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吹奏楽部員のための「楽譜の読み方」講座

先日、Twitterでちょっと話題になった話です。

ピアノの右手(ト音記号)の「ド」の音はユーフォニアムで何の音ですか?

一見すると簡単そうな質問ですが、返信欄ではあーでもないこーでもないとの大騒ぎ。中にはとても綺麗にまとめられた吹部ノートで回答する人も居ました。(内容が合っているかは別として…)

簡単で答えも1つしかない質問ですが、なぜこんなに熱い議論になってしまうのでしょうか?そもそも全員が楽譜を正しく読めているのでしょうか?


そもそも楽譜とは

これはとある音楽大学で音楽制作を学ぶ1年生向けの最初の授業で話すことです。

楽譜には音の高さと長さが書かれている

もちろん突き詰めていけば音量やアーティキュレーションなど色々あると思いますが、音の「高さ(音程)」、「長さ(リズム)」を正しく読めなければ曲を演奏できません。正しいアーティキュレーションや音楽的表現、曲の解釈も当然大切ですが、大前提として「音を並べる」事が出来なければ合奏出来ませんよね?

作曲者としては正しい位置で、正しい楽器が、正しい音を並べてもらいたいです。そこがスタートラインです。

楽譜が読めない吹奏楽部員

残念ながら私はこれまでに楽譜が読めない吹奏楽部員、中には専門で学ぶ学生を数多く見てきました。もちろん、義務教育である音楽の授業で本来習うはずです。しかし、ピアノやエレクトーン教育の普及によりほとんどの子供達が楽譜を読める→わざわざ授業で教える必要がないのが現状です。リコーダーも指だけ教えてもらって耳コピみたいな感じの学校もあります。

それでは、吹奏楽部に入った楽譜の読めない新入部員はどうやって楽譜の読み方を学ぶのでしょうか?これは学校によって異なると思いますが、多くは先輩から後輩へ、楽譜の読める部員が他の部員へ教えていっていると考えられます。

部員間で楽譜の読み方を教えあうデメリット

人に教えるというのは自分のための復習にもなり、とても良いことです。一方で、以下のようなデメリットも存在します。

先輩の練習時間が削られる

これが一番大きいと思います。楽譜の読み方を知らない新入生に0から教える事は結構苦労すると思います。自分がスラスラ読めても人に教えるとなるとまた違った難しさがあります。また、近年では部活動の時間が削減されています。特にコンクールシーズンなどはただでさえ少ない練習時間の中で新入生のために時間を割く事はなかなかハードルが高く感じます。長い目で見ても部活全体として大きなデメリットになります。

間違った伝統

たまにこうしたケースも出てきてしまいます。先日Twitterを賑わせた話題もこれに当てはまります。特に吹奏楽部は上下関係が厳しく、閉鎖された空間です。もし、先輩に間違った情報を教えられてもそれを覆す事は難しいはずです。例え調べれば簡単に分かるような内容でも、その「調べる」という行為に行き着かないと思います。私でも、大好きで信頼している先輩から教えていただいたことを疑う事はなかなか出来ません。

楽譜が読める人が途絶える

めちゃくちゃレアケースですが存在します。特に、パート内で教える方法を取っている部活では人数が少ないパートで実際に起こり得ます。その結果独学できちんと調べれば良いのですが、間違えて解釈してしまうこともしばしばあります。部活として崩壊してしまい、まともに合奏ができない(音が並ばない)ような学校も見たことがあります。

楽譜の読み方の集団レッスン

そこで、私が提唱したいのが、楽譜の読めない部員を集めて楽譜の読み方を集団で教えてしまう。つまり楽譜の読み方の集団レッスンをしてしまう事です。効率的ですね?

音楽大学では?

例えば、音楽大学の吹奏楽団を見て見ましょう。学校によりけりだとは思いますが、あまりパート練をしている姿は見ません。ほとんどの音大生は楽譜を正しく読む事が出来、自分でさらえるからです。合奏では音楽的な修正点のみに集中して効率的に曲を仕上げられます。近年、音楽大学にも様々な入試形態があり、様々なバックグラウンドを持つ学生が集まってきますが入試や授業である「楽典」や「ソルフェージュ」で一定の読譜力が担保されています。

吹奏楽部でも集団授業で楽譜の読み方を教えてしまえば効率的ではないだろうか?

つまり、音楽大学の新入生向け基礎科目でやっているような「楽典」や「ソルフェージュ」を吹奏楽部の現場レベルに簡略化して集団で教えてしまえばとても効率が良いという結論に行き着くわけです。そうすれば生徒たちは勝手に譜読みが出来ますし、先輩が教える内容もそれぞれの楽器の奏法など、より専門的なものに限定する事ができます。

お問い合わせ&レッスン依頼

私のような外部講師にわざわざ依頼するような事ではないかもしれませんが、言い出したからにはやります。埼玉県静岡県を拠点としていますが、まとめて何校かでお申込みいただければ日本全国行きます!

私自身、長年プレイヤーを目指してきましたが、現在は作編曲、そして教育活動を本業としております。楽譜を作る側の目から分かりやすく丁寧に教える事が可能です。また、これとは別にオンラインで音楽理論や作曲のレッスンも行っています。

詳しい内容のお問い合わせ、お見積もりなどは下記のメー ルア ドレス、またはTwitter(@AkitoSuzukiComp)のダイレクトメッセージにてお願いします。

wolfpack0702 ♪ gmail.com(♪を@にしてください)

一応、楽譜の読み方を教える身として第一種教員免許(音楽、理科)は取得しております。


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