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3月貿易統計・通関収支差は3カ月ぶりの黒字に。3月全国消費者物価指数・生鮮食品を除く総合の前年同月比は上昇率若干鈍化か―日本の主要経済指標予測(2024年4月5日)

3月貿易統計・通関収支差は+4,500億円程度と3カ月ぶりの黒字を予測。(4月17日発表)

 3月28日に発表された2月貿易統計確報によると、輸出金額は8兆2,492億円、前年同月比+7.8%で3カ月連続の増加、輸入金額は8兆6,270億円、前年同月比+0.5%で11カ月ぶりの増加となりました。輸出と輸入の差引額は▲3,778億円と2カ月連続の赤字になりました、前年同月比は▲59.3%で赤字幅縮小になりました。
 
 前年同月比でみて、輸出では、自動車、自動車の部分品、プラスチックなどが増加し、鉱物性燃料などが減少しました。一方、輸入では、衣類・同付属品、電子計算機類(含む周辺機器)、石油製品などが増加し、石炭、LNG、半導体等電子部品などが減少しました。
 
 3月の貿易統計で、輸出額から輸入額を差し引いた通関収支差は+4,500億円程度と3カ月ぶりの黒字になると予測します。前年同月の▲7,509億円の赤字から黒字に転じると予測しました。なお、3月上中旬の通関収支差は314億円で、前年同旬の▲7,498億円の赤字から黒字に転じています。
 
 3月の輸出額は9兆3,381億円程度、前年同月比は+5.8%程度と4カ月連続の増加になると予測します。3月上中旬で輸出額は前年比+6.0%の増加でした。輸出が大きく増加した品目は半導体等電子部品、プラスチック、船舶でした。大きく減少した品目はありませんでした。
 
 3月の輸入額は8兆8,881億円程度、前年同月比は▲7.2%程度と2カ月ぶりの減少になると予測します。3月上中旬で輸入額は前年比▲7.0%の減少でした。輸入で大きく増加した品目はありませんでした。大きく減少した品目は石炭、LNG、医薬品でした。
 
 3月上中旬の原粗油の単価、数量、輸入金額の前年同旬比をみると、単価は78,590円/㎘で前年同旬比+8.4%程度の上昇でした。数量は前年同旬比▲3.0%程度の減少、金額は前年同旬比+5.1%程度の増加でした。

※2024年3月は筆者予測値

3月全国消費者物価指数・生鮮食品を除く総合の前年同月比は+2.6%程度と2月+2.8%から上昇率若干鈍化を予測。(4月19日発表)

 2月の全国消費者物価指数・総合の前年同月比は+2.8%と1月の+2.2%から伸び率が0.6ポイント高まり、30か月連続上昇しました。生鮮食品の前年同月比2月は+2.5%で1月の+4.7%から上昇率が鈍化し▲0.09ポイント総合の前年同月比の鈍化に寄与しました。生鮮食品を除く食料の前年同月比2月は+5.3%で1月の+5.9%から上昇率が鈍化し▲0.13ポイント総合・前年同月比の鈍化に寄与しました。
 
 2月の生鮮食品を除く総合は、前年同月比で+2.8%と1月の+2.0%から0.8ポイント伸び率が高まり、30か月連続での前年同月比上昇でした。
 
 エネルギー価格の前年同月比2月は▲1.7%で1月の▲12.1%から下落率が縮小し+0.93ポイント総合・前年同月比の上昇に寄与しました。電気代は▲2.5%と1月の▲21.0%から下落率が小さくなりました。都市ガス代は▲13.8%と1月の▲22.8%下落と、こちらも1月より下落率が小さくなりました。電気・ガス価格激変緩和対策開始の影響を主因に23年2月の前月比が大きく低下した反動が影響しています。一方、ガソリンは前年同月比+4.5%で、1月の+4.7%を下回りましたが、総合・前年同月比の上昇への寄与は0.00%でした。

 生鮮食品およびエネルギーを除く総合指数は前年同月比+3.2%上昇で、+3.5%だった1月分から0.3ポイント低下しましたが、23カ月連続での前年同月比上昇になりました。
 
 3月の全国消費者物価指数・総合の前年同月比は+2.9%程度と2月の+2.8%から0.1ポイント程度上昇率が高まり、31カ月連続の上昇になると予測しました。3月下旬に生鮮野菜が上昇したことなどを考慮し、3月の前月比は+0.4%程度とみました。
 
 3月の全国消費者物価指数・生鮮食品を除く総合の前年同月比は+2.6%程度と2月の+2.8%から0.2ポイント程度上昇率が鈍化するものの31カ月連続の上昇になると予測します。前月比は+0.1%程度とみました。3月の生鮮食品及びエネルギーを除く総合の前年同月比は+3.0%程度と2月の+3.2%ら0.2ポイント程度上昇率が鈍化するものの、24カ月連続の上昇になるとみました。前月比は+0.2%程度と予測しました。
 
 既に発表されている3月東京都区部消費者物価指数(中旬速報値)と3月大阪市消費者物価指数(中旬速報値)のデータを参考にして予測しました。
 
 関連データである3月東京都区部消費者物価指数(中旬速報値)では、総合の前年同月比は+2.6%と2月の+2.5%から0.1ポイント上昇率が高まりました。3月の生鮮食品は前年同月比+6.5%と2月の+2.7%から上昇率が高まり、前年同月比寄与度差は+0.16%の上昇要因になりました。
 
 3月のエネルギーの前年同月比は▲5.3%と2月の▲7.9%から下落率が縮小し、寄与度差は+0.15%の上昇要因になりました。電気・ガス価格激変緩和対策一巡の影響が1カ月遅れて反映された分の影響も出ていると思われます。うち、電気代は前年同月比▲3.0%のマイナスで、電気代だけで総合の前年同月比寄与度差が+0.06ポイントの上昇要因、都市ガス代は前年同月比▲12.0%のマイナスで、都市ガス代だけで総合の前年同月比寄与度差が+0.09ポイントの上昇要因となりました。
 
 3月の生鮮食品を除く食料の前年同月比は+4.6%で前年同月比寄与度差が▲0.08%の下落要因になりました。宿泊料は前年同月比+27.7%と2月の+33.3%から鈍化したため、総合の前年同月比寄与度差が▲0.04ポイントの下落要因となりました。
 
 3月の生鮮食品を除く総合の前年同月比は+2.4%と2月の+2.5%から0.1ポイント上昇率が鈍化しました。3月の生鮮食品及びエネルギーを除く総合の前年同月比は+2.9%程度と2月の+3.1%から0.2ポイント程度上昇率が鈍化しました。
 
 一方、大阪市消費者物価指数・総合・3月(中旬速報値)前年同月比は+2.5%で2月の+2.6%から0.1ポイント伸び率が鈍化しました。2月の生鮮食品を除く総合の前年同月比は+2.2%と2月の+2.6%から0.4ポイント上昇率が鈍化しました。3月の生鮮食品及びエネルギーを除く総合の前年同月比は+2.8%程度と2月の+3.2%から0.4ポイント程度上昇率が鈍化しました。

※全国消費者物価指数24年3月前年同月比は筆者予測

※なお、本投稿は情報提供を目的としており、金融取引などを提案するものではありません。