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IDE「ボーラー」2回目感想(ネタバレ有り)

はじめに

インド大映画祭の見納めとして、アジャイ・デーヴガン主演「ボーラー」の2回目鑑賞いってきました。
1回目の感想はこちら
1回目の感想と被るかもしれませんが、個人的な記録なのでご了承ください。今回はネタバレ有りでいきます。

1回目の感想では貼ってこなかったリンクをなるべく貼るようにしていきます。

ここからネタバレ有り感想

囚人ディリのリメイクということで、本当だったらディリの円盤を折角かったので見てから2回目をおかわりしたかった……んですが、仕事が忙しくて見ている暇なかったので、見比べ感想はできませんでした。

さて前回よりも前の方の席で鑑賞できたので、新たに気付いた点も含めて感想いきます。

あらすじ

冒頭から複数のパトカーがトラックを追跡しながら銃撃戦を繰り広げている。
巡査部長(?)ダイアナはパトカーからの身を乗り出しての銃撃戦の中、左腕を撃たれてしまう(※利き腕らしい)。
無事、トラックをとめ、中から10億ルピー相当の麻薬を押収。
シッカーギャングのニターリとアシュの兄弟が運ぶ途中だった代物。警察は彼らが麻薬を取り返しにくることを懸念して、保管場所を密かにうつしていた。

後日、ダイアナは、上司の定年退職お祝いパーティ(だと思う)に参加していたが、撃たれた怪我で抗生物質を飲んでいたため飲酒を控えていた。
やがてパーティで酒を飲んだ警官たちが次々と倒れ、その場には飲まなかったダイアナと、ケータリング業者の男たちが数人残るのみになった。
彼女は医療班に連絡をし、いそいで倒れた警官たちを病院につれていかないと命があぶないことを知り、彼らを運ぶことを決意する。しかし彼らをのせるためのトラックを運転できるものが居ない。そこで、パーティ前にたまたま不審者として警察のとりしまりのためにパトカーに乗せられていた元囚人のボーラーに、トラックの運転を依頼する。

一方、押収した麻薬を保管していた警察署には、本日付で配属されたばかりの定年前の警官と、たまたま飲んで騒いで補導された学生たち(そして留置所には数名のチンピラ?)がいるだけだったが、ダイアナからの連絡で彼らは警察署を完全施錠することを命じられる。(ちなみに押収した麻薬がここにあることは知らされていない為、皆、なんで?状態)
悪徳警察官の助けを借りて麻薬の保管された警察署を知ったアシュたちは仲間をつれ、警察署へ集結。さらに警察署の留置所では、正体をしられぬまま囚われていた兄・ニターリが居ることも判明。
兄と麻薬を取り返すため、アシュたちは警察署に立てこもる警官一人と学生たちを相手に取引を持ち掛ける。

大まかに、薬物のまされて倒れた警官たちを急いで病院にとれていこうとするダイアナ・ボーラー達と、シッカ―ギャング達に大勢取り囲まれて、警察署に立てこもる警官と学生達という2か所での攻防戦の話。

ボーラー達のトラックは、薬物で倒れたふりをして実は意識のある悪徳警察官が密かに位置情報をスマホで送り続けていたため、ギャング達にはバレていた。行く先々で妨害があるものの、ボーラーの華麗なアクションで敵をなぎ倒していく。
しかし不意打ちをくらったボーラーが倒れ、ダイアナはギャングの一味に撮られてしまう。

また警察署も、一時はアシュが忍び込んできて、危機に陥るものの、学生たちと警官が力を合わせて彼を拘束。
しかし頑丈な警察署も、ギャングの物理破壊でしだいに壊されていき……

大まかなあらすじ?は以上で、そこに登場人物のそれぞれの過去の話が織り込まれていく。当初、謎の元囚人ボーラーだったけれども、彼は10年ぶりに出所し、孤児院にいる娘に会いに行く途中だったことや、ダイアナはかつて妊婦の時に銃弾を受けて子供を失った過去があることなど、それぞれに抱えている物語が見えてくる。

トラックで警官たちを運ぶ際に、二人の他に道案内としてケータリングのお兄ちゃんカドゥチーがついてくるんだけど、緊迫した状況の良い癒しキャラというか、頑なで不器用なボーラーを時折たしなめたりフォローしたりで、警官として命令ばかりでギスギスしたダイアナとの関係も少し良くなっていく。
どこまでリメイク元に忠実かは判りませんが、どうやらボーラーの過去はこちらの方が丁寧に描いている様子。ギャングだったころの回想シーンで、女医さんであった妻とのエピソードがちらほら。
しかし今まで悪いことをしていた人間が足を洗ったからといって、かつての敵が見逃してくれるわけもなく、奥さんはどうやら奪われたか殺されたかした様子。一生獄中生活を続けるつもりだったけれども、娘のために生きようと思い、模範囚として10年で出所。あったことのない娘との再会に、ラストは戸惑うシーンも。
ボーラーがどれほどのギャングだったかは明確には描写されてませんが、警察の情報をシッカ―ギャングに流していた悪徳警官が彼がトラックを運転している人間と知って自殺をするレベルだし、凶悪犯のニターリも彼の顔を見た瞬間あとずさりして、留置所で座り込むレベル。どんな人なの?
そして、おそらく奥さんを襲った連中であろう集団は、ラストのエンディング間際にちらとそのトップが映るんだけど、フードを被った人物、浴びシェーク・バッチャンみたい。
これは次作に繋がる伏線のよう。

派手な武器を用いたアクションと、あとバイクアクション、最後は連射式銃のギャング一掃という見せ場。
その一方で肝心のボーラー自身の話は、次回に持ち越しっぽい。
とりあえず籠城して頑張った55歳の警官さんに、お疲れといいたい。

シッカ―ギャングのアシュ、アイメイクが印象的。
ダンスシーンで女性が踊っている一方で、別室でその曲に合わせて?踊りながら裏切り者の手下を始末するシーンは、前代未聞の抹殺シーン。
下の動画ではアジャイさんの語りと、個性的な悪役面々の撮影シーンが見られる。

サムネの左から2番目、チェックのシャツをきている口髭の人、悪役の中でもちょっと最後はお笑い担当みたいな扱いだった。ボーラーにシャツ奪われて、上半身裸で森にうずくまって終わり。殺されずに済んだ人。
一番右の人、どこで出てきたっけと思ったけれど、バイクで襲って来た一団の一人か?

さきほどのあらすじでは触れなかったけれど、シッカ―ギャングに潜入捜査している警察官が1名いて、ダイアナがギャングに殺されずに生け捕りされようとしていたのは、シッカ―ギャングが自分達の中にいる裏切り者(警察の犬)を彼女から吐かせたかったから。
アシュ自身は、たびたび電話をしている様子の一人に不信感は抱いていたから、ダイアナがいなくても彼が身バレするのも時間の問題だったかもしれない。それでもダイアナがギャングの手下に暴力を振るわれるところで、「自分がやる」と名乗り出て、結果としてダイアナの前で殺されてしまうところ。ダイアナがはじめて涙を見せるシーンだった。
また、籠城してなんとかアシュをしばりあげた学生たちの一人が、警察署を取り囲んだ手下が窓の隙間から投げ入れた鉄線らしきものでやられてしまうところも、しんどい。

それにしても、ギャングの割には警察署を襲うところも、トラックを待ち伏せするところも、重火器を使用していないんだよね。
麻薬で大儲けしている割には、しょぼくて。
最後の最後で重火器もって突入してくるシーンがあるので、そこの見せ場を盛り上げるために、中盤で使わなかった大人の事情といってしまうとそれまでだけど。

ボーラーの娘、ジョーティが孤児院の友達と一緒に、まだみぬ来訪者に備えて服選びをするところとか、可愛い。お気に入りの服に穴が開いていて、必死にミシンでお直しするところも可愛い。

ボーラー達のトラックが最初に敵に襲われるシーンは、複数のバイクに取り囲まれるというアクションシーンなんだけど、ここでアジャイさんがバイクアクション披露してくれる。
彼の作品をまだ追えていないので申し訳ないけれど、アジャイさんと言えばバイクアクション?という噂をちらと見かけたので、これも観客的には「待ってました!」といった感じなのかな。

ボーラーが敵と戦ったりピンチになったりするたびに、彼が収監されていた監獄で、マカランドさん(RRRのペッダイヤ役の役者さん)演じる謎の語り部さんがボーラーのエピソードを語るんだけど、最終的に彼のキャラ名とかボーラーとどういう関係なのかは明かされずじまい。囚人仲間が「あんたなんで(ボーラーの)そんなこと知ってんだよ」と聞いた時に、それまで羽織っていた布をバッと取り去ると、右腕がないTシャツ姿が披露されるというシーン。マカランドさんめちゃくちゃ細いですね。ペッダイヤと違って、髪の毛短くて、シュッとしている。シンプルなTシャツ姿だと細さが際立つ……。RRRは吹替だったようなので、今回のボーラーでやっとご本人の声がきけた感動も。この記事の一番最初にはった公式動画の50秒あたりで、監獄にてボーラーのこと「何者なんだ?」と噂になって語るシーンの一部が出ているんで、多分このあたりにマカランドさんの声も入ってますね。
あと、おそらく次作も出ますね。囚人ディリにはこのキャラ居ないという噂なんですけど?リメイク版オリジナルキャラ?

↑後半、カドゥチーがボーラーに「あんたの正体おしえてくれ」と聞くシーン。過去を語るボーラーのところは、ナレーションなしで音楽に乗せて映像で見せるという演出。
この時の音楽の字幕、歌詞が「俺をそんなに愛さないでくれ、不幸になるから」みたいなニュアンスだった。
後半、ボーラーは一旦トラックから離れて敵と応戦、ダイアナは後ろから迫ってくる敵に銃で対応するけれど、負傷しているからピンチ。
カドゥチーがトラックおりて一旦姿がきえるところ、前回見た時は席が一番後ろだったせいか、その後、車をひろって戻ってくるところまで見逃して、画面に映っていない時にてっきり逃げ出したのかと思っていたんだけど、今回ちゃんとよく見える席だったので、トラックおりてからダイアナを襲う敵に頑張って反撃していたところが見えました。ごめんね、勝手に逃げ出したと思い込んでいて……カドゥチーくん。

↑ダイアナ役のタッブーさんや、アシュ役のディーパクさん(もう別人やん)、ニターリ役のヴィニート・クマールさん(読み合っているかな?/メイクなしだとだいぶ印象違う)、

プレスイベントらしき動画も。タッブーさん結構背が高いんですね。ニターリ兄貴は本編ではあんなに怖かったのに、場が和やかだな。

まともな感想が書ききれず、リンクでごまかした感じが否めないけれど。また思い出したら追記します。