは言えなくて、私自身も今年の3月11日は終日、仕事に張り付いて動くことができなかった。あの日、まるで起震車のように揺れ動く東新宿のビルの1階で、日本も東京もすっかり変わってしまうのではないかと感じた衝撃は、気のせいだったのだろうか。

 そういえば、11年前も3月11日は金曜日で、月曜日の今日は電力不足の影響で鉄道が全て止まっていた。地元の私鉄3路線は全て終日運転見合わせ。ようやく江ノ電の代行バスに乗り込んだが、藤沢駅からのJR東日本は動いておらず、詰んだ。職場の同僚から電話がかかってきたが、行くとも行けないとも言えない。シャッターの下りた駅の前で、茫然としていた。あの異常体験は、ほとんどのマスメディアがもう伝えなくなってしまった。

 下記は、石原慎太郎氏が亡くなった際の記事。2月2日である。

‘11年3月11日、東日本大震災。東京の交通網は機能不全に陥りました。
その際にJR東日本が取った振る舞い、それをバッサリ切り捨てたのです。このときJR東日本は、電車の運行ができないため、乗客を駅構内から外へ出し、シャッターを閉めました。
災害時のごく当たり前の行為だと世間は受け止め、批判するメディアもありませんでした。しかし石原さんだけは違いました。
メディアに先んじて、この対応を問題視したのです。記者会見でJR東日本を糾弾し、経営者が責任を取って指揮すべき問題だ、と指摘したのが石原さんでした。

FRIDAY2022年2月2日配信

 これは筆者の記憶違い、勘違いだ。例えば、当時の新宿駅ではJRも小田急も改札口前のシャッターを閉めて、帰宅困難者を建物から出した。それは当日、短い時間に震度5クラスの揺れに2度も襲われ、乗客をそこにとどめておくことで安全性を確保できなかったからだ。仙台空港の天井が崩れ落ちる映像を御覧になった方もいるだろう。壁が崩れるかもしれない。天井の照明器具や広告看板が落ちてくるかもしれない。当時のマニュアルでも、帰宅困難者は身近な広域避難場所(新宿駅に関しては新宿中央公園)に避難させるのがルールだった。JR東日本の社員は、そのルール通りに乗客を避難させた。

 ところが、そういう基本や現場の実態を知らない石原知事や、当時の(名前は出さないが筆頭副知事)がJR東日本の対応を批判した。JRにとって不幸だったのは、私鉄各線は本線と支線を切り分けて、各駅停車だけでも深夜に運転を再開したのに対して、JRは様々な路線が乗り入れるという特殊な事情があって、運転再開が翌朝に遅れてしまった。これが批判を集めるトリガーにもなっていた。

 東日本大震災の帰宅困難者問題は、その後、大幅な見直しを迫られることになる。しかし、それはJRがシャッターを閉めたからではない。未曽有の震災を経験して、全ての鉄道会社が帰宅困難者対策の見直しに取り組んだのだ。

 こんなくだらない記事ばかりだから、まとめる気が失せる。

 約1000本の樹木の伐採を伴う東京・明治神宮外苑地区の再開発計画を巡り、小池百合子都知事は9日の都議会で、「新たな神宮外苑として、次の世代につなげていくことは創建の趣旨にかなう」と述べ、計画を進める考えを示した。

 小池知事は「民間事業者は先人の思いや歴史にも思いをはせながら、1本1本の樹木を大切に扱い、樹木の状態などの詳細な調査を行って極力保存または移植をし、事業を進めることとしている」と述べた。

東京新聞2022年3月9日配信

 工事に携わるのがどういう方々なのか分からないが、果たして「先人の思いや歴史にも思いをはせながら」工事をしてくれるのだろうか。本気でそう思っているのなら、かなりヤバい。しかも、「極力」だそうだ。「極力」とは、できるだけ努力することでしかない。

 さて、あの小島敏郎氏が聞いたら、なんと言うだろうか。

 「飼い主のいない猫を増やさぬよう、動物の支援事業を活用してもらうべきだと考えるが、見解を伺う」。委員会室には3台のモニターが設置され、自宅からオンラインでつながった平都議が映し出された。平都議は動物愛護や環境、教育施策などを質問。小池百合子知事ら都側は通常通り、委員会室で立って答弁し、やりとりは約40分にわたった。

朝日新聞2022年3月9日配信

 都議会もようやくオンライン質疑が可能になった。東京は意外に広くて、西多摩地域や島しょ地域から都議会に登庁するには時間がかかる。だから都議会の会議は原則午前中は行われず、午後1時スタート。せっかくオンライン質疑が可能なのであれば、条件付けを増やせばどうか。コロナ感染だけでなく、島しょ地域や西多摩地域からもオンライン参加を認めれば、午前中開催だって可能だ。

 高校を中心とする東京都立学校で4月から、下着の色の指定や髪の毛を一律に黒く染めるなど5項目の校則が全廃されることが11日、都教育委員会への取材で分かった。プライバシーや人権に関わる不合理な校則は「ブラック校則」と呼ばれ、各地で見直しが進められている。

東京新聞2022年3月12日配信

 「下着の色の指定」とか、本当に教育者の頭はおかしい。キモい。校則と言うより、男性教師の性癖なのではないか。校則という面だけではなく、教員全員に人権教育をすべきだし、こういう〝あたおか校則〟は法律で違法にしていただきたい。

 島根県の丸山達也知事が7日、東京都内で開かれた東京マラソンについて、新型コロナウイルスのまん延防止等重点措置が適応されている中で約1万9千人が走った状況を疑問視し「こんなことをして、誰が行政の感染拡大防止に協力するのか」と、開催を認めた都の対応を強く批判した。
 丸山知事は記者会見で「部活動の大会などが延期となっている子どもたちに、どう説明するのか」と批判。大会開催のために大量の検査キットが使われた点にも首をかしげた。

山陰中央新報2022年3月7日配信

 むしろ丸山知事が「東京マラソンは開催されているので、皆さんの学校の部活動も再開していい」とおっしゃればいいのだ。そして、「県がPCR検査キットを配るから、部活動前には必ず実施して」と呼び掛けていただきたい。

 ―選挙戦では首相経験者をはじめ、多様な分野の著名人が応援に訪れた。
 馳浩を応援しようと多くの人が駆け付けてくれ、驚きとともに感謝でいっぱいだ。こうした人たちが石川の魅力を全国に発信する際に、心強い応援団となってくれると期待している。
 ―相手候補陣営からは中央が石川に攻めてきているという声もあった。
 国政で26年真面目に取り組んだ結果、多くの人が私を応援してくれた。これ以上のコメントは控えたい。

北國新聞2022年3月14日配信

 保守3分裂の激しい争いだったが、結果として最も知名度の高い馳氏が滑り込んだ。ネットも盛り上がっていたが、分からないのは争点である。最後まで競った3人のうち、誰が知事をやっても、結果は変わらない気がするが。

長崎県知事選の争点の1つとなった川棚町で建設が進む石木ダムをめぐって、今月2日に就任した長崎県の大石知事は就任後初めて、建設に反対する地元住民と面会しました。

川棚町の石木ダムをめぐっては、県は、建設に必要なすべての用地の収用を終え、家屋の撤去などを伴う行政代執行の手続きに入れるようになった一方で、地元の住民などによる反対運動が続いています。

NHK2022年3月10日配信

 現職を倒して当選した新知事ではあるが、大石氏は石木ダムに反対しているわけではない。なんたって、大村湾を十字架にまたぐ巨大プロジェクトを本気で考えている人だから、ダムごときで動揺するとも思えない。話し合いのテーブルについて、どうするつもりなのだろうか。

 神奈川県の黒岩祐治知事は、疫学調査を「社会機能や医療機能維持の弊害要素となっている」と断じ、政策転換を促した。長崎県の大石賢吾知事も、医師としての見解を交えながら「オミクロン株は感染スピードが速く、濃厚接触者を特定した時点で既に3次感染以降に拡大している可能性がある」と話し、保健所のマンパワーを重症化リスクの高い感染者の健康観察などに振り向けるよう訴えた。
 これに対し、疫学調査を評価し、継続を支持する知事からは異論が相次いだ。
 「それぞれの地域が疫学調査をサボり始めたら、日本はむちゃくちゃになる」(和歌山県の仁坂吉伸知事)、「『感染放置』政策を積極的に取るべきではない」(島根県の丸山達也知事)。疫学調査からの撤退は事実上、新型コロナの感染症法上の位置付けをインフルエンザまで引き下げることを意味するとして、現状ではそれを容認できないとの説明もあった。

西日本新聞2022年3月13日配信

 感染状況や地域性によって疫学調査を積極的に行う地域とそうでない地域が分かれても仕方ないのではないか。積極的疫学調査があるからこそ、日本は感染を過去まで洗い出して、感染の広がりを抑えてきた。ところが、オミクロン株の感染速度が速いので、疫学調査が間に合わない。首都圏や関西圏は爆発的に感染者が増えて、保健所が追い付かない。

 風評対策においては、損失額を補償する形式では漁業者救済にとどまってしまい、根本である風評への対策にはつながりにくいと考えてきた。もっとも大事なことは、福島県産の水産物が安全であることの客観的・社会的証明、すなわち検査済みの安全な水産物が流通して国民の口に入ることである。そうであってこそ、風評は払拭(ふっしょく)される。
 そのためには(政府の決めた)基金による支援ではなく、政府・東電が卸売会社を設立し、標準以上の相場で買い取り、自ら販売促進し、国民に受け入れられる取り組みをしていくことだ。理解が進めばブランドも強化されるし、利益は福島に還元される。最終的には地元に会社とノウハウごと移転すればいい。そのような取り組みが望ましいのではないか。

朝日新聞2022年3月10日配信

 須田女川町長のコメントに賛成。福島産海産物に対する風評被害は、処理水問題に始まったものではない。セシウムに対する風評すら払拭できないままなのに、トリチウムの風評を払拭できるはずもない。首都圏に住む多くの人たちは、福島の魚に対する拒否感が薄れてきている。それでも市中に流通しにくいのは、漁業の問題ではなく、もっと他にある。漁業者に損失補てんすればいいというものではなく、安全な福島産がうまく流通する仕組みを国と東電がつくっていくべきではないか。

 ちなみに、私は常磐ものの魚が好物である。

 産廃処分場建設をめぐり全国初の住民投票を行った岐阜県御嵩町の町図書館で、町政について書かれた1冊の本が閲覧できない状態になっている。閲覧不可の対応は、「反論満載のうそ本」とする渡辺公夫町長の発言がきっかけ。9日の町議会で「町長による検閲に当たる」との質問を受けた渡辺町長は、「つくり話やうそが多すぎる」と答弁した。

朝日新聞2022年3月9日配信

 このご時世に、権力者による本の検閲が公明正大に行われていることに驚き。ロシアか中国かと思ってしまう。本にうそが書かれているというなら、堂々と言論で反証すればいいだけで、本そのものを「なかった」ことにするなど、恐ろしい弾圧だ。

最終決断は3日前だった。今夏の参院選出馬も水面下で準備を進めているだけに、賛否両論あったのも事実だ。「一番大きな理由は、戸田の市民に選択肢がないのはダメだと思った。まだまだ未熟者な私ですが、無投票なのはいけない。『市のために、頑張って』という市民の声も大きかった。売名ではない」。前回の市長選は約11万人中、投票したのは約4万人だった状況にも触れ、「約7万人の票が眠っている。戸田市は若い世代が多い街。若い方が選挙などに興味を持ってくれるきっかけにもなればいい」と出馬理由を明かした。

日刊スポーツ2022年3月13日配信

 民主主義国家なのだから、出たい人が選挙に出ればいい。本来、政党の枠組みにとらわれず、勝つか、負けるかとは関係なく、我こそはと思う人は立候補していいのだ。有権者にとっては、選択肢が多いほど、投票行動につながる。ただ、一言苦言を言わせてもらえば、3日前に決断したのなら事前審査くらいはやっておくべきだった。

 一般会計の歳出額を人口で割った額は千代田区が断トツ。四年ぶりに百万円台に乗せた。区財政課は「コロナ禍において、多様化する区民ニーズにしっかり対応するため、総人件費の削減をはじめとする厳しい内部努力によって積み立ててきた財政調整基金を活用するなど、歳入が確保できた」と理由を説明する。中央、港が続き、都心三区がトップ3を占めた。
 下位には、杉並区(人口五十七万人)、世田谷区(九十二万人)、練馬区(七十四万人)と人口の多い区が並んだ。
 杉並区財政課の担当者は「人口規模が大きな区では小さい区に比べスケールメリットが働くことも一因」とした上で「コロナ対策は補正予算での対応も想定して、半年分しか予算計上をしていない。単純な比較はできない」と話した。世田谷区の財政担当は「他自治体に比べ行政サービスが劣るという認識はない。経常収支比率という財政の硬直度合いを示す指標で、二〇二〇年度決算における同比率は、二十三区中十一番目。つまり、自治体独自の施策に対し、二十三区平均を上回る比率で財源を投じている」と説明する。

東京新聞2022年3月6日配信

 例えば、道路を100メートル整備するときに、その区間に何百人の住民が住んでいるのか想像してみてほしい。千代田区ならほとんどがオフィスだから沿道の人口は少ない。でも、世田谷区の住宅地なら膨大な人口を抱えている。道路整備自体にかかるお金は変わらなくても、都心区はその恩恵に預かる区民が少ない。歳出ベースで23区を比較すると、必然的に人口の少ない都心区の方が税金がたくさん投資されているかのように見えるわけだ。ただ、都心区は昼間人口がとてつもなく多くて、彼らも道路整備の恩恵に預かる。だから、一概には比較しても意味がない。

 最後は訃報を。

 全国初の女性市長で、兵庫県芦屋市市長を3期12年務めた北村春江(きたむら・はるえ)さんが13日朝、誤えん性肺炎のため、同県西宮市の病院で死去した。93歳だった。昨年5月頃から体調を崩していた。

読売新聞2022年3月13日配信

 阪神・淡路大震災のときの芦屋市長で、全国初の女性市長。1991年に現職を倒して、初当選した。ちなみに、現在の芦屋市長も女性で、2019年の選挙で自民党推薦の候補を破って初当選した。いとうまい市長。北村市長が開拓した道を後輩も受け継いでいると感じる。合掌。


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