見出し画像

8月9日の出版に先駆けて、本の「目次」と「はじめに」を公開します!

画像1

はじめに

「子育てのために仕事を諦めなくてもいい方法」を手に取ってくださりありがとうございます。この本を出版するために、2020年2月から5月にかけて、105名の子育てしながら働く女性にインタビューをしました。
なぜそんなに沢山の方へインタビューをしようと思ったのか?そこには、私自身の悩みがありました。

● 自己紹介とインタビューのきっかけ

少し私の紹介をさせてください。2020年7月現在、私はパーソナルスタイリストとベンチャー企業の会社員、働くママへのインタビュー活動をしています。
私を取り巻く環境は

・子どもは長女が7歳、次女が4歳。
・夫は会社員。深夜に帰宅するほどではないが、朝は早く、平日の夜に一緒にごはんが食べられるのは週に1日程度。
・実家は徒歩5分圏内。

私は2010年から、フリーランスでパーソナルスタイリストとして仕事をしてきました。当時は、夫の転勤で実家や親戚の頼りがない長崎市で生活を始めたばかり。パーソナルスタイリストの仕事は、手探りで始めました。そのうち、子どもができ、増え、長崎から横浜に転居。それでもこの仕事は続けてきました。

10年一つの仕事をしてきました。そしたら「もっと仕事の枠を広げたい」「ファッションだけでない視点も深めてみたい」という新たな気持ちが芽生えてきたんです。そこで、新たに自分がチャレンジしたい分野が見つかり、2019年の秋からベンチャー企業の会社員としても働き始めました。

ところが、パーソナルスタイリストと会社員の二足のわらじ、それに子育て、家のこと。私のキャパシティーは一気にパンク。新しい仕事を覚えるのが大変で、周囲に迷惑をかけている。スタイリスト業もお客様を増やすことはできず、今いらっしゃるお客様で手いっぱい。

娘たちと接する時間は急激に短くなり、気づいた頃には娘は放課後の人間関係で深く悩みを抱えている。実家の両親が手伝ってくれていたけど体調が悪くなり、これ以上負担はかけられない。もうどうしたらいいのか?そんな状態だったので、「いったい他の働くママ達はどのようにしているのか?」と知りたくなりました。

ある時、私と同じくらいの年齢のお子さんがいらっしゃるパーソナルスタイリングのお客様に
「お客様は、会社員で拘束時間が長くて、子育てや家のこともあって、疲れませんか?」
と聞いてみました。

そしたら、思いがけない答えが返ってきたんです。
「全然疲れませんよ。この生活が当たり前なので。」
と。

なぜ?どうして?もっと色々聞きたいことがあったのですが、この時には聞けずじまいでした。

そのことがきっかけで、働くママ達のそれぞれの仕事と子育て、日々の暮らしについて聞いてみたいと思うようになりました。仕事に子育てに家のこと、どうやってまわしているのか?どんな心持ちなのか?とにかく聞いてみたい!やってみよう!となったのです。

30人くらいなら、身近な友人で聞いて回れそうだけど、思い切って100人。直接知り合いでない方、職種も様々な方に聞いてみたい。そしたら私の聞いたことが誰かの役に立つ可能性もあるかも。そう思って、105名の方の協力をいただき、取材を行い、この本を出版するに至りました。

● 子育てしながら働いている女性には共通点があった

100人いれば100のストーリーがあり、その背景には100のヒストリーがありました。「自分とは遠い世界・・・」と思う方もいらっしゃるかもしれませんし、共感できる方もいらっしゃるかもしれません。

でも、どなたも悩みながら今のスタイルにたどり着き、仕事も子育ても家のことも自分なりのスタイルを確立していました。
子育てしながら働く女性を取材していて思ったのは、以下の3つの条件のどれかに当てはまる人が、働きやすい環境に恵まれていると言えました。

1 自身の実家、または義実家に頼める。(住まいの近さもあるが、遠方でも頼める環境や関係性に恵まれている。)
2 夫の仕事の融通が利く。
3 バリバリ仕事をしているので、シッターや家事代行などの外注費をかけやすい。

一方、働きたくても二の足を踏んでしまう方は、この3つが当てはまらない方でした。
「3ない」の場合。

1 実家の支援が頼れない。(両家の実家が遠方。両親の高齢化など頼みづらい。)
2 夫の支援が頼れない。(夫は帰宅が遅い、出張が多い、長期出張、単身赴任など。)
3 外注できない。(保育園に入れない。仕事が軌道に乗る前から外注するのは難しい。子どもの性格的に知らない人に頼みづらい。など。)

ですが、「3ない」でも仕事のできているママ達もいました。そういう方達は

1 今の職場を働きやすい環境に改善していく。
2 自分の理想を追求できる職場を見つける。
3 自分らしい働き方を確立する。

という、自分の使える時間に合わせた働き方ができるよう、工夫と努力を重ねられていました。環境的に恵まれている方も多かったですが、どなたもそれに甘んじず、家族の幸せなあり方を模索して、働いていました。

これから様々な事例をご紹介しますが、ぜひ「あの人は実家が近いから・・・」と条件だけで判断せず、自分に取り入れられる視点を探しながら読んでいただけると嬉しいです。

これから子育てしながら働く女性はもっと増える社会になります。「働きやすい環境が整ってないから仕事はできない」と言ってられなくなる時代になるでしょう。子ども達にも、私たち母親が悩みながらも工夫して社会に出ていく姿を見せていきたいものです。

第1章では、「子育てしながら働く女性の現状」を分析していきます。
第2章では、「今の職場を働きやすい環境に改善していく」という働き方の事例を紹介します。改善の仕方やきっかけを参考にしていただければと思います。
第3章では、「自分の理想を追求できる職場を見つける」という働き方の事例を紹介します。理想の仕事とどう出会うかを参考にしてもらえたらと思います。
第4章では、「自分らしい働き方を確立する」という働き方の事例を紹介します。起業している方が多く登場します。起業のきっかけや0から1が参考になると思います。
第5章では、取材に協力してくださった105名の方の働き方を紹介します。働き方を5つに分類し、自分に近い方を探す、新しい事例を探すなど活用していただけると嬉しいです。

働き方を中心に書いていきますが、夫婦のパートナーシップ、子育てのこと、自分を取り巻く環境と働くことは直結しています。社会の課題もあります。子育てしながら働く女性が一人でも多く、働くことを諦めず、理想の働き方を実現させてほしいと思います。

目次

はじめに

第1章 子育てしながら働く女性の現状
子育てしながら働く女性は全体の7割以上
働く女性の歴史
働き方の多様化で、仕事を諦めなくてもよくなる

第2章 今の職場を働きやすい環境に改善していく働き方
事例1 「ママの要望を会社に伝えやすい」という文化の一端になる
事例2 子どもの成長に合わせた働きやすい環境を会社に掛け合う
事例3 組合から制度を変える
事例4 育休復帰のタイミングで会社とのコミュニケーションを密に取って、自分のしたい働き方を叶えた
●制度を使う側は、周りから認められる仕事術を

第3章 自分の理想を追求できる職場を探す方法
事例1 子どもが帰ってくるまでに終わり、子どもの長期休みは休める仕事
事例2 赤ちゃんと一緒に出勤できる職場があった
事例3 自分に無理のない働き方は、勤務時間だけではない
事例4 自分の興味関心を周りに伝えていたから出会えた仕事
事例5 家庭重視のスタンスを守りつつ大好きなエステを続けた3児の母
事例6 転勤族でも仕事はできる!きっかけはオンラインサロン
●一人でも多くの人が諦めないために…

第4章 自分らしい働き方を確立する方法
事例1 助産師という専門性を活かして起業
事例2 専門性×やりたいことで起業 悩んだことが、自分の理想のライフスタイルや大事にしたいものを考えるきっかけに
事例3 ドイツに住んでも「これまでの仕事(過去)」×「新しい土地での発信(今)」が仕事になった
事例4 在宅ワークの仕事、アフィリエイターという仕事で、家を建てる
事例5 専業主婦→ネットビジネス→フルタイム会社員→物販事業で独立
事例6 サロネーゼの先駆者的存在 キャビンアテンダントからフラワーデザイナーそしてフォトグラファーへ
事例7 お菓子の教室を細く長く続け、本も出版
事例8 食への興味から農業へ 世の中を変えるには、市場を変える
事例9 ご主人のガンが転機に 政治の世界から社会を変える

第5章 スペシャルサンクス 105人の事例を一挙公開
1 3ないでも仕事ができている方
2 子どもの成長に合わせて働き方を変えた方
3 制度が充実、または自分が制度を作った先駆者の方
4 自分らしい働き方を確立した方
5 忙しい毎日だけど使命感を持って仕事をしている方

あとがき

では、8月9日に発売される本書でお会いしましょう!

入澤あきこ

画像2


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?