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赤い花のごてんまりはスーツに合うか

こんにちは。秋田県由利本荘市でごてんまりを作っています〈ゆりてまり〉です。

去年の2021年のこと、由利本荘市出身の選手が東京オリンピックに出場することが決まり、市へ表敬訪問に訪れました。
その際ごてんまりアクセサリーを身に付けた姿がテレビや新聞などのメディアで報道されました。
わたしは由利本荘市でごてんまりを作っていますが、この選手がメディアで報道された際に身に付けたアクセサリーに関しては、一切関係していません。
ずっと誰が作ったんだろうと疑問に思っていました。


2022年3月の末に、その選手が身に付けたごてんまりアクセサリー(ピアス)を作った方とお話しする機会がありました。
その方がおっしゃるには、「あのピアスは市の観光協会に預けたもの。そうしたらいつの間にかオリンピック選手が身に付けていて、後から自分も知った」そうです。
去年はこのオリンピック選手が身に付けたごてんまりアクセサリーが、〈ゆりてまり〉が作ったのではないかとほうぼうで誤解されて、非常につらかったです。
わたしは黒いスーツ姿の女性に赤いお花のピアスなんか贈りません。
男性でも女性でも、スーツに赤いお花のピアスを合わせることなんか絶対しないですよね?
もちろん赤いお花のごてんまりは可愛いし、プライベートならどんなアクセサリーを身に付けたっていいと思います。
実際、わたしも赤い菊模様のごてんまりイヤリングを2021年の間は毎日付けていましたから。


しかし市長やらカメラマンやらがいて、自分含め周りの大人が全員スーツ着用というオフィシャルな場で、若い女性だけ赤いお花のごてんまりピアスを身に付けさせられるというのはやっぱり変だと思うのです。
オリンピック選手がもし男性だったらどうしたのでしょう?
赤いお花のピアス(またはイヤリング)を身に付けてもらうのでしょうか?
まさか。
おそらく青とか黒とか、そういう渋い色でつくったごてんまりのブローチになったと思います。
なぜ「女性だから赤いお花」「男性だから渋い色」とわざわざ分けなくてはいけないのでしょうか?
選手の素晴らしい功績をたたえるために、市の素晴らしい工芸品であるごてんまりを贈りたい! 
そういう思いがあるのなら、選手に贈るごてんまりは別段赤い花のピアスである必要はないはずです。

それにも関わらず、なぜ赤い花のごてんまりピアスになったのでしょうか?
作った人は自分の作ったアクセサリーがオリンピック選手のもとに届くとは思っていませんでした。
きっと市の観光協会の人(多分オジサン)が「若い女性だから」という理由で、赤いお花のごてんまりピアスをチョイスしたのでしょうね。
なんというか、あまりにステレオタイプな女性観で呆れてしまいます。
今どき小学生だって、ランドセルに関して「オトコは黒、オンナは赤」なんて思っていないのに。
ダサい。ダサ過ぎる。
それをなぜか一切関係の無い自分が関係していると思われたんですから!!
正直去年は気が狂いそうでした。

ごてんまりの観光振興に関して、もっと責任者を明確にすることは出来ないものだろうかと思います。
わたしは若い女性だからと言うだけで赤いお花のピアスをスーツの女性に身に付けさせたりしないし、目の前で床に落としたものを女性にプレゼントしたりしないし、空港に問い合わせ先不明のごてんまりディスプレイを出現させてお客様を混乱に陥らせたり、なんてことはいたしません。


これらのことは全て市の観光協会および観光振興課が行ったことです。
〈ゆりてまり〉はこれらの件に一切関係していないことを強く発信していきたいです。

去年秋田空港に問い合わせ不明のごてんまりディスプレイが出現したとき、空港に問い合わせて責任者について教えていただきました。
由利本荘市の観光振興課がやったそうです。
観光振興課の責任者に電話で「なぜこのような問い合わせ先不明のまま展示しているのですか。お客様が混乱してわたしのところに問い合わせが来ていますよ」と申し上げたところ、「問い合わせ先を明記していないのはとくに理由はありません」と言われました。
「お客様が迷惑している」ことに関する後悔や焦りは一切感じられませんでした。
「問い合わせ先が明記されていないせいで、お客様がこちらに連絡してくるんですよ! 聞かれたわたしだって全然知らないから困ってしまうんです。わたしがアナタの代わりにお客様対応して差し上げているんですよ!」と強めに言ったら、ようやく一言だけ「すみませんでした」と言いました。

謝罪したことに対する安堵感と言うより、ここまで言われないと自分の落ち度に気づかずに謝ろうともしないのかと、グッタリしてしまいました。
さらに「秋田空港の展示に関して、問い合わせ先を明記していただきたい」と何度か求めたのですが、絶対にYESと言いませんでした。
「では、わたし〈ゆりてまり〉に空港のディスプレイの仕事をさせてください。そうすれば、わたしの連絡先を載せてお客様をスムーズにご案内できますから」と提案したのですが、それも絶対にYESと言いませんでした。
どうしてこんな対応になるのでしょうか?
観光振興というお仕事をしているにも関わらず、どうして一切お客様目線で仕事を考えられないのか理解に苦しみます。
市の観光振興課がこういった調子なので、今後もこういった問い合わせ先不明のごてんまりディスプレイがどこかに出現するかもしれません。
その際はまた〈ゆりてまり〉ではないですよ、ということを強調していきたいと思います。


※続編のような意味合いで、下記の記事を書きました。
よかったらどうぞ。


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