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彼氏とお父さん

「俺はあきのお父さんじゃないけん
そんくらい自分で決めて!」
数年前、喧嘩の締めに元彼に言われた言葉。

は?かわいい彼女の相談くらい聞けや。
てか、誰もお前のことお父さんとか思ってない。
勘違いすんなや。って
めちゃくちゃムカついたのと同時に、
いつかネットで見た
"毒親育ちは彼氏に父親の役目を求めがち"という
言葉で頭がいっぱいになった。

今でこそ開き直って
うちの家やばいんよね!と言えるけど
25歳くらいまではどうにか普通になろうと
世間一般的な家庭で育った子を演じる事を
頑張ってたわしは、ネットで
"毒親育ちは彼氏に父親の役目を求めて
結果、年の離れた人とうまくいく"という
内容を見たとき、
どっかのロリコンが
それっぽい言い訳をしてるとしか思えなくて、
じゃあ私は普通の子らしく無難に
3個くらい上の男と付き合おうと思った。

そうやって毒親育ちのボロが出ないように選んだ
普通っぽい彼氏に「おれはお父さんじゃない」
なんて言われたもんだから
頭の中ぐちゃぐちゃになった。

でも、元彼の言う通りで
私は彼氏にお父さん像を求めていた。
俺が黒といえば白も黒になるという暴君で
気に入らなければ人権ゼロの罵声を浴びせてくる
お父さんの姿を彼氏に求めていた。

あぁ、だからDV家庭で育った女の子は
DVする男捕まえて依存してしまうんだわ、と
世の中の負の連鎖に納得がいった。

極端な心理状態と
閉鎖した環境に置かれると
それが正解のように思てきて、
暴力的な毎日が日常な環境に慣れると
物も拳も飛んでこない日常が
たまに退屈に思てきてしまう。

人間は結局、
得た知識と出会ってきた人間からしか
物差しを得ることのできない生き物である。

ここまで気づいてやっと
"普通の人間になる"ではなく、
"お父さんと同じような男を捕まえない"に
わしの恋愛の意識が変わった。

普通の家庭で育ってきた人間を
演じる事を諦めてからは
今までの苦しみが馬鹿らしいくらい
わしの人生は生きやすいものになった。
こんなことならもっと早々に諦めれば
良かったとも思うけど、
心から何かを諦めるには
それはそれで覚悟が必要だったりもするので
時間がかかったのは仕方ない。

で、結果わしは、
いつかネットで見た理論に沿って
年の離れたおじさんと付き合っています。

インターネットって
たまにすごい正論転がってるから
やめられないよね。

ちなみに、元彼に求めていたような
お父さん像は全く求めなくなった。

彼氏とお父さんは違うという事と
わしが知ってるお父さん像を男に求めると
確実に修羅街道まっしぐらって事を
理解したから。

そして先々月と先月に
メンタルバランス崩してしまって
気分の浮き沈みがありまくるわしに対して
どんな時も全く変わらない態度で
接してくれる彼氏を見て
とてつもない安心感を覚えた。

落ち込んでる時は過度に構わず
ご機嫌な時は一緒に楽しんでくれる。

ここで、いや落ち込んでる時は構え!て
思う人もいると思う。
もちろん落ち込んでる時に
何もしないのはよくないけど、
メンヘラがメンヘラスイッチONのときに
構いすぎると、地獄の共依存がはじまる。
共依存ってハマってる時は楽だけど
そのうちどっちかがしんどくなるのが
オチである。

わしは人生で初めて
自分がどんな状態になっても
身近な人の態度が変わらない事を経験して
冷静になれたし、本当に安心した。

ずっと周りの顔色を伺って
何か問題が起これば自分が悪いと言われ、
相手が望む態度を取らなければ
手段を選ばずとことん追い詰められるのが
当たり前の環境で育ってきたわしにとって、
落ち込んでる時は執拗に話を聞いてこず
元気になったら普通に接してくれる、
いちいち追求したり、掘り返したりもしない、
こんな環境は初めてで、
気分の浮き沈みがある事は当たり前で、
わしが悪いわけじゃないんだ〜と
思えるようになった。

で、気づいた。
毒親育ちが彼氏に求める父親像とは
このことかもしれんと。

どんな時も味方してくれる父親や
何をやっても態度の変わらない父親の存在って
相当デカい。

人間はネガティブなエネルギーの中にいると
よくないエネルギーに流されてしまう
性質がある。

身近な人がメンブレ起こしてるのに
自分の軸はぶらさないのっては中々難しい。

それをするにはそれ相応の経験と月日が必要で
その貫禄を30そこらの男に求めるのは
さすがに酷すぎる。

結果、"毒親育ちはおじさんと付き合いがち"
という方程式が誕生するのであった。

ただ、最後に一番大事な事言いますけど
おじさんならなんでもいいわけではないです。
世の中には3歳くらいの知能しかない
オワコンおじさんもいっぱいおるけんね。

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