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『インク色の欲を吐く』をご存知ですか?

英国での『サロメ』出版を前に
作家オスカー・ワイルドの前にひとりの
うつくしい青年が現れます。

彼は
『サロメ』に大変感動したこと
その挿絵を是非自分に描かせてほしいと
自作をもってやってきたのでした。

彼の絵を見たオスカーは、
彼の魅力も含めて一目で気に入ってしまいます。

蠱惑的な瞳に
どうしても自分が写りこみたいと考えるオスカーのもとに
挿絵が出来たと彼はやって来ますが
そこには弟が一緒にでした。

彼の弟とは思えないほど
生命力に見放された顔色をした青年です。

彼は弟に
『サロメ』の翻訳を任せてくれないかと言います。
そのためには
何をさしだしてもいいと。
それを聞いたオスカーは
関係を持っている青年が隣の部屋にいるのにも関わらず
彼の唇をねだります。

そうして『サロメ』の出版はなされるのですが、、、


というはじまりの物語。


19世紀末の夭折の天才
オーブリー・ビアズリー。

『サロメ』の挿絵で有名になった彼の
栄光から破滅への物語が
漫画という世界で、
よりドラマ性高く脚色が加えられ
人物は愛嬌をもって
『インク色の欲を吐く』は描かれています。
作者は、梅ノ木びの先生です。

一巻なのに、
物語りにはもう暗雲が立ち込めている、
いや、
雷雲のような厚みと重さが感じられる雲が
まわりをかこっている状況です。

25歳という生涯の
光と闇の計り知れない強さ、
そして彼の姉との関係の深さを
引きずり込まれるように
存分に感じられる作品だと思います。

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