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「ぼんぼり」の解説のような

イメージとしては、
夜中の寂れたような道々の様子を、
真ん丸の大きな月が見降ろしている、
というようなところから書き始めました。


【月を
 呑んだか
 飲んだくれ

 恋に
 恋して
 愛を目隠し

 月光
 研いだよ
 お父上さん

 貫く胸をかしておくれ
 穴から噴くのは哀れみばかり

 大切な色を借りてきて
 紅を光らせ 涙売り

 固い爪が好きだった
 友が孕んだ情だけ残る

 私が
 鍛冶屋で
 あったなら

 あの月をもう一度
 うつくしい角度に
 打ち叩くのだろう】

三連目は、
お父さんの不在を(それが永遠のなのか、暫くなのか)さみしがる子供。

さみしいひとばかりが起きている時間、
なのか、
この時間に目を開けているひとが共通して内側に抱えているさみしさ、
なのか。
そのさみしさの視点で四連目。

そんな感じでさまざまに淋しさがつらなっていく詩に、なりました。


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