見出し画像

【自治トピックス】No.53

 今日は、横浜で初雪の知らせがあった。藤沢市内は雨だった。地元では、最近は温暖化で雪が減ったと言われている。私は本当にそうなのか疑っている。2014年都知事選の投票日の前日(2月8日)、関東地方に大雪が降った。当時都庁担当だったので、選挙最終日の各陣営の動きを取材したいと東京に向かったものの、猛烈な雪でカメラに映る景色はどれもこれも真っ白だった。夕方、電車が止まる恐れがあったために、満足に取材もできないまま帰りの東海道線の電車に乗った。電車は遅れながらも辛うじて、地元の藤沢駅に着いた。ところが、ここからが想定外。江ノ電も小田急線も大雪のために運転見合わせで、終日運転再開の見通しは立たなかった。最後の望みであるバスも動いていなかった。タクシー乗り場は長蛇の列だが、待機場所にタクシーの姿はない。完全に帰宅困難者である。仕方なく、自宅まで歩くことにした。夜が更けて、降雪はますます強まり、吹雪のようになった。幹線道路の歩道を、会社帰りのコートのサラリーマンが真っ白になりながら黙々と列をなして歩いていた。歩道と道路の境目は雪で分からなくなり、油断すると側溝に足がハマる。横殴りに吹き付ける雪。視界が薄れる。肩を丸めて歩く人たち。ふとどこかで見た光景だと気づいた。

 八甲田山!雪中行軍!

 なぜか映画『八甲田山』のBGMが脳内に流れる。方向感覚の分からない山中ならともかく、アスファルトの道路で遭難するわけにもいかない。どこかに人が埋もれているのではないかと思うほどの雪の山をかき分けて、ようやく自宅にたどり着く。普段なら30分で歩ける工程だが、1時間弱かかっただろうか。まさか死ぬとは思わなかったが、生きた心地がしなかった。

 今年は暖冬らしい。暖冬には大雪が降る。春が近づく頃が要注意だ。南岸低気圧が近づいたら、あの大雪を思い出したい。

 さて、ニュースの切り抜きから。

 18歳以下の子どもへの10万円給付をめぐり、岸田文雄首相が13日午前中の衆院予算委員会での質疑で、10万円の現金を年内に一括で給付することも選択肢の一つとして認める考えを示したことを受け、新型コロナ担当の山際大志郎・経済再生担当相は「補正予算の成立前や、実施要領を示す前に給付がおこなわれた場合、給付対象者や金額が適切である限り、事後に(国から自治体に)補助金を交付することにしたい」と述べた。自治体による現金給付後に、国が補助金で手当てをする考えを示したものだ。公明党の竹内譲政調会長の質問に答えた。

朝日新聞2021年12月13日配信

 連日のように報じられている10万円給付問題。衆院選が終わって、2カ月になろうとしているのに、まだ議論しているのだから呆れる。最初の与党合意はなんだったのか。コロナ禍で配った10万円の定額給付金に振り込んだ口座に、さっさと10万円振り込んだら、とっくの昔に終わっている。つまり国民全員対象で良かったのではないか。これだけ大騒ぎしているうちに消費される国会議員の給与はいかほどなのか。ただでさえ時給がバカ高い人たちが議論するのだから、さっさと決めていただきたい。

 18歳以下の子どもへの10万円給付で、現金5万円とクーポン5万円分を組み合わせる政府方針について、神奈川県の黒岩祐治知事と、千葉県の熊谷俊人知事は10日、相次いで異論を表明した。東京都の小池百合子知事は「区市町村が混乱することのないよう、国として早期に具体的な基準を」と注文した。

朝日新聞2021年12月10日配信

 神奈川県と千葉県の両知事が踏み込んでクーポン支給に異論を唱えているのに、肝心の「首都」の小池知事が玉虫色の発言しかしていない。やはり自公主導の都政運営が明確になってきた証拠と言える。2期目後半はこうやって、存在感が薄まっていくことは避けられない。

 18歳以下の子どもに現金5万円とクーポン5万円分を給付する政府方針をめぐり、「コロナ禍の厳しい状況は同じ」として所得制限を撤廃する地方自治体が出ている。クーポン配布への反発も広がっており、制度の土台が揺らいでいる。

朝日新聞2021年12月13日配信

 政治的な妥協として形式だけ所得制限をかけてしまったがゆえに、地方ではクラスで10万円がもらえないのが1人だけというような仲間外れが生じる。それが大人なら仕方ないが、子どもの世界にそういう分断を持ち込むべきではない。

 ただ、自治体独自に所得制限をなくしてしまうと、隣の自治体では10万円もらえるのに、うちはもらえないという分断も生じる。それが人里離れた隣町ならともかく、23区のような市街地だとかなり目立つだろう。道路隔てた向かいでは10万円もらえるという事態もあり得る。

 やはり気になるのは、以前も独自の給付金で話題となった千代田区の動きだ。

 東京都の小池百合子知事は、同性カップルの関係を公的に認知する「同性パートナーシップ制度」について、来年度内に導入する方針を示した。7日の都議会本会議の代表質問で明らかにした。小池氏は6月の都議会で制度導入を検討するとしていたが、具体的な時期に言及したのは初めて。

朝日新聞2021年12月9日配信

 ようやく東京都も足を踏み出したか、と思いきや、来年度という近い将来の話でズッコケた。同性パートナーシップ制度ごときに何を手こずっているのか。区市町村単位の独自のパートナーシップ制度もあるので、それぞれの自治体の取り組みを阻害するような制度にはしてほしくない。

 私は、パートナーシップ制度というのは、婚姻届の提出先である区市町村を窓口とすべきだと考えている。東京都というのは都民に直接接する窓口を持っていないので、果たしてこうした認証制度の創設にふさわしいのか、そもそも広域自治体の仕事なのかという疑問は残る。

 警視庁は13日、衛星利用測位システム(GPS)機器を相手の承諾なく取り付けるなどの悪用を禁止する東京都迷惑防止条例改正案の概要をHPで公表した。条例案は2022年6月の都議会定例会に提出され、可決されれば同10月に施行される見通し。

共同通信2021年12月13日配信

 奥さん、ダメだってよ…(笑)

東京 武蔵野市が提出した、実質的に外国籍の住民も日本国籍の住民と同じ条件で参加を認める住民投票の条例案について、13日、市議会の本会議に先立って委員会で審議され、可決されました。

武蔵野市の松下玲子市長が現在開会中の市議会に提出した、常設の住民投票の条例案をめぐっては「多様性のある市民の力を生かしたい」などとして、投票資格を3か月以上、市内に住所がある18歳以上とし、実質的に外国籍の住民も日本国籍の住民と同じ要件で参加できるとしています。

NHK2021年12月13日配信

 可否同数で、委員長が賛成と判断した。住民投票の対象に外国人を入れるかどうかが焦点となっているが、反対派が「外国人に乗っ取られる」などという都市伝説みたいな言説で攻めていて、ひたすらドン引きする。地方自治体は執行機関と議会との二元代表制で成り立っている。住民投票はその補完でしかない。確かに、住民投票の結果は尊重しなければならないが、市長選や市議選には外国人が投票する権利はなく、仮に住民投票の結果が国益に反していたとしても、市長か市議会がノーと判断すればいいだけだ。

 仮に市長が国益に反する住民投票結果を市政に反映させるとしても、市議会は執行機関の出した議案に反対する権利があるし、市民は市長をリコールすることができる。首長のリコールには外国人は参加できない。

 つまり、どう乗っ取ろうとしても、外国の勢力が自治体を乗っ取ることなど不可能だ。

 コロナ禍ですっかり機運がしぼんでしまったカジノ解禁。現在、大阪府・大阪市、和歌山県、長崎県の3地域がIR誘致に名乗りを上げているが、厳しい状況に追い込まれているのが長崎だ。来年4月末までに国へ認可を求めて申請する段階まで来ているというのに、資金調達の目処が立っていないのだ。そのため議会も紛糾。「デイリー新潮」が長崎県IR推進課に取材すると、担当者が“絶望的な現状”を明かした。

 今年9月、長崎県は公募を経て、オーストリアの国有企業「カジノ・オーストリア・インターナショナル」の関連企業である「カジノ・オーストリア・インターナショナル・ジャパン(CAIJ)」を設置運営事業予定者に決定し、同社と基本協定を締結した。開発総事業費は3500億円。費用はCAIJ側が全額用意する。県は年間840万人の集客を見込み、2027年後半の開業を目指すとしているが、議会での答弁でもわかるように、事業計画どころか実行に移す資金が集まっていないのである。

「TBSに120億円、地元テレビ局に5億円の出資を依頼したものの、いずれも断られたと聞いています。博報堂や海外のカジノオペーレーターにも声をかけたが、ダメ。3500億円のうち半分は融資で賄うことも可能ですが、地元経済界の有力者によれば、幹事銀行すら決まっていないというのです」(地元経済界関係者)

デイリー新潮2021年12月7日配信

 長崎県でカジノなんて本気で思っているところが怖い。コロナ禍で外国人観光客が訪日できない状態で、出資する企業や銀行があるとも思えない。

 ただ、記事でも触れられているが、地元メディアはカジノに批判的な記事はタブーになっていて、県議会もほとんど保守系。おかしなところがあっても、チェックが働かない。

 大阪湾の人工島・ 夢洲(ゆめしま) (大阪市此花区)の整備を巡り、大阪市に巨額の出費が発生する可能性が出ている。カジノを中核とする統合型リゾート(IR)の候補地について、市が土壌汚染や液状化の対策費を例外的に負担する方針を示したためだ。市が契約している弁護士からは住民訴訟のリスクがあるとの指摘もあり、市議会から批判が出ている。

 IR候補地周辺で土壌汚染がわかったのは今年1月だった。市が主要な交通手段となる大阪メトロの新駅予定地を調査したところ、基準値の2~3倍のヒ素と1・5倍のフッ素が検出された。夢洲は現在の環境基準が定められた2003年以前に海底のしゅんせつ土などで埋め立てられたため、土壌の一部は基準に適合しないという。

読売新聞2021年12月11日配信

 大阪では土壌汚染が発覚し、大阪市がその対策費を捻出しなければならないかもしれない。

 土壌汚染対策なんて覆土すればいいのだから、業者に任せればいいのに。地べたでトランプするわけでもあるまい。

 周囲への対応にも変化は表れている。最近上京する際に、これまで距離を置いてきた地元選出議員を秘密裏に訪ねているという。「政策実現のための経験を積んで、懐が深くなった」と関係者。空港出資問題やロープウエー構想などで対立した市議会最大会派の自民党市議団とも再び良好な関係を築きつつある。

 1年後の市長選には、元自治体幹部が立候補の意欲を持っているとされ、一部の野党も擁立を検討する。
 高島市政3期目のおよそ2年間はコロナ禍で、自身が掲げる「福岡をアジアのリーダー都市に」といった政策はほとんど進めることができなかった。「まだやり残したことがたくさんある」と、高島は周囲に続投の意欲とも取れる言葉を漏らす。親族には「僕は福岡から出ないことにした」と言ったとの話も伝わる。

西日本新聞2021年12月11日配信

 やり手で知られる高島宗一福岡市長の任期が残り1年に迫ってきた。このところ福岡市が元気なのは、高島市長の手腕が大きい。コロナ禍でも福岡市は積極的な検査を行い、感染拡大の抑え込みをしてきた。一方で、規制緩和にもメリハリがあった。東京や大阪の口だけ改革派首長とは大違いだ。

 仮に国政転身なら自民党なのか。それではつまらないね。

 任期満了に伴い来年1月13日告示、同23日投開票で行われる南相馬市長選は、13日で告示まで1カ月となる。これまでに、いずれも無所属で、現職の門馬和夫氏(67)=1期、元職の桜井勝延氏(65)が立候補を表明し、前回と同じ顔触れの選挙戦が濃厚となっている。

福島民友新聞2021年12月12日配信

 4年前に門馬氏に敗れた桜井氏は、リベラル派からの支持が厚い。今回も立民系市議の支援を受ける。冒頭に書いた大雪の都知事選でも、桜井氏は真っ白な銀座で細川護熙候補の応援演説に立っていた。

 神奈川県真鶴町の選挙人名簿を不正にコピーし自らの選挙に利用したとして辞職した松本一彦前町長(55)が9日記者会見し、町長選(14日告示、19日投開票)に無所属で出馬する意向を明らかにした。松本氏は出直し選挙に臨む理由を「謝罪して回る中で町長を続けてほしいとの声があり、立候補を決断した」と述べた。

共同通信2021年12月9日配信

 選挙人名簿の不正コピーを行った町長が責任を取って辞職し、町長選に立候補するという笑い話。日本中から笑われているという自覚がないらしい。

 岩手県知事の政務秘書の必要性を巡り、県議会の一部で疑問がくすぶっている。置くことに反対する県議は「多額の税金を払ってまで必要な存在なのか」と追及。対する達増拓也知事は「県政を進めていくのに役立つ」と譲らず、議論は平行線をたどったままだ。
 達増知事は2007年の初当選以来、政務秘書を置いてきた。現在は2人目で、17年に就任した。副知事と同様に特別職の扱いだが、議会の承認は必要ない。
 業務内容は、政党・宗教関係者への対応や日程管理、活動リポートの作成などで、地方公務員法の制約を受けずに遂行できる。今年のリポート発行は3カ月に1回程度だったという。

 全国で政務秘書を選任しているのは岩手県や福島県など8都県。東京都はホームページで所得を公開している。増田前知事の政務秘書だった佐々木順一県議(希望いわて)は「公選で選ばれた知事の政治活動は自由だ。政策で県民に還元すればいい」と意義を語る。

河北新報2021年12月9日配信

 政務秘書は、東京都も置いている。石原都政下では往々にして、変なヒエラルキーをつくって、政治をゆがめる傾向にあった。単に税金がもったいないという議論ではなくて、役割を明確化し、公務員組織における位置づけに応じた仕事と給与にしてもらいたい。

 愛知県の大村秀章知事は13日の記者会見で、中部空港(同県常滑市)の現滑走路(3500m)を大規模補修するため、2本目の滑走路建設を進めると明らかにした。新滑走路は現在の誘導路を改修して5年程度で完成させる。現滑走路の補修を終えた後は発着能力を現行の1・2倍にする。

共同通信2021年12月13日配信

 コロナ禍が落ち着いてきた途端に景気の良い話だ。まがいなりにも「国際空港」の看板を掲げておいて、滑走路1本というのはみっともない。とはいえ、羽田線・成田線の需要のない空港をさらに充実させるだけの需要が本当にあるのか。しかも、名古屋市内からのアクセスは悪く、東海道・山陽なら新幹線が圧勝している。

 兵庫県では昨年11月、県庁の貯水槽の排水弁を約1か月閉め忘れたことで水道代約600万円が余分にかかったとして、県が50歳代の男性職員を訓告処分にし、半額の約300万円の弁済を請求。職場でカンパを募ることも検討されたが、職員は「迷惑をかけられない」と辞退し、昨年12月に全額を支払った。

 地方自治法では、役所の物品の損傷などで「故意」か「重過失」が認められる場合、職員に損害賠償を請求できると規定している。「重過失」に当たるかどうかの判断は、自治体の裁量に委ねられている。
 総務省は自治体の職員個人に賠償責任が生じたケースについて2~4年ごとに統計を取っている。1995~98年度の4年間は45件だったが、2009~11年度の3年間は54件、16、17年度の2年間は51件と増加傾向だ。

読売新聞2021年12月14日配信

 民間企業で従業員が仕事のミスにより多額の損害賠償を追うことはあまりないのではないか。それだけ行政にも厳しさが求められると思うが、それでも事例は増加しているので、抑止効果にはなっていない。

 宮城県大和町議会(定数18)が、議会改革の一環として「これからの大和町議会のあり方プロジェクト」を始動させた。有権者が主体となり議会や議員のあるべき姿を議論し、2022年度までに具体の改革に着手する。21年度は議員を除く町民ら24人の「研究員」からなるゼミナールを組織。さまざまなテーマで意見を交わし、議会を取り巻く課題を洗い出す。

河北新報2021年12月13日配信

 議会改革というと会派の代表が密室で協議して決めるパターンが多いと思う。住民主体で議論するのは好例。安易な定数減や給与カットなど、住民でなくても出せるような改革ではなく、もっと住民目線で考えてほしい。

 茨城県鹿嶋市の錦織孝一市長が市議会での答弁で不適切な発言をしたため、インターネットでの議会映像の配信を一部で取りやめたことが分かった。この影響で、サッカーのJ1鹿島アントラーズの新スタジアム構想に関する質疑も見られなくなり、サポーターらから不満の声が噴出。市側は配信再開に向け、編集作業を急いでいる。

毎日新聞2021年12月10日配信

 一部の音声だけなくすことなど難しい作業ではないと思うが。まとめて配信を止めてしまったら、影響が大きすぎる。

「あなたは障がい者であるまえに、人間です。人間だから人間らしい扱いを受けるのは当然の権利です」との文言に、自民党の牧島功氏は「尊厳のある人に対し『扱い』とは何か。実に不愉快。当事者目線ではなく上から目線だ」と批判。
 地域移行への通過型施設の意味で「施設は終(つい)の棲家(すみか)ではありません」とした部分についても、「入所者の中には出たくても出られない人がたくさんいる。こういう人にも『出て行け』ということ。当事者に寄り添っていない」と追及した。

神奈川新聞2021年12月10日配信

 記事だけで判断することはできないので、全文を読んでみた。

当事者目線の障がい福祉実現宣言
~あなたの心の声に耳を傾け、お互いの心が輝くことを目指します~

 津久井やまゆり園事件のような悲惨な事件を二度と起こさないために、私たちはこれまでの障がい福祉のあり方を根本的に見直し、「当事者目線の障がい福祉」に大転換することを誓います。それは「あなたの心の声に耳を傾け、お互いの心が輝くことを目指す障がい福祉」です。
 私たちは「虐待」は絶対に認めません。強度の行動障がいの方に対して、周りの人や自分を傷つけるから、音や光などに過敏に反応し過ぎるから、長時間、部屋に閉じ込めておく、車いすに縛り付けておく。これまではそんな支援が当たり前のように行なわれていました。
 安全安心のためにやむを得ずということでしたが、それは明らかに「虐待」です。「虐待」は絶対に許されることではありません。
 あなたは障がい者であるまえに、人間です。人間だから人間らしい扱いを受けるのは当然の権利です。
 私たちは部屋に閉じ込められている当事者ご本人の目線に立って考えます。なぜ、あなたは周りの人や自分を傷つけるような行動をしてしまうのでしょうか。
 もしかしたら、あなたは自分の気持ちをうまく表せないだけかもしれません。自分の気持ちを聞いて欲しいと訴えているに違いないと考えて接すれば、全然違ったサポートができるはずです。
 私たちはそんなあなたの心の声に全身全霊で、耳を傾けます。あなたの思いを受け止め、工夫をしながらサポートします。そうすればきっとあなたは安心してくれるに違いない。それが私たちにとっても大きな喜びにつながるはずです。それがお互いの心が輝く障がい福祉です。  
 施設は終の棲家ではありません。あなたが地域の仲間たちとのつながりの中で暮らしていけるよう、一緒に考え、準備をする場です。
 そんな支援を実践しているところが実際にあります。別の施設では部屋に閉じ込められていた人が、生き生きと働く姿は感動的です。そういった成功事例を多くの関係者が学び、実践していけば、必ずや、「当事者目線の障がい福祉」は実現できるはずです。
 どんな障がいがあっても、支えあい、愛と思いやりにあふれ、みんなのいのちが輝く、「ともに生きる社会」を実現するべく全力を尽くすことを誓います。

令和3年11月16日 神奈川県知事 黒岩祐治

神奈川県HPより全文抜粋

 「当事者目線」と言いながら、この宣言には「あなた」と「私たち」がいる。「私たち」とは植松くんと同じ施設で働く立場だ。「あなた」とは施設に入所している障害者だろう。

 正直、私は宣言文を読んでも「上から目線」という感じはなかった。というのも、私は当事者ではないからかもしれない。当事者でない立場から「上から目線」かどうかは論ずるべきではなかろう。

 最後は阪神・淡路大震災の話題から。

 来年1月に発生から27年となる阪神大震災の犠牲者らの名前を掲げた「慰霊と復興のモニュメント」(神戸市中央区)で11日、6人の銘板を加える式典が開かれた。銘板に刻まれたのは5029人になり、遺族は銘板に「やっと居場所ができたな」と語りかけ、亡き人をしのんだ。

共同通信2021年12月11日配信

 阪神・淡路大震災から来年1月17日で27年になる。こういう記事を読むたびに、まだ震災が終わっていないのだと気づかされる。最近は「スーパー南海地震」「南海トラフ巨大地震」などと振り子が振り切れた想定ばかり話題となっていて、身近な防災対策がおろそかになってはいないか。

 M9クラスの巨大地震は、人間の長い一生では一度経験するかしないかという確率でしか発生しない。だが、阪神・淡路大震災クラスのM7レベルの地震は、この四半世紀で幾度も経験してきた。東京は、今生きている人たちがほぼ間違いなく、首都直下地震を経験するだろう。1月17日も、身の回りの減災を考えるきっかけにしたい。



















ほとんどの記事は無料で提供しております。ささやかなサポートをご希望の方はこちらからどうぞ。