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5時間走る「箱根駅伝」の見どころはどこ?各区間の解説(復路編)

前回の投稿で、「箱根駅伝」の魅力について多少はわかってもらえたかと思います。
5時間走る「箱根駅伝」の見どころはどこ?各区間の解説(往路編) - 日本人いない場所 (nihonjin-inai-basyo.com)
今回も「箱根駅伝」の見どころを各区間ごとに詳しく解説します。この記事を読めば、初心者が押さえるべき「箱根駅伝」の重要なポイントを理解できます。
2日目の「復路」について解説します。

詳細な地図が載っているブログページはこちら
5時間走る「箱根駅伝」の見どころはどこ?各区間の解説(復路編) - 日本人いない場所 (nihonjin-inai-basyo.com)


2日目:復路の6~10区

1日目の「往路」を優勝したチームは総合優勝に一番近いチームです。ですがまだ箱根駅伝は折り返し地点に過ぎません。
その詳細をお伝えしていきます。


第6区(箱根芦ノ湖~小田原中継所):20.8km

区間概要:
世界でも類を見ない、急な下り坂が長い距離を占める超特殊区間です。午前8時ちょうどにスタートです。

コースの特徴:
国道最高地点までの5kmは坂道を駆け上り、その後は864mの標高差を一気に下っていきます。下り区間の100mあたりのスピードは14秒ほどになるとか。
残り3km地点からの平地は、きつい上り坂に感じるほどのタフなコースです。

レース運びの傾向:
この6区は、前日の着順とタイム差をそのまま引き継いだ時差スタートとなっています。前日1位のチームがフィニッシュ後、30秒後に2位のチームがフィニッシュした場合、2位のチームは1位のチームスタート後30秒経ったときにスタートします。つまり、先頭を抜けばそのまま総合順位も1位になります。
ですが、先頭のチームフィニッシュから10分以上経過した後にフィニッシュしたチームは、先頭のチームスタート後から10分後に一斉繰り上げスタートとなります。この一斉繰り上げスタート組の総合順位は、見た目の順位とは異なる場合があります。しかし一斉繰り上げスタートにより単独走をする必要がなくなるので、選手にとっては張り合いの出るレース運びとなります。

起用される選手の傾向:
トップスピードは関係なく、アップダウンに強い選手が起用されます。1年生が起用されることも多く、好成績を収めれば4年連続でこの6区を任されることも多いです。

レースが動くポイント:
スタート後5km地点にある国道最高地点を通過してから、全選手一斉にスピードアップします。ここから17km過ぎの10km以上はとにかくトップスピードで駆け下ります。下り坂の勢いをいかに殺さずに走りきるかが、この区間の重要ポイントです。
また、17km過ぎの平地に入ってからラストスパートをかけられる余力が残っているかも重要です。下りに全力を使ってしまうと平地に入ってから対応できなくなるので、力の配分が鍵となります。

区間賞を取る選手の傾向:
前半突っ込みすぎるとラストの平地でスパートがかけられなくなってしまいます。なので、前半抑えて入れる上位チームの選手が有利です。1位でスタートしたチームの選手が区間賞を取る傾向が強いです。

現在の区間記録情報:
「舘澤亨次」選手(東海大学4年時:2020年)の出した「57分17秒」です。
1kmあたりの換算ペースは「2分45秒3」です。

管理人が予想する今年のレース展開:
今年の箱根駅伝で各大学が考えている戦略はたったひとつです。
「駒澤大学の優勝をいかに阻止するか」
なので、駒澤大学の考えと他大学の考えに絞って予想します。
駒澤大学:「2位に2分以上の差をつけてタスキを渡したい」
他大学:「駒澤に追いついてタスキを渡したい」


第7区(小田原中継所~平塚中継所):21.3km

区間概要:
10区間中最も走りやすい区間と言われます。往路の4区とは若干コースが異なります。

コースの特徴:
細かいアップダウンがありますが、それ以外はほぼ平坦なコースです。
スタート時とフィニッシュ時の気温差が最も大きくなる区間です。

レース運びの傾向:
この7区では、上位チームの順位変動はほとんどありません。シード権争い圏内(10番前後)や6区一斉繰り上げスタート組の順位変動があるくらいです。

起用される選手の傾向:
走りやすい区間と言われているためか、1年生が起用されることも多いです。もしくは、本来2区を走るはずだったエース選手が本調子ではない場合、この区間に起用されることもあります。
この区間からは単独走になることが多く、大きなブレーキを起こさない選手が起用されやすいです。

レースが動くポイント:
後半区間では気温が上がり、脱水症状気味になってしまう選手が毎年何人かいます。15km過ぎから緩やかなラストスパートをかけ始める選手が多いです。

区間賞を取る選手の傾向:
前半突っ込みすぎると後半失速しやすくなります。ですが、2位や3位のチームは前を追うしかありません。なので、前半抑えて入れる1位チームの選手が有利です。
1位でスタートしたチームの選手が区間賞を取る傾向が強いです。

現在の区間記録情報:
「阿部弘輝」選手(明治大学4年時:2020年)の出した「1時間01分40秒」です。
1kmあたりの換算ペースは「2分53秒8」です。

管理人が予想する今年のレース展開:
駒澤大学:「2位に3分以上の差をつけてタスキを渡したい」
他大学:「駒澤に追いついてタスキを渡したい」

第8区(平塚中継所~戸塚中継所):21.4km

区間概要:
見た目以上に厳しいコースです。ここに力のある選手を置けるかが優勝争い、シード権獲得の分かれ目になります。

コースの特徴:
後半に「遊行寺坂」というきつい坂がありますが、それ以外はほぼ平坦なコースです。

レース運びの傾向:
この8区では、上位チームの順位変動はほとんどありません。
ですが、シード権争い(10番前後)が熾烈になってくる区間です。ここでどれだけ10位のチームに先行できるか、10位のチームに追いつけるかが重要視されます。
また、この区間あたりから次の中継所で繰り上げスタートになる確率が高くなってきます。先頭チームが戸塚中継所を通過してから20分経ってしまうと、まだ到達していないチームはタスキが繋がらなくなってしまいます。下位のチームは母校のタスキを途切れさせないように必死に走ります。

起用される選手の傾向:
ほぼ単独走になることが多いため、淡々とペースを刻める上級生が起用される傾向が高いです。ラストスパートをする必要もほぼないため、トップスピードよりも安定性が求められます。

レースが動くポイント:
後半の「遊行寺坂」を越えてからが勝負です。脱水症状気味になってしまう選手が毎年何人かいます。「遊行寺坂」を越えてから緩やかなラストスパートをかけ始める選手が多いです。

区間賞を取る選手の傾向:
前半突っ込みすぎると後半失速しやすくなります。ですが、2位や3位のチームは前を追うしかありません。なので、前半抑えて入れる1位チームの選手が有利です。
1位でスタートしたチームの選手が区間賞を取る傾向が強いです。

現在の区間記録情報:
「小松陽平」選手(東海大学3年時:2019年)の出した「1時間03分49秒」です。
1kmあたりの換算ペースは「2分59秒0」です。

管理人が予想する今年のレース展開:
駒澤大学:「2位と3分以上の差がついているなら無理はしなくていい」
他大学:「駒澤と1分差までは追いついてタスキを渡したい」

第9区(戸塚中継所~鶴見中継所):23.1km

区間概要:
「華の2区」の裏区間にあたり、復路の最長区間です。ここに力のある選手を置けるかがシード権獲得の分かれ目になります。

コースの特徴:
前半に「権太坂」というきつい坂がありますが、それ以外はほぼ平坦なコースです。

レース運びの傾向:
この9区では、上位チームの順位変動はほとんどありません。
ですが、シード権争い(10番前後)がより熾烈になってくる区間です。ここでどれだけ10位のチームに先行できるか、10位のチームに追いつけるかが重要視されます。
また、この区間では鶴見中継所で繰り上げスタートになる確率が高くなってきます。先頭チームが鶴見中継所を通過してから20分経ってしまうと、まだ到達していないチームはタスキが繋がらなくなってしまいます。下位のチームは母校のタスキを途切れさせないように必死に走ります。

起用される選手の傾向:
ほぼ単独走になることが多いため、淡々とペースを刻める上級生が起用される傾向が高いです。ラストスパートをする必要もほぼないため、トップスピードよりも安定性が求められます。
もしくは、本来2区を走るはずだったエース選手が本調子ではない場合、この区間に起用されることもあります。

レースが動くポイント:
体力に余裕があるうちに「権太坂」を越えられるため、大きな動きは起こりにくいです。
この区間で1位を走っているチームの優勝確率は90%以上になるため、リスクを冒す必要はありません。
ですがシード権争いは熾烈になってきます。中間点付近の「横浜駅」あたりからロングスパートをかけ始める選手もいます。

区間賞を取る選手の傾向:
前半突っ込みすぎると後半失速しやすくなります。ですが、2位や3位のチームは前を追うしかありません。なので、前半抑えて入れる1位チームの選手が有利です。
1位でスタートしたチームの選手が区間賞を取る傾向が強いです。もしくは、シード圏内に入るためのライン上にいる選手が粘りの走りをして区間賞を取る傾向もあります。

現在の区間記録情報:
「中村唯翔」選手(青山学院大学3年時:2022年)の出した「1時間07分15秒」です。
1kmあたりの換算ペースは「2分54秒7」です。

管理人が予想する今年のレース展開:
駒澤大学:「2位と3分以上の差がついているなら無理はしなくていい」
他大学:「駒澤と30秒差までは追いついてタスキを渡したい」

第10区(鶴見中継所~東京大手町):23.0km

区間概要:
復路の最終区間です。1区よりも遠回りをするため、距離が長くなっています。

コースの特徴:
「六郷橋」と「新八ツ山橋」にアップダウンがある他はほぼ平坦のコースです。

レース運びの傾向:
この10区では、上位チームの順位変動はほとんどありません。9区から渡った順位でほぼ勝敗は決まっています。上位チームは無理せず安定したリズムで走ることを求められます。
ですが、シード権争い(10番前後)は最後まで目が離せません。ここで10位以内に入れるかどうかで、来シーズンのスケジュールが大きく変わりますので必死です。10位との差がほとんどないチームは、リスクを冒してでも飛ばすしかありません。
最も見ごたえがあるのはシード権争いです。

起用される選手の傾向:
ほぼ単独走になることが多いため、淡々とペースを刻める上級生が起用される傾向が高いです。ラストスパートをする必要もほぼないため、トップスピードよりも安定性が求められます。
シード権争いをするチームでは、駆け引きやラストスパートに強い選手が起用される傾向にあります。

レースが動くポイント:
フィニッシュ地点が近づくにつれ、観客数も跳ね上がります。なのでプレッシャーはとてつもなく大きくかかる後半区間になります。過去に何度か後半区間で1位と2位のチームが逆転する事態が起きています。タスキをもらった時点で2分以上差がついていれば逆転劇はあまり起こりませんが、品川駅を過ぎたあたりで30秒ほどしかなければまだわかりません。
シード権争いは最初から最後まで熾烈です。もし最後までもつれるようになれば、フィニッシュ地点直前では100m走のような全力スプリントをしなければならないこともあります。10位前後にチームが固まっている場合は特に見ごたえがあります。

区間賞を取る選手の傾向:
前半突っ込みすぎると後半失速しやすくなります。ですが、2位や3位のチームは前を追うしかありません。なので、前半抑えて入れる1位チームの選手が有利です。
1位でスタートしたチームの選手が区間賞を取る傾向が強いです。もしくは、シード圏内に入るためのライン上にいる選手が粘りの走りをして区間賞を取る傾向もあります。

現在の区間記録情報:
「中倉啓敦」選手(青山学院大学3年時:2022年)の出した「1時間07分50秒」です。
1kmあたりの換算ペースは「2分57秒0」です。

管理人が予想する今年のレース展開:
駒澤大学:「2位と3分以上の差がついているなら無理はしなくていい」
他大学:「後半区間に入る前に駒澤に追いつき、ラスト勝負をしたい」


まとめ

2日目の復路では、上位チームの順位変動はほぼありません。
ですが10位前後のシード権争いが熾烈になります。
また一斉繰り上げスタート組の総合順位はフィニッシュ地点するまでわかりませんので、テレビで見る方はデータ放送を見ながら詳細を確認するのも楽しいです。

次回は『「キロ3分」でもブレーキ扱い?箱根駅伝のレベルの高さはいかほど?』をお届けします。

それではまた!


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