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おーい、主任さん

理学療法士として働きだして4年目
人生ではじめて主任という
ポストについたのでした

仰せつかった時
主任とは、何をする役職なんだろう、と
また変な疑いぐせが俺を悩ませたのです

なんとなくは分かるのです

看護師を束ねる師長の補佐
理学療法科を束ねる科長の補佐
これが主任というポストであろう、と

そして
改めて働きなれているハズの院内を見渡すと
あっちにもこっちにも
主任があふれているではありませんか

今まで気にも留めてなかったけれど
まわりにこれほどまでに
主任があふれていたなんて

ここは、主任増殖病院だったのです

ちなみに
この話は市立病院や総合病院のような
職員規定がしっかりした病院ではなく
区とか地方都市とかの個人経営が
まぁまぁ大きくなったような病院での出来事です

俺は主任の立ち位置を確認するためにも
なぜ副科長とか補佐じゃないんですか、と
当時の直属の上司の科長に聞いてみたところ

やまうち君に俺の補佐してもらうってのは
まだ早いだろうし、、、
と、科長は俺の方を向かずに
サラッと答えただけでした

なかなかメタな話をする科長でして
なんか分かるような分からないような
逃げられた感はありましたが
あぁそうですか
と、その時は引き下がったのです

その後、主任になってみたものの
なんの業務も変わらず
日常をいつも通りこなし
科長が面倒と判断した会議に参加して
新人から、主任、と言われるだけです

都合いいように使われて
ずいぶん気味の悪い毎日です

あとから知ったのですが
アイツありもしない副科長ってのに
なりたいって言ってたぞ
と科長が影で言っていたようで
ものすごく恥ずかしくなりました

のちに別の病院から誘いがきたので
サクッと辞めてやりまして
移った先の病院で
自分が科長になって
はじめて主任というものが分かったのです

主任とは、文字通り主に任せる
という概念的な役職なんです

ちょー曖昧(笑)

副科長とか科長補佐というと
業務がハッキリするので責任が重く
主任といえば、ぼんやりのべーっとしてるので
責任の所在も曖昧です

なので、規模にもよりますが
主任は何人いてもいい、感じ

そうか、だからあの病院は
主任だらけだった

手当も少な目ですむので
やめてほしくないと思えば
すぐ主任に抜擢

業務内容はその科の長が采配するので
名ばかりの主任もいれば
やってることほとんど科長だろ
という主任まで様々

主に任せるという闇

俺は科長になっても
自分で動きたいタイプだったので
そんなだったら

主任なんて、いらないや
と、主任という部下をつけませんでした

要は、自分が主任だった時
軽んじられたような経験から
怨々とあの科長を呪っていたわけです

今現在
ここの病院に勤めて相当経ちますが
万年平社員です

そもそもうちの科は2人しかいないので
ふたりとも平社員で十分
のびのびとやってます

毎年ある厚生労働省のストレスチェックでは
文句なしのノンストレス

ストレスだらけの看護師C子からは
それ、バカって言われてんのよ
と皮肉を言われる始末です

我が部所がオープンしてからずっと
2人は相当仲良しでやってきました
お互い、かなり上位の分かり合える他人です

そうかこの信頼関係があれば
どっちか主任とやらに
なってみてもいいかもしれません

S子主任、山ちゃん主任
2人同時に主任でもいいですね

今日あたり事務課長に言ってみようか

俺たちを
主任にしてください

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