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実はオチャメ!? 新宿のヒップホップ・ドリーム“漢a.k.a.GAMI”のリアルトークイベントに潜入!!

すでに1ヶ月ほど前のお話になってしまいますが、知り合いの誘いで、漢a.k.a.GAMIさんを迎えたトークイベント『ゴールデン街 オフ・ザ・レコード vol.1』を観に行きました。

MCは元青春ダーツの青木泰寛さん(懐かしかった…マセキの事務所ライブでよく見てたな~)で、定期的に新宿ゴールデン街劇場へさまざまなゲストを呼んでトークするというもの。フリースタイルダンジョンでの“強面なモンスター”というイメージが強い漢さんですが、実際の『人となり』はどんな塩梅なのでしょうか?

名言続出!ファットな潜入レポートをとくとご覧あれ~!!
漢 in da house♪

ガキの頃から2番目、3番目を意識してた…良くも悪くも目立つ奴だったんで

トークイベントは一貫して漢さんのペースで“コト”が運びました。
序盤から会場に来ている観覧者の職業を一人ひとり聞いていき、正味1時間ほど「漢vsお客さん」でトークする珍しい展開に(笑)。役者さん、出版関係者、医療関係者…さまざまな職業が明らかにされていく中、最初の“え?”がやって来ました。
なんと…ここ最近、K-1でメキメキと頭角を現し始めている芦澤竜誠さんが観に来てたんです!

「さすが漢さん…強面だし格闘家のファンに好かれそうだな」

僕が心の中でファイティングポーズをとろうとしたその瞬間、
チョコはねぇー、起きて早い時間に食べた方が良いよぉ?
少し粘り気のある声で、机上に置かれている小粒チョコレートを口に含みながらモグモグする漢さんの姿がそこにあった…。

リラックスし過ぎだろ漢さん…しかし癒される…なんなんだこの、アンニュイな感情は!?

得体の知れぬ想いを抱いているうちに、トークイベントは会場にいる観覧者からの質問コーナーへと移ります。事前にアンケートで集めた質問をMCの青木さんが読み上げ、漢さんが答えるというよくあるあの形式です。

書き起こしたのはごく一部ですが、余計なこと書くのも野暮だと思うので、ここからはノンストップでお二人のトークをお楽しみください!

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漢:あ~質問コーナーね、お金を払ってくれた人って大事だから「全答え」するよ
青木:いいですねー! では…(質問用紙を選んで)「この辺(新宿)にまつわる、ありあまる物騒な話を聞かせてください」という質問が来てます。これとかどうですか?
漢:う~ん…パス!!
青木:最初から!?(爆笑)
漢:嘘ウソ、物騒って犯罪にまつわること?俺って(新宿育ちとはいえ)住宅街の生まれだから…
青木:どうしても漢さんっていうと歌舞伎町をイメージしちゃうんでしょうね
漢:歌舞伎町って縦500mずつの小っちゃい正方形のエリアだからね?ヒップホップっていうフィールドを通して言えば、渋谷とか世田谷のいわゆる元気な連中を見てると、いわゆるヤンキー文化なんだよね。先輩とかに肩パン入れられて「ウィー」とか挨拶してるけど、もう30(歳)じゃん!みたいな(笑)ぜんぜん否定はしないけどね
青木:漢さんは後輩とか会ったりするときはどうなんですか?
漢:「有名になっちゃってんじゃん」って、あからさまな態度する奴もいるよ。ラッパーなんて目立ちたがり屋がなるものだし、有名になってヘタこいたらバレるしね。だから、法律って意味じゃなくて正していくしかないよね
青木:漢さんって他のラッパーとはちょっと違うんじゃないかって勝手に見てるんですけど。なんか一歩引いてる感じがするというか
漢:そうかもしんない。ガキの頃から良くも悪くも目立つ奴だったんで。ちょっと何かやったら知られてたりとか、思い掛けない方向にコトが運んじゃったりとか…そういう自覚はあったよね
青木:何も(悪いことは)してないのにってことですよね?
漢:そうそう。控え目にしてても目立つし…昔から2番目、3番目を意識してたかもしれない

たけし独立騒動の発端は…ダースレイダー!?

青木:あ、これは聞きたい!「たけし独立についての見解を教えてください」って来てますけども
漢:ダースレイダーが行ったからでしょうね
※ダースレイダーは昨年2017年オフィス北野に所属している
青木:確かに行ってますけど(笑)
漢:ダースレイダーが行ったことによってこの流れが出来たっていうのは、あります(笑)まぁ「たけし派」と「経営派」ってことですよね。俺はたけしさん派ですけどね…森社長が従業員のボーナスを上げたって件で「今儲かってるうちに先行投資みたいにいっぱいあげときたい」みたいなこと言ってたけど、なんで従業員だけなんだろう?変なこと言うな、コイツはコイツでっていうのはあるよね
青木:だったらタレントにも還元しろと
漢:まぁ言葉選んでるなって感じはしましたね、興味なくはないですけどね
青木:ちなみに貴乃花親方についてはどう思いますか?
漢:スピリチュアルの話とか俺、あんま好きじゃないんだけど…貴乃花甘いんじゃない?って思ったかな。行動に移すならもっとみんなをまとめなきゃいけないし、本気で変えようって思ってるんだとしたら、弟子もあんな自分(貴乃花)の首絞めるようなことしないと思ったし。(大相撲協会への問題提起を)撤回する必要もなかったよね
青木:おー新たな一面を見た気がします…漢さんにコメンテーターやって欲しいですね
漢:はい、頑張りましょう(笑)

漢a.k.a.GAMIが初めて明かす「女性との向き合い方」

※イベント途中から道(TAO)が緊急参戦!

青木:じゃ続いて「いい女の条件を教えてください」と来てますけど
漢:え、これ書いてるのは男?女?
青木:文字見ると男かなと思うんですけど
漢:これが男で、俺の好みを聞いて「あてがおう」ってことであれば言うけど
青木:斡旋してくれるなら(笑)
漢:まぁどっちにしろ答えは一緒ですが
青木:結局、答えてくれるんですね(笑)
漢:出来れば「ぽっちゃり」と言われる方よりはスレンダーの方が好きですね。で、いわゆるフェイス?に関してはスリムな方が
青木:(笑)
漢:その主たる原因としては、ふいに鏡見たときに単なる“肉弾戦”になるぜっていうのが

青木&会場(爆笑)

漢:妥協と妥協になるぜ?っていうのがあるよね
青木:こういうタイプがいいっていうのはあるんですか?例えばメイクは濃い方がいいとか
漢:まぁ化粧とってもあんまりギャップがない方がわかりやすくていいよね
青木:ちょっと「ん?」って方もいますからね
漢:まぁ自分がどうこう言えるような立場でもないけど
青木:この本(自伝本『ヒップホップ・ドリーム』)で合コンとかについては触れてると思うんですけど、漢さんが一人の女性とどんなデートしてるのかなっていうのは興味ありますね
漢:まぁウブですよ、女性から見たら僕なんて
青木:どんな風に女性を誘うんですか?
漢:誘いません
青木:え?
漢:どっちかっていうと待つタイプです。自分から電話番号教えたりもしないし、ナンパもしないし…ナンパは出来ないね、恥ずかしくて
青木:そうなんですか
漢:一生懸命勇気出して声掛けて「はぁ?」とか言われたらパチンッ(殴るフリ)ですからね

青木&会場(爆笑)

漢:パチンッは嘘だけど、すごい傷ついちゃうのよ
青木:繊細!(笑)
漢:ガキの頃とか「頼む、一発ヤラせて」みたいなヤツとかいるじゃん?それ見て「え、お願いしちゃうんだ」みたいな。それでいて、その子も「ヤラせちゃうんだ!?」みたいなさ

青木&会場(爆笑)

漢:けっこうかわいかったのに、ちょっとショックじゃん。それでヤレちゃうんだ…みたいなのが。俺の賭けた2万円はなに?みたいな。そういう話だぞお前!みたいな
青木:(笑)じゃ2人きりで考えたデートプランで行くみたいなのは…
漢:そんな…言葉数も少ないよ?パートナーにもよるだろうけど。男女越えた、協力出来る相手っていうのが理想だけど、基本は聞き手になってるかもね
青木:交際相手とケンカとかしたらどうなるんですか?
漢:なんでも謝ってすまねぇぞお前、みたいな感じ。男女の関係に勝ち負け持ち込むなって。ケンカして俺が言葉数少なくなっても、「当たり前のことだししょうがねえからな」ってなる。切り替えられんねぇから、こっちは。別に俺からは何も言ったりしないし「そうなんだな」って思っちゃうから
青木:こっちからはケンカ吹っ掛けること何も言わないじゃんって
漢:言うとしたら「ブス」ってくらい。でも、ブスって言っちゃいけないタイプだった場合は「顔じゃなくて心がブスって言ってんだよ!」って言い直して
青木:そこ訂正するんですね(笑)
漢:勝ち負けでいくんだったら「面倒臭ぇな、ブス」って
青木:でもそれが火種になる場合もありますよね?
漢:うん、「ブスだけは言わないでぇ~!」みたいになる。そしたら「だから言わせんなよ、このブスが!」って言って。お前のストレスとは比べものにならねぇくれぇだよ、こっちのストレスは!っていう話です、はい

「泣ける」とか言われても、俺からしたら「はぁ?どの曲で!?」みたいな

青木:次は…「アンチにはどんな対応をとってますか?」って質問が来てますね
漢:アンチに対しては“観照”しかないかな
青木:漢さんって自分のこと調べたりするんですか?
漢:ニコニコ動画とか超ウケる、感心するもん。節(ふし)があったりする部分についてはリアルにしょうがないと思いつつ、「お前、その角度でそういうこと言うのすごいわ」って。悪口を言いたいがためにそんなの思いついた!?すごいじゃん、みたいな
青木:そこまで陥れたいのかって(笑)
漢:ラッパーになれば?みたいな(笑)
青木:逆に漢さんって曲を褒められても「あーそういう発想あるんだ」って答えてましたよね?確かインタビューで「泣ける」って言われたときのだと思うんですけど
漢:うん。まだ自分がソロでデビューして間もない頃、マタドールってアルバムを出した流れでヒップホップの専門雑誌(Blast)とかインターネットラジオとかで紹介してくれたの。で、古川耕磯部涼ってライターが「これ泣けるねー」とか言ってくれたんだけど、俺からしたら「はぁ?どの曲で!?」みたいな
青木:(笑)
漢: で、たぶんその曲で影響受けたであろう奴らがいろいろ言ってくれるんだけど、「あの…え、何曲目?」って。「へぇーすげーな」なんて言いながら

青木&会場(爆笑)

青木:一応、分析はしないんですか?なんで泣けるって言われるんだろうっていう
漢:分析する必要もない、みたいな(笑)泣けるって言われて、あとあとアルバムの半分くらいは「あーなるほど」ってわかった部分もあるけど…基本的には泣く曲ではないでしょって感じ
青木:漢さんは自分の曲をこう聞かれたいみたいな願いはないんですか?
漢:よくアメリカでも日本でも「ラップはメッセージ」って言われるんだけど、俺はメッセージっていうほど大それたものは作ってないかな。いわゆる普通に働いてる社会人に自分の曲を受け入れてもらう自信はないし、そんな偉そうなこと言える感じでもない。「ラップはストリートの代弁なんだ」みたいなのには、俺はそこまでちょっと責任持てなくて…俺の場合は“当事者”としてラップしたいと思ってるからね

モンスターを超えて奔走する漢(おとこ)…と、時々とんねるず

※道(TAO)のビートボックスでフリースタイルをかます漢a.k.a.GAMI

この日は、観覧に来ていた道(TAO)さんがステージに飛び入りで参加し、漢さんとトーク&フリースタイルのセッションも披露してくれました。本当にサービス精神旺盛な人たちです。

最近の漢さんはというと、インターネット動画配信サービスにも力を入れていて、FRESH!では、ラッパーとのほろ酔いトークを繰り広げる『漢たちとおさんぽ』(通称:漢さんぽ)、YouTubeでは子供たちとのママゴトが超絶癒される『かんくんとあそぼ』といった番組で露出し、活動の枠を広げています。

以前所属していたレコード会社(Libra Records)との裁判も目途が立ったようで、2018年5月からは今まで発売していた音源やPVも再発やリメイクが可能になるとのことです!これはファンにとっても嬉しい判決結果でしょう。漢さん、本当にお疲れ様でした!!

それから、トークイベントの途中で僕がもう一度“え?”となった瞬間があります。
漢さんの「そういう話だぞお前!」という言い回しです。
とんねるずの憲さんが若手時代に多用していたと記憶しています。何が言いたいかというと、とんねるずの2人は確実に日本語ラップに影響を与えているということです。

「○○みたいな」「○○な感じで」「○○状態」「○○方面」「○○からの××」「○○(して)くれちゃってんじゃねぇぞ」なんてのも流行りました。いわゆる業界用語の知名度を上げて発展させたのがとんねるずで、そこにはとても音楽的な要素をはらんでいたように感じるのです。個人的には、ダウンタウンと違う最大のポイントはココだって思ってるんですけどね。

閑話休題…話を戻します。

トークイベント終盤で口にしていた「ラッパーの世界では普通のヤツが一番つまらない、障害を持ってるヤツこそラップをやるべき」という言葉が未だに脳裏に浮かびます。フリースタイルダンジョンのモンスターだったなんて肩書は素知らぬ振りで、実際に新たな活動を“やってみせる”姿勢は同じ男からすると本当にカッコいい。

漢さんは「強面」で「オチャメ」で「繊細」で「冷静」で「優しい」…男が惚れる漢(おとこ)、そのものでした。

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