三行小説「そんなに他人の悪口ばっかり言っているといつか足元を掬われますよ」

「なんかもっと、みんなが幸せになるようなことを考えましょうよ」

そう、冗談めかしてAが言うと、周囲は一瞬沈黙した後、何かを誤魔化すような曖昧な笑いに包まれた。

外はいよいよ本降りになり、すべてを掻き消すように雨音を強く鳴らしはじめた。