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【実績公開】アサルトリリィヴンダー激闘!御台場迎撃戦第5話・第6話


日曜日『アサルトリリィヴンダー~激闘!御台場迎撃戦』の第5話と第6話が更新されました!!

今回は『御台場女学校の速水桂26体スモール級斬り』と、『菱田治の富士見橋破壊』がメインとなります。

ヴンダーは近藤貞花の視点で描く物語と言いつつも、やはり大きな見せ場は外せない、ということで、この二つの場面が入っています。

以下、ネタバレになりますのでご注意ください。

■すさまじい速度で悪化する状況

1アサルトリリィファンでいた時は「御台場迎撃戦って1日かけて、いろんな部隊がいろんな場所で戦っていたんだなあ」くらいにしか思っていなかったわけです。

でも、実際に執筆してみると、災害が起きたように、凄まじい速度でヒュージが侵攻して状況が悪化していく様が見て取れます。

作中でも語っているように、アサルトリリィにおける御台場は、ヒュージ防衛の最前線ということもあり、今の日本でいうなら自衛隊基地や米軍基地みたいなものでしょう。

それゆえに、病人や老人、子どもはほとんどいなくて、軍人や軍の関係者、御台場女学校のリリィ、基地で働く民間人みたいな感じで一般の民間人だけだった思います。

だからこそ、迅速に避難は進んだのだろうと想像できますが、それ以上に状況の悪化が凄まじいスピードで起きています。

これはもう自分の中では災害だと思っています。

前回の新潟奪還戦もファーヴニルの二つ名が『生ける災害』と呼ばれたように、ヒュージの侵攻はアサルトリリィ世界における『災害』だと思うのです。

今回は御台場を襲った災害という風に捉えて、その中でどうやって、ノインヴェルト戦術の戦技交流会に集まったリリィ、御台場女学校のリリィ、防衛軍が人々を守るために奮闘したのかを描きました。

■速水桂26体スモール級斬り

これはアサルトリリィの古参ファンでは誰もが知る話であり、先日の舞台御台場女学校TBOでも1シーン描かれたお話です。

速水桂

御台場女学校の速水桂は、元々百合ケ丘女学院初等部に在籍していましたが、悲劇があって、リリィになることを諦めて一般の学校に転校することになりました。

ですが、その彼女が中学校で御台場迎撃戦に巻き込まれて、26体スモール級斬りを成し遂げることで級友たちを守り、そしてそこで出会った御台場女学校の月岡椛に誘われて、御台場女学校でリリィとして再起することとなりました。

百合ケ丘女学院初等部時代に仲がよかったのは、今や2代アールヴヘイムのアーセナルである金箱弥宙です。

金箱弥宙

桂と弥宙との再会はアサルトリリィグローリーで描かれています。

現在の東雲公園付近

個人的にもこの話は書きたかった場面ではあったので、今回描けて本当に楽しかったのですが、よくを言えば、これだけで短編~中編小説になるお話なので、もっとゆっくりと描きたかったなあ、と思います。

それこそ初等部時代の悲劇から弥宙との別れ、そして御台場迎撃戦、御台場女学校のリリィとして復活するまでの話で一本の独立したお話が描けるくらいなので、ゆっくりと描きたかったな、とやや残念に思います。

でも、公式のお話として描けてよかったです。

余談ですが、速水桂たちが辰巳から東雲を渡った橋は、新辰巳橋でも辰巳桜橋でもなく、さらに東京に近い辰巳橋です。

全部の橋に「辰巳」が付くので、ややこしいので省いています。

■菱田治の富士見橋破壊

これも御台場迎撃戦では絶対に外せないシーンですよね。
この伝説の場面を公式で描けて本当に幸せでした。

菱田治

舞台御台場女学校TSAでも登場したシーンですが、実情がどうだったのかは詳細には描かれませんでした。しかし、今回はようやく小説という形で表現されました。

富士見橋は豊洲エリアの端にあって、御台場迎撃戦でも本来ならそこにギガント級が現れるような場所ではないのです。

富士見橋

でも、グンタイアリのギガント級のステルス機能のせいなのか、第二部隊の包囲網をくぐり抜けて、本来なら来るはずがない富士見橋まで到着してしまったんですね。

富士見橋のすぐ真後ろに豊洲市場があったんですね。

豊洲市場の通り
豊洲市場の建物

作中でも語られているように、この時、豊洲はギガント級がいるせいで光壁が閉じており、避難民が都内に逃げられないような状況にあったわけです。

さらには豊洲にはギガント級がおり、有明は海からヒュージが侵攻しており、豊洲エリアや有明エリアの人々は豊洲市場に逃げ込むしかない状況でした。

数千人の避難民が逃げ込んでいるような場所に、ヒュージが侵攻したら大惨事になります。

そこで菱田治は橋を落とすしかなかったわけです。

現地取材してびっくりしたのですが、富士見橋と豊洲市場は本当に目と鼻の先にあるので、菱田治たち4人の危機感は半端なかったと思います。

さらには舞台でも描かれたように、治様の咲魅様への想いなどを割と丁寧に描写しました。

今村咲魅

この場面のラストは本当に難しかったです。

豊洲市場の数千人の命を救うために、有明に取り残されたわずかな命を見捨てなければいけない。
小を切り捨てて、大を取る選択をしました。
いわゆるトロッコ問題です💦

後に治様は「あの時の判断を後悔していない」と言葉では言うけれど、きっと人間だから、そんなに割り切れるものではないと思うのです。
だから、その迷いや罪悪感をガラテイアによって誘発されて取り込まれて暴走するのが舞台TSAなのですが。

そんなわけで、「ああするより他なかった」という判断と、親友との約束や夢を破り、仲間を犠牲にしたという罪悪感をどう表現するかが難しかったです。

■御台場迎撃戦はネタやない(笑)

舞台では御台場迎撃戦が純様をいじる、あるいは純様が突っ込む鉄板ネタになっていますが、ストーリー担当としては読者の皆さんに「この戦いマジでやばかったんだな」と思っていただければ、と思っています。

ただ同時に、この激戦があったからこそ、御台場迎撃戦を乗り越えたリリィたちは強い結びつきや絆が生まれたんだろうな、とも思います。

もし御台場迎撃戦がなかったら、そこまで仲良くなっていなかったのかもしれません。修羅場をみんなで乗り越えたからこその繋がりみたいなものがあったのかなと。

■余談 ティシアと誉をもっと書きたかった

今回第5話の最後にちょこっと出てくる第4部隊のふたり。
第4部隊の隊長であるティシア・パウムガルトナーと、LGサングリーズルの結成発起人のひとりである今川誉はキャラが立っていますね。

ティシア・パウムガルトナー
今川誉

中二病全開ながらも隊長としても優れているティシアは書いていて楽しいリリィなので、もっと書きたかったですね。

アルテアが貴族ならば、ティシアは王(皇帝陛下)ってイメージです。
実際ティシアは生徒会長になりますしね。

メルクリウスのリリィも個性が強すぎるメンバーなので、いつか舞台や小説などがあるといいですねー。

■次回はのぞみ橋!+残りたった2回😭

御台場迎撃戦もあと残りわずか2回(残り4話)です。
そして、次回はとうとう我らが近藤貞花の最大の見せ場がやってきます。

のぞみ橋の死闘です。

長らく伝説で語られてきた場面が今やっと描かれます。
残りたった2回で悲しいかぎりですが、最後まで全力をつくしていくので、皆様、最後までぜひぜひご覧のほどよろしくお願いいたします!!

■最後に

先日イラストレーターの中北晃二先生の訃報を知りました。
中北晃二先生はメカからモンスター、仮面ライダー、アニメのスーツのデザインなど幅広くご活躍されていました。

アサルトリリィでも原作サイドのヒュージやCHARMのデザインなどを手がけられていました。

みなさんがご存じのアルトラ級やギガント級のデザインは中北晃二先生が手がけられたものですし、司馬燈のCHARMヴィンセツ・リーリエも中北晃二先生が手がけたものです。

私がストーリーを担当しましたアサルトリリィグローリーでもファーヴニルのデザインを手がけられました。

一昨年からずっとおかげんが悪いことは人づてに聞いており、残念ながらファーヴニルの完成には至りませんでしたが、昨年無事に退院したとツイッターでの報告がありまして、またご活躍されることを待っておりました。

もしお元気でいらっしゃったら、きっと今回の御台場迎撃戦の巣なしのアルトラやその他のヒュージのデザインも手がけていらっしゃっただろうと思うと、とても残念です。

まさか亡くなるとは思わず、訃報にはとても驚きました。

私自身は面識はありませんが、お仕事をご一緒できたこと、ツイッターで若輩者の私にもフォローしていただいたことは忘れません。

長らく大変お疲れ様でした。
そして、ご冥福をお祈り申し上げます。

■宣伝1 『アサルトリリィグローリー 電撃新潟奪還戦小説完全版』も好評発売中

1月27日に発売しました『アサルトリリィグローリー 電撃新潟奪還戦小説完全版』も好評発売中です!!
ぜひぜひこちらもよろしくお願いいたします。

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5月には『私立ルドビコ女学院編』がキャストを一新して新たに再演されます。ぜひぜひこちらもよろしくお願いいたします。

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アサルトリリィの一柳隊の舞台第一弾『League of Gardens』をコミカライズ化した『アサルトリリィ League of Gardens -full bloom-』も無事に最後まで完結して大団円を迎えました。
こちらもコミックスが4月20日発売されていますので、ぜひぜよろしくお願いいたします。

よろしければサポートをお願いします。 サポート費は書籍代や資料代に使わせていただいて、より有意義な内容の記事やシナリオを書けるように努めてまいります。