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ダライ・ラマに、従いなさい

先日、千葉の叔父ちゃん家に
遊びに行ってきました

叔母ちゃんが、俺の母親の妹にあたり
叔父ちゃんは、叔母ちゃんの旦那さんで
今年83歳です

最後に会ったのは4年前
その時で失見当識という
自分がどこにいるのか分からなくなる症状が
時々ありました

軽度の認知症です

ほどなくして
免許を返納し、介護保険の申請をし
デイサービスに通いはじめました

ちょうど
俺が叔父ちゃん家に着いた日は
そのデイサービスの日でした

車のエンジンの音

叔母ちゃん:
あ、お父さん、着いた着いた

庭先にデイサービスの車の音が聞こえて
叔母ちゃんと俺は
叔父ちゃんを迎えに行きました

ワゴン車のスライドドアから
ゆっくり降りる叔父ちゃん

山ちゃん:
おじちゃん、遊びにきたよー

と、声をかけましたら

叔父ちゃん:
あ、、、

何となく見たことがあるような
ないような、そんな顔をしたものの
さすが日本の元会社員
キリっと襟を正し

大きくなったね
と、俺に応えてくれました

大きく、なった、ね

ぬぅー

大きく、なったね、か

あああ、そうかそうか

山ちゃんにしては
しばしの反応の悪さはあったものの
この仕事しててよかった
俺はさも自然な反応を選択できるよう
日々培っているのです

山ちゃん:
大きくなったっしょ縦にも横にも
みんなに言われる

叔父ちゃん:
ゆっくりしていってね

そう言って、叔父ちゃんは
靴を脱ぐのを忘れていました

叔母ちゃん:
お父さん、靴ぬいで

夏よ、さよ、おならぁ〜


岸田総理は今日
高齢化社会を「幸」齢化社会と呼び
これから来るであろう
日本の末路に明かりを灯しました

認知症って何かと
マイナスのイメージがあるじゃないですか

でもね

本当に、救われようがないくらい
マイナスばかりなんです

(笑)

衣食住、基本的なことまで
自分ひとりではできなくなるわけですから

大変なことだと
誰もがざっくりと理解できるハズです

本当に大変なのは

本人ではなくて、介護者だって知ってました?

我々が、気遣ってあげなければならない
最優先は当の本人ではなく

介護者の方なのです

まず、日本という国は
長男の嫁が旦那の親を看とるべきだ
みたいな悪しき風習が
まだまだ心の根底に残ってまして

多くの方は、罪悪感をもって
公的な介護サービスの敷居をまたぎます

またいだ時には
なかなかの状況になっていまして
よくこんな状態で頑張っていられましたね
と、早急な対応が必要な場合が

ままあるのです

いわゆるよい嫁ほど、よい介護者ほど
非常事態に陥ってるんです

なんか、こんな感じ


話は変わりますが
予期せぬところで
戸棚の角に頭をぶつけたら

いったぁーい!
私何か悪いことしたかしら?

なんて思わず言う人、思っちゃう人
いませんか

こう言う人って
親を粗末に扱ったら大変な災いが訪れる
という古代日本の御霊信仰に
憑りつかれているかもしれません

2年くらい前でしょうか
かのダライ・ラマが
ポロッと重大発表を口にしてしまいました

神に祈っても、問題は解決しない
自分で解決しなさい

もう一度
神に祈っても、問題は解決しない
自分で解決しなさい

最後にもう一度
神に祈っても、問題は解決しない
自分で解決しなさい

さぁさ、檀家たちはビックリ仰天
尻もちついて仙骨骨折です

今まで仏さま神さまに
見張られていると思っていたから
必死で善行すればいいと
祈ればいいと
現実を耐え忍ぶのだと

ガチで信じていたのに

あなた、そんなんじゃ無理
と口走ってしまったのです

ね、ダライ・ラマがそういうんです

ですから

悪しき風習や、日本古来の信仰にとらわれ
介護に悩んでる方がいましたら
良い嫁だの良い息子を演じる必要は

まったくもってありません

バチも当たりません
むしろ負担スッキリ
幸せ満タン
それこそ幸齢化社会が待ってるんです

今すぐ、ケアマネに連絡しましょう
うちのババァなんとかしてくれ
もう無理だ、無理なのだ、と

日本津々浦々
介護事業所が点在しております

分からなければ
かかりつけの病院の職員に

この辺の介護事業所を教えてください
といえば、誰かしら知ってますので
ぜひ、お声をかけてみてください

と、いうのがゴロゴロいたのが20年前

今ではやっとこ介護事業が社会に浸透し
様々なサービスを受けながら
愛する自宅で生活ができるようになりました

それでも

失禁の後始末するのは、介護者
食べさせるのは、介護者
風呂に入れるのも
身の安全を確保するのも
全部介護者なのです

認知症の患者さんの大半は
失禁しても大してガッカリしてません

ガッカリしてませんから
心配しないで
専門家に任せましょう
素人では、無理です

いいえ、何言ってるの?
心の奥底で傷ついているの
そういうデリケートな感覚を
キャッチしてこそ
ご本人の不穏な行動が解決されるのです

などと言う専門家や学者がいますが
それは認知症初期のわずかな期間くらいで
そこに注目して、大変な思いをするのは

結局、介護者なんです

このくらいバカでいいと思う


山ちゃんが個人的に
この老人が、もう家での生活が限界だな
と思う基準は

清潔が保たれているかどうか、です

これは、認知症の方の
相当早くに表れてくるサインだからです

ですから

いつ来るか分からない未来に備えて
しっかり保険をかけましょう

保険というのは、施設入所
または、高齢者住居への入所予約です

予約を入れておくのです
順番が来た時、まだ家で介護ができるなら
断ればいいだけの話

そうすると気持ちも楽になり
余裕ができる

余裕とは、相手との関係に幅がもてるので
結果、良いことしか起こりません

自分は診なくてもいい
そんな選択肢があってもいいのです

いえ、あるのです

近所の坊主が言ってるんじゃない
ダライ・ラマが自分で解決していいんだよ
と、言ってのですから

まずは介護者を大切に
してあげられる社会にしてあげたい

です

そんなものは、存在しない


叔母ちゃん:
この先、認知症がすすんだら
お父さん、徘徊してどっかいっちゃったりするの?
警察に捕まって、うちまで連れてこられるの?

最後まで看てあげたい
ただこの先が

とても、不安なの

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