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2024冬、作品名ゆず

正月、我が家に両親が泊まりにきて
何か思ったところがあるのだろうか
それとも、龍パワーだろうか

母が、また塗り絵を再開したようで
半年ぶりの新作をLINEで送ってきた

新作のゆず
冬らしい色合いで
俺的には好きだ


母は現在、82歳だが
Facebookのアカウントを持っている

初めは俺の動向を監視するくらいだったが
ここ最近は、他人のコメントまで
くまなく見れるようになり

一度だけ、俺の料理画像の投稿に
母から『おいしそう』とコメントがあって
ゾッとした記憶がある

それだけにとどまらず
◯◯さんって人の
あの物言いは注意が必要だわ
などと、ウッカリ話すこともあるので
母は、幾つになっても侮れない

ずいぶん前、俺の友人が主催する
塗り絵グループに母を所属させてもらった
Facebookを開くと
他の人の塗り絵が次々上がってくるので
楽しくてしょうがないらしい

自分で投稿する事はしないので
母の絵を写メして、俺が代理で投稿したりすると
必ず誰か彼かコメントしてくれるから
それがまた嬉くて笑顔が止まらない

自分の中から出てきたものを
他人が認めてくれると言う事は
この上ない喜びなのだと
改めてその大切さに気付かされる

出し惜しみは、この世のためにならないのだ

母は、俺の記憶の限りで
琴、ドライフラワー、編み物、習字
針子刺繍、レース編み、合唱、ビーズ細工
そして、塗り絵と
生涯を通して何らかの習い事をしてきた

特に習字は楽しかったらしく
いつの間にか先生になって
すぐにやめていた

琴という楽器は、弦の先が
大きく美しい水引のようになっている
長い弦楽器だ

子どもだった俺は
その琴が、バズーカランチャーに見えた
水引のようにくるまった弦は
エネルギーチャージの電線
その電線を無理やり引っ張りだし
俺のズボンの中にINすると
バズーカランチャーにエネルギーが注入される

琴は重たいので持つことはできない
俺は座り込み、琴の端を持つと
円心状に畳の上を引き摺らせ

標準を合わせた

標準のその先には
な、な、なんと
悪魔みたいな形相の母親が見える

ええーい、これまで

はっしゃー!

俺のバズーカ砲は母をかすめ
母の反撃、高出力レールガンが
目一杯、俺の体に撃ち込まれてしまった

ブチ切れていた

2023夏
のうぜんかずらの気分だったようだ
ちなみに、隅に押されている『や』のハンコ
あれは保子の『や』でハンコまで自作してる
自己主張の塊



母は、歌が好きだったので
合唱団にも入っていた

何をするにも、鼻歌を歌っている人で
長崎の鐘とマリモの唄の頻度が高かった
これがまた、歌が上手い

鼻歌も歌うにつれ
盛り上がってゆくものだ
ラスト、長崎の鐘がなる♫というパートで
藤山一郎が憑りうつるのか

母の周辺で、本当に鐘が
鳴り響いているんじゃないか、と
そこらを見渡してしまうほどだった

龍のパワーというやつか

なので
俺も無意識で歌を歌ってしまう

特に歩いている時
前頭葉が無防備になるので
その時その時のマイブームがあふれ出す

あまり親しくない知人が横にいると

山ちゃん、山ちゃん
今、大声で歌歌ってたの気づいてた?

え?
まぢ?

ハロぉーショパーン♫みたいな曲と
タッチ、歌ってた

タッチ、タッチ、股にタぁッチ
って下ネタの替え歌にもしてた
なかなか、恥ずかしかったよ

つまり、やめてくれ、ということだ

ごめんごめん

俺、すぐ歌歌っちゃうんだよ
この前は、イスカンダルって何?
って聞かれたから
エスカルゴの仲間だよ、って嘘ついた

2023 正月


2022 春


2022 春


膠原病の薬の副作用なのか
手先が細かく震えるので
何度も何度も、挫折していた

塗り絵の前のビーズ細工は
テグスがビーズの穴に通らず
ストレスだらけの毎日だったらしい(笑)

まぁ、そんなでも
楽しみ見つけて、熱中できるものがあるのは
息子としても、ホッとする

俺が教えたスクワットと
ストレッチもし始めたようだ

よし今度は
龍の塗り絵を送ることにしよう

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