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みちしるべ
2019年4月7日 01:59
暗闇の中でじっと息を潜める。布一枚を向こう側からざわつく人の気配。漏れ出る光を頼りにバミリの場所に着く。気分は猫だ。視界がクリアな訳ではないけれど、脳が擦り切れるほど覚えた配置のお陰で舞台の構図が見えていなくても手に取るようにわかる。気分は猫だ。ブザーが鳴った。ざわつきが一斉に静まり返る。世界が私を中心に、世界が私を注目しているような気がした。緞帳が上がる。自分はもうどこにもいない。自