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小便くせぇ大学生

 ※初投稿でクソきしょ文になります。多めに見てね

小便ってのは稀代の盛り上げ上手だ。まさかぁそんなことねぇだろって言われると思う。けどそんなことねぇことねぇんだな。

 例えば大学生の飲み会で空いた酒瓶に小便を入れて持ってくると大いに盛り上がる。男たちのボルテージは最高潮に達して、女たちですら「おい!」とか「やだ〜」とか言いながら楽しんでくれる。そう。小便には場を盛り上げる才能がある。

 しかしこれをどうするか?一度出した人の体液をどうするかという議題になればこれはもう総辞職もんで、正直誰も彼もが触れたがらない。そう、小便は盛り上げ隊長な反面、その暑苦しさから嫌われもんなのだ。

 誰が捨てに行くのか。誰がその瓶を持って帰るのか。はたまた置いて帰って何も知らない店員さんに丸投げするのか。答えは出ず、渋々出した張本人である僕がトイレへ捨てに行き、ほのかに後悔を噛み締める。グッバイ俺の小便。嫌われ者同士地獄で会おうな。

 だがある時、俺の大学生活。ひいては小便界に激震が走る。あらましはこうだ。

 確か水道橋だったか。そこのカラオケで二次会をしている時、例の如く自らの小便を空いた鏡月アセロラボトルに詰め込み俺は部屋の中に強襲した。

 「鏡月新しいの買ってきたわ」

 部屋の中の奴らは大声で歌いながら酒をボトルで回している。酒で頭が錆び付いてしまったのか、やけに温かい鏡月のボトルを手渡しで渡しても何ら気にせずそれを回し始める。もちろん持つと飲むとじゃ天と地の差だ。口に入れると皆どこか怪訝そうな顔をしだした。

 「これなんだ?なんか鏡月っぽくなくない?湯割り?」

 リーダー格の男・Dの言葉に俺は笑みを抑えられない。この後の展開は大いに予想できる。「テテーン。実はそれ俺の小便なんよね」と言った時、この部屋は嗚咽と涙で染まるだろう。

 「あぁ。そうそう。それ俺の小便だからね」

 待ってましたとばかりに俺は口火を切った。五人いたオーディエンスの内三人は案の定、さっき夢想した展開の如く嗚咽を繰り返す。一人は唾を紙コップに吐き続けどうにか口の中の残り香を追い出す。もう一人はドリバーにメロンソーダを取りに行き、残りの一人は信じられないといった表情を俺に向けてきた。そう言えばここにいるメンツは俺の小便を見たことない組だったかな。(一応弁明しておくと毎回やってる訳じゃないからね。本当に片手出収まるからね)

 だが、残るD君含む二人は精鋭中の精鋭。予想外の行動に出る。

 「なんだぁ小便か。でもお前の小便美味いぞ!鏡月より全然飲みやすいわ!!」

 「ほんとだわ。これいけるぞお前凄いな」

 飲みやすいとか飲みにくいとかが判断基準なあたり、あの頃の僕達は若かった。でもそうじゃないんだよね。人の小便。まぁ百歩譲って可愛い女の子のならまだしも男友達のって普通キツいだろ。しかも見たかったのは唾液混じりの嗚咽であって、みるみる中身の減っていく鏡月のボトルじゃない。
 
 当の本人である僕はかなり困惑していた。コイツらとは縁を切ろうかとも少し考える。しかしそれと同時に少しだけ好奇心が湧いてきた。

 (まぁ少しだけ飲むか)

 「いやマジで美味いから飲んでみ!」と我が物顔で勧めてくるD君に冷ややかな視線を送りながらも、嫌々ボトルの中身を口に含む俺。

  ……クソ、飲める。自分でも不思議なぐらい飲める。少なくとも今まで口に入れたどんな小便より飲みやすい。女の子のよりね。

 ほとんど無味無臭。ほのかに香るアセロラの味が不快感を消している。生暖かいのは結構嫌だが、確かに湯割りだと言われれば信じてしまうレベルの完成度だった。ほら、小便って炭酸抜き暖かレモンスカッシュ的な感じじゃん?レモンスカッシュの良いところを全て潰して濾して出てきた余分要素の塊じゃん??(圧)

 やっぱりこの世にあってダメなもんなんて無いんだ!どんなモノでもそれを有効活用してくれる人と場所さえあれば役に立つんだ!ある種SDGsとかってコレが起源だったりするんじゃない?

 とにかく、僕はなんだか自信が湧いてきた。自分の小便にアイデンティティを持つことがあるとはあの頃の純粋無垢な僕は思いもしなかったでしょうね。その後飲尿三人組でSMAPのベストフレンドを熱唱する。

 ありがとう友達!ありがとう小便まみれの青春!Dear小便!!

 水道橋にやけに小便臭い大学生三人組が誕生した瞬間であった。

 

 

 

 
 
 

 

 

 

 



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