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人生とは不思議なもの - 加藤登紀子さんのコンサートに参加して

先日、横浜の関内で開催された加藤登紀子さんの「ほろ酔いコンサート」に参加した。
横浜でのこのコンサートの開催は、もう40回以上になるとのことで驚きである。

昨年は、コロナ禍で中止となったコンサートであるが、今年も会場は満員で、ご本人に対する底堅い人気を感じさせた。

私は加藤登紀子さんをデビュー以来、知ってはいたものの、それは、東大卒の女性歌手として、そして、亡くなられたご主人の藤本さんの収監中に周囲の厳しい目にさらされながらも結婚。

「獄中結婚」ということで当時、世間を賑やかしたこと、或いは知床旅情を大ヒットさせた女性歌手というのが、ご本人に対する私の強い印象であった。

しかし、今回、2年ぶりに彼女の歌とそのトークに接し、学生時代から50数年の長きにわたって第一線で歌い続け、未だに堅調な支持を得られている理由が、私なりに少しわかったような気がした。

それは、「古きものを大切にしながらも常に新しい領域に挑戦するという貪欲さと生きることへの前向きさ」という点がその大きな理由のように私には思われた。

人間は、ある年齢になると、大方は若き日の思い出を確認せずにいられないことが多くなってくる。
それは、いわゆるノスタルジーといったセンチメンタルな感情であろう。

そのため、一般的に人生の分岐点となるような出来事や若かりし時代の話が多くなり、そこにとどまりがちであるのだが、加藤登紀子さんからは、そのような点は、感じられない。

これは、いってみれば、将来に向かって生きるのか、或いは、過去に立ち還って生きるのかという点に行き着くのだが、過去に立ち返っている時は、新しい経験や新たな物事に触れていないのでどうしても活性化しにくいように思える。

新たな物事に触れて自らを活性化させるか、或いは、懐かしさや思い出に浸る中で先に進まずそこにとどまってしまうのか。

加藤登紀子さんの今回のコンサートに参加してとても考えさせられた時間であった。


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