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270の旅路 Day274

2018年3月4日(日本)
(飛行機)→東京国際空港(HND)→明治神宮→東京駅→Knot(時計屋)→自宅


 「当機はただいま東京国際空港に到着いたしました。」

 周りはJALやANAの飛行機ばかり。タラップへ行くとどことなく匂う。外国人は日本に来るとよく「しょうゆの匂いがする」というが、どうなのだろうか。ただ「無臭」という匂いがこういう匂いなのだろうかと初めて認識した。

羽田空港の展望台
トイレに感動する日本人

 トイレはきれいで、清掃担当者まで書いてある。こんなことにどうして感動してしまうのだろうと自分で驚く。空港職員は無駄口ひとつしない。くっちゃべるのが当たり前のように思っていたのがなんだか寂しい。

朝の羽田空港

 食べたいものはお店が空いていない。外へ出て待つとそこには雲でより輝く太陽が見える。赤とも黄とも言えないような明るさだ。その場を立ち去ってはねだ日本橋を渡り、茶屋の椅子に座って7:00になるのをひたすら待つ。

これが飲みたかった

 7:00。お店が開いた。隣がどうもいい匂いなので、天丼を買ってしまう。そしてお目当てのもの。出汁。世界を回り、これほど日本をあらわす究極のものはないと行きついたもの。買ってすぐに飲むと、なんとも薄い。でもこれでいい。いや、これがちょうどいい。日本人であるとわかったのだ。朝から出汁と天丼という重めなものを食べる。足りなくて豚汁までオーダーしてしまった。

帰国最初のご飯は出汁と天丼

 時間もよい頃、気になっていた時計を買いたいなと東京の中心へと向かう。お店のある表参道からも距離的に近いので、まずは明治神宮へ帰国のあいさつのお参り。電車に乗っていく。でも電車に乗っていても、歩いていても、もう今まで自分がいた日本ではないような気がしてならない。まるで帰ってきた気がしないのだ。なんだかモヤモヤした、でも浦島のような気持ち。

明治神宮では結婚式が執り行われていた

 明治神宮で早速お参り。今日は大安吉日、そして誕生日。外は快晴の下で結婚式。境内で休んでいると外国人が日本人と連絡が取れず、困っているようで僕に話しかけてきた。話を聞いてできるかぎりのことをしたら、出会う予定の日本人がやってきた。
 「本当にありがとう」
 わずかな時間だったのにもかかわらず、仲良くなった。僕は今日、そして出会った方であるハナオさんは昨日が誕生日だという事だ。「お祝いさせてくれ」という事になり、向こう側の予定に合わせて急遽東京駅へ行くことに。あれ、ここ日本だよね?

まさかこんな寿司をいただけるとは。

 東京駅でまさかのお寿司、ちらし丼をいただきとてもおいしかった。僕が旅の話をしていると「あなたTravel bugね。」と言われてしまった。旅の中毒症、確かに。

一日の出会いに感謝。

 隈研吾の展示をみてお別れをすることに。ご夫婦のアメリカ人は成田エクスプレスで成田へと旅立った。こんなことってあるのね。

 やっとのことで、原宿に戻り、Knotへ。帰国直後に時計を買う、そんなバカいないよな。店員に「ワイルドですね」と言われてしまう始末。

 青いロマンスカーは僕の最寄り駅へと向かう。まだ浮足立っている。夕焼けに映る影、そして川、橋を渡って地元に到着。家には3匹目のネコが大きくなって出迎えてくれた。

 これ、世界一周したのだろうか。なんだか信じられない。まだ自分の中でまとめられていないのだ。でもわかるのは、9カ月ぶりに午後の紅茶ミルクティーを飲んだということ。今、家にいるという事。それだけの間のノートがあるということ。明日何しようかと考えていた今日がもう終わったということ。

さぁ、明日から何をしようか。

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