ディベートのYouTubeアニメに注目している話

今、ディベートのYouTubeアニメに注目しています。
見るほうが早いと思いますので、こちらから。
https://www.youtube.com/watch?v=Tg-t57Wb5yA

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1.そもそも「ディベート普及」の取り組みとして面白い
ディベートは一時期「論破」「言い合い」「いちゃもん」のようなネガティブなイメージもありましたが、実際は相手の話に耳を傾け、自分の「イイタイコト」をスピーディに考え、論理だけではなく感情にも訴求する知的スポーツです。

この普及のために、日本では色々な取り組みが進んでいますが、本やセミナーなどが多く、YouTubeというソーシャルメディアを活用したパターンは筆者は記憶にありません。動画という多くの人がアクセスできる媒体で、かつYouTubeという今や幼少期から触れることもあるチャネルの活用は、より多くの人にディベートが届く可能性も秘めているかと思います。(参考:総務省の「平成30年度 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書<概要>」

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特に、第1話を見る限りですが、動画の時間自体が短いのも好印象です。YouTubeでディベートの動画を検索すると、試合時間が長い。20分から、1時間くらいまでありえます。(事実、英語即興型ディベートの世界大会の試合は約1時間ですね)もちろん教育的観点からは議論が深まるほうが良いのですが、今回はディベート普及が目的なので、隙間時間でも見れるコンテンツが良いと思いました。

2.ディベートの質も高かった
テーマ自体は「のび太君」VS「出木杉君」、どちらと結婚すべきかというディベートでは古典のテーマでした。

まず、肯定側・否定側共に「AREA」の型で話していることが好印象です。
Assertion(主張)、Reasoning(理由)、Example(例)、Assertion(主張)の順番で話しているということです。就活などでも役立ちやすく、プレゼンテーションの界隈では有名な型なので、聞いたことがある人もいるのではないでしょうか?(AをPointとしてPREPと言われたり、OpinionとしてOREOと言われたりします)これは、あらゆる局面で有効な型なのでぜひ活用していただきたいです。

また、二回目のスピーチでは「お金VS愛」のような、普遍的なテーマに踏み込んでいることが面白いと思いました。ディベートはあえて「二項対立」をテーマにします。(議論を深めるために、ディスカッション中にあえて「悪魔の代弁者」として批判的に見る人を置くことと一緒ですね。)ディベートの専門用語では「対立軸」とも呼ばれています。身近なテーマから離れると、「経済 vs 環境」「親の権利 vs 子どもの権利」のように、世の中の多くyのことは実は対立軸にあふれています。対立軸を知ることが、第三の道を見つける上でも必要ですし、実は自分とは異なる考えを知ることにもつながります。(実際、私の研究によると、他の人の意見を知る寛容性というのが、ディベートで身につくことでもトップにくる傾向が見えてきています)

3.ぜひ「アジャイル開発」してほしい

アジャイルとは「素早い」「活発な」のような意味で、誤解を恐れずに言うと、顧客の声を聞きながらやり方を柔軟に変えていく、スタートアップ的な動き方です。個人的にはPDCAを速く回すタイプの進め方、と言うと分かりやすいかも、と思っています。

YouTubeの媒体のいいところは、コメント、再生数等によって視聴者の反応がすぐ見れるところにあります。中には批判もあるかもしれませんが、いわゆる「アーリーアダプター」や「アーリーマジョリティー」に耳を傾け、どんどん良いコンテンツにしていって欲しいと思いました。

また、しいてディベートの専門家の立場から偉そうにコメントするとすると、いつかは視聴者からのコメントをもとにうまくアクティブ・ラーニングに繋げていくような工夫や、使うシーンの提案(例:大学の授業などでの教材化等)、さらには授業で使えるような教育ディベートや競技ディベートへの橋渡しまであると嬉しいなと思いました。また、せっかくなので色々な人を巻き込んで、さらに良いもの似なることを願っています。視聴者が求めているか、によるかと思いますし、言いっぱなしになってしまっていますが…笑

普段とテイストが違う内容でしたが、メッセージとしては本当に応援しています!

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