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「魚の眼」の解説のような

一行目の
「無垢でいる必要はない」
というのが浮かび、
そこから続けていった詩です。

無垢に映るひとは、
けしてその無垢さを歓迎してはいないことが多いけれど、
その希少さや儚さやうつくしさに、
まわりがそのままに居させてくれないように思う。

無垢というものに憧れが強すぎて、
神聖化しすぎて、
みつけたら底の一滴まで吸い尽くさないと気が済まない。
そんなひとがいる。

無垢を欲するひとが無垢を壊してしまう。
だからこそ、
無垢を抱いたひとには、
無意識に逃げ込めるようにしていてほしい。


無垢でいる必要はないけれど
無意識は使える手はずを整えていて

無駄は好きに継ぎ接ぎすればいいけれど
無為はできる限り働かないように見つめていて

無自覚はどうすることも叶わないけれど
無抵抗でいるのなら 決心を鍛えなくては

無から有へ
有から在へ

出来事は連なるけれど
繋がりはばらばらのままだ

私の蹴った小石が殺した魚の眼は
いつまでも闇を背景に私の形を焼き続けている

「魚の眼」

自分のはかり知らないところで、
けれど関連は繋がっていて、
そんなところで命を落としたものは、
きっと真っ直ぐに私を見つけるんじゃないかと思う。

そういう最後の一行です。

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