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弱い繋がりが変えてくれた私の人生

今私は、通っているグロービス経営大学院の研究プロジェクトで「現代的弱い繋がりの強さ」をテーマに取り組んでいます。
なぜこのテーマにしたかというと、私自身、弱い繋がりによって人生が大きく変わったと心から思っているからです。
何が変わったのか、今回は自身の実体験を整理したいと思います。​

第2回は「弱い繋がりのブレイクスルーが自分の人生を大きく切り拓く」
第3回は「弱い繋がりによって生まれる可能性」
を投稿する予定です。を投稿する予定です。

強い繋がりが引きよせた運命の出会いと弱い繋がり

東京電力の働き方改革担当だった2016.12月、様々な企業の人事制度を調べていた中で、社内の先輩にたまたま教えてもらったユニリーバが導入した制度WAA(Work from Anywhere and Anytime)の説明会に参加し、私はここで自分の人生を大きく左右する運命の出会いがありました。

ユニリーバ・ジャパン・ホールディングス人事総務本部長の島田由香さんの最初の挨拶で

「働き方改革は生き方改革。何を成し遂げたいか、どんな生き方をしたいかを自分で決めるということ」

この言葉に衝撃を受け、自分にとって「働く」ということが「東電(会社)で働く」から「人生の中で何をするのかを選ぶこと」と一気に視野が広がった感覚を今でも覚えています。

その説明会の最後に、2017.1月から「コミュニティTeamWAA!」を立ち上げるとの説明を聞き、「コミュニティって何だ??」と全く分からなかったですが、直感で翌月のTeamWAA!キックオフに参加することを決めました。

これが私にとって初めての今後の人生に可能性をもたらす「弱い繋がり」との出会いとなりました。
私はこのときのことを、「偶然情報を入手し、そして偶然参加したことで巡り合えたので運が良かった」と語っていましたが、後にこのように言われてハッとしたことがあります。

「参加する、その一歩を踏み出すと決めたのは自分だよね?それは運ではなく自らが行動して得た結果なんだよ」

社内の人脈をはじめ、強い繋がりから気づいていないところで実は色んな情報を得ているのだと思います。
そのときに、ただ情報として流すのではなく、自らが何かしらの小さな一歩を踏み出すことが弱い繋がりと巡り合う架け橋となるのだと振り返ってみて実感しています。

初めての弱い繋がりは衝撃ばかり

TeamWAA!では、生き方・働き方の考え方を根底からゆさぶる魅力的なテーマとそして自分の発想が一気に広がるような引き込まれる話しされる方々がゲストとして登壇し、毎月セッションが行われていました。

そして毎月様々な企業のビジネスパーソンや公務員、学生も含めて100名近くが参加し、参加者同士の対話の時間も多く設けられていて、「初めて出会った社外の人とこんなに簡単に意気投合して、繋がれて、仲良くなれるんだ」とまた衝撃を受けていたのを覚えています。

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毎月のセッションが楽しく、テーマ、登壇者の話、参加者との出会い・対話を通じて自分の世界観がどんどん広がっていき、ワクワクする気持ちが増幅し、活力に満ちあふれていた感覚を得ていました。
そしてきっとそれは私だけではなく、多くの参加者が同じように感じていたのだと思います。
コミュニティの力の凄さを実感し、このときの胸に残っている感情・感覚がその後の自分の行動を大きく変えていくことになりました。

小さな一歩が自分の可能性を切り拓いていく
真のフィードバックは行動した者のみが得られる

TeamWAA!が発足して2017.1~2017.9月はゲストを呼んでのトーク・参加者の対話が中心のセッションでしたが、2017.10月のセッションは私の大きな転機となりました。

このときのセッションは、「Team WAA!に参加して自ら行動したこと・変えたこと」を参加者がプレゼンするという内容でした。
事前にアンケートで行動したことを募集し、そしてその設問の中で「10月のセッションで話してもらうことも可能か?」といった項目があり、どうせ選ばれることはないだろうと思って軽い気持ちで「はい」と回答しました。

そうしたらプレゼンターに選ばれ、他社の方と6名でプレゼンすることになりました。

原子力損害賠償では何百回と人前に立つことはありましたが、自らの想いと行動を社外にプレゼンをするというのは全くの別物で、そうしたプレゼンを社外の方にすることは初めての経験でした。

かなり緊張しましたが、コミュニティの心地よい空気感に救われて、楽しく話しをすることができたことを覚えています。

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このときにありがたくも多くの方に共感いただき、その後の名刺交換で列が出来ていたシーンが印象に残っています。
「一緒に何かやりましょう!」「勇気をもらえました!」「今度自社でも話しをしてほしい!」など、皆さん必ず嬉しい一言をかけて名刺交換していただいて、その一回一回に心が打たれて。

今までの名刺交換は、単なる所属・氏名の情報交換だった作業が、このときの名刺交換は心も通った「共感の名刺交換」に変わった瞬間でした。

そしてそれは自らが小さな一歩を踏み出した、人に伝える、このちょっとしたことをしたからこそ得られた共感のフィードバックでした。

そしてこのときに一緒に登壇した方々とは、会う機会こそ少なくとも何か深い繋がりがあるように感じます。そしてその後の様々なアクションを生み出すきっかけにも結びついています。

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弱い繋がりから生み出される偶発的なアクション

2017.10月のセッションで起きたことはまだあります。
このときにプレゼンされたソフトバンクの岩月さんとの出会いです。

ソフトバンクでは、当時プレミアムフライデーに16時から交流会をするプレ金交流会をやっているとそのプレゼンの中で紹介されていました。

その内容にワクワクして、その勢いのままTeam WAA!のセッションが終わった後にすぐ名刺交換をして、そのときに「TEPCOもこれ参加したい!!」と伝えたところ、岩月さんからは即答で「いいよ」と返事があり、「えっ、いいの!?そんな軽い感じで決めて!?」と驚いたことを覚えています。

そこからはすぐに打合せの機会を設け、TEPCOのほかにカルビー、野村不動産も加わり、にはさらにYahoo!を始め様々な企業も参加して、3か月後の2018.1月に20社160名超えのプレ金交流会が実現されました。

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今まで私は社外の企業とコラボレーションするのは凄く難しいものだと勝手に思い込んでいました。
でも、このプレ金交流会は名刺交換の軽いノリからのやり取りでこんなに簡単に社外とのコラボが実現できた。
「社外と何かするのってこんなに簡単なんだ。なんで自分は社内に閉じこもっていたのだろう・・・」とがらりと意識が変わるきっかけになりました。

快諾いただいたソフトバンクの岩月さんには本当に感謝しています。そしてこのときの幹事メンバーとはその後も何度かあったり、他社の人事の方を紹介し合ったり、メールで気楽にお互いの人事戦略の意見交換をしたりと、このメンバーとの出会いにも感謝しています。

受け取る側から自らが与える側へ

2017.1月からほぼ毎月Team WAA!に参加して、数え切れないほどの素敵な方々と出会い、そしてそこから新しいアクションが生まれたりと、この2017年は私の人生が大きく開かれた転機の1年でした。

そしてあるとき、「自分ばかりが受け取る側でいいのだろうか・・・」と思うようになり、働き方改革担当として、そして会社でイキイキと働く社員を増やすために、Team WAA!で受け取った想い・ワクワク・知識を活かして自分も社内に還元しよう!!と思い立ち、社内有志コミュニティを立ち上げることを決意しました。

何人来るか分からない不安、でも何もしない後悔ならしてから後悔した方がいい、1人でも来てくれたら嬉しいんだからやらない理由はないと自分を勇気づけ、2017.12月に社内有志コミュニティを立ち上げました。

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はじめは17名からのスタート。
そこから2年後には200名以上、様々な職場の管理職の方も参加するようなコミュニティに成長していくことになりますが、この小さな一歩が2018年の自分の人生をまた大きく変えていくことになります。

それはまた次回の投稿で。

<東京電力時代の「働く」の想い>


<佐藤 彰>
ミテモ株式会社 ソーシャルデザインユニット
Gift&Share合同会社代表(複業)

【キャリア概要】
2003年に東京電力に入社して16年勤務し、中越沖地震被災の復旧対応、東北大震災以降の原子力損害賠償業務を担当し、その後は経営企画・労務人事戦略担当として、働き方改革、ダイバーシティ等の戦略立案・制度企画を担当。
ホールディングスカンパニー制への移行、中部電力との火力部門統合、リモートワーク導入、生産性倍増PJ、プラチナくるみん認定・3つ星えるぼし認定等さまざまな人事戦略を主担当として実行。
現在はe-ラーニング・制作事業・ワークショップ事業・地方創生を柱とするミテモ㈱に勤務し、大企業を中心として、SDGsの導入支援、理念策定、事業開発、組織開発、デザイン経営、地方創生等のワークショップを開催している。
また、2018.7月にパラレルワークを開始し、Gift&Share合同会社を設立してコーチングやコンサルティング、個人向けコミュニケーションやリーダーシップの各種イベント・セッション、延べ2,000人以上が参加する複数のコミュニティを立上げて組織の枠を超えた活動をするなどしている。

専門領域は「SDGs」。
初めての方も、詳しい方も、楽しみながら深くSDGsを理解できるワークショップを定期的に開催している。(次回は2020.7.11開催)



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