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『ジーンブライド』をご存知ですか?

私は
「またフェミがわいてる」
という言葉を聞くのが苦手です。

正直怖いな、
と感じます。

女性であること、
子どもであることで
怖い思い、不条理な経験を重ねてきたことを

「え?その顔で?」
と見下されたり
「その体系で?」
と笑われたりしたことを
思い出す感覚とよく似ているように思います。

昨今
女性が声を上げているのを見ながら
やっと私は自分が性被害にあっていたんだと
認めることができました。

その体験の一つ一つが
命にかかわることではありませんが
心を踏み荒らされることでした。

他人から、
親や兄弟から
そういうものを受けてきた人は、
きっと驚くくらいたくさんいるのだと思います。
もちろん、男性の中にもいらっしゃるでしょう。

そんな憤りを
思う存分ぶつけてくれているのが
この『ジーンブライド』です。

『私の少年』の作者と同じ、高野ひと深さんです。

この物語の主人公は、
女性であることで不当な扱いを受ければ怒り、
変質者がいれば通報し、
そのことにきちんと向かっていくひとです。

ある日元同級生の男性と再会し、
その中で学生時代に救えなかった友人のことを
思い出すようになります。

何とか彼女ともう一度会いたいと考えた主人公は
男性に彼女のことで何か覚えていないかと聞きます。
彼の話を聞いている最中、

彼女は運命のような出会いをします。

なんと自分に瓜二つの少女と出会ったのです。
それも彼女はあの学園の現生徒であり、
名前まで(読みかたが)主人公と同じだったのです。

いったい少女は何故主人公と同じ顔と名前なのか。

学園はいったい何をする場所だったのか。

そして主人公は友人に再び出会えるのか。

女性であることで受ける不快なあれこれとの戦い
そして
学園SF的な物語も絡みつく

読みだしたら
共感の嵐と
握りしめた拳の震えと
そして学園の謎に夢中になって読み進めてしまうと思います。

二巻が出たばかりなのですが、
もう三巻が待ち遠しいです。



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