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渦中のNYへ引っ越した話

今日も書きたいことはないのだが、時間は余るほどにある
なぜならば、NYは外出禁止だからだ
(とは言っても、いつもどおり仕事はある)

渦中の、と書いたけれど、私がNYに引っ越したのは3週間ほど前で、
そのときはまだ今ほどNYが新型コロナの話に熱くない時期だ
イタリアと韓国がアメリカに入国禁止になり、
トランプ大統領が日本の感染拡大の状況も注視する、と言っていた
なので、正直、際どい瞬間だとは思っていたが、
羽田空港も乗り換えたLAXも、乗ってきた飛行機も、どこもかしこも人は少なく閑散としていて、
手荷物検査もイミグレーションも全く待たずにスイスイ進んだし、
飛行機の席は隣が二人とも空席で広々と使えたし、
とても快適な旅だった

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途中23時間ほどLAに寄り、友人と会ったりして、NYに着いた
JFKも人は少なかったが、UBERは呼んだら普通にすぐ来たし、このときはまだUBER Poolも機能していた

家に着いてから数日は何のことはなく平和だった
生活の細々したものを近所で買いそろえたり、料理をしたり、少々仕事をしたりしていた
とは言っても、もうだいぶタイムズスクエアの閑散とした状態が日本では報道されていた時期で、
ミッドタウンのDMVに行くついでにマンハッタンを散歩してみたら、
思ったよりは人がいたけど、確かに街は静かで、こんなに人の少ないNYは初めてだった

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噂のタイムズスクエアにも行ってみたが、
この日は朝が雨で、曇りで寒めだったのもあって、人はまばらだった
最初はこのRuby Red Stairsもチェーンがかけられていて登れなかった
が、なぜか目の前でチェーンが外されたので登って眺めてみた

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もちろん駅も人がほとんどいない
映画の撮影みたいに非現実的な感覚になった

と、2週間ほど前の人が少ない街並みをひたすら出してきたけれど、
今でも実際にそこまで殺伐とした空気感が流れているわけでもない
2週間前からついに外出禁止になってしまったけれど、
最初の頃は、何となく政府のお墨付きのバケーションみたいな感じもあって、
晴れて暖かい日は、散歩やランニングをしている人や公園でのんびり本を読んでる人もよく見た
今でも晴れてる日は穏やかな雰囲気で、晴れていてもいなくても、普通の暮らしを送る人がほとんどだ

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鳩にはSocial Distanceは関係ないので、みっしり密集してる
ので、散らして遊んでみた↓

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スーパーも、場所にもよるようだが、近所では食料は潤沢に置かれているところが多い
パンやパスタ、冷凍食品などの棚はがらんとしていることが多かったが、
最近はブランドは限定的だが、入荷も定期的にしていて、
野菜や果物、肉などの生鮮食品はほぼいつも充分すぎるほど店に並んでいる

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ちなみに、ここのスーパーはかなり初期から入場制限をしていて、
スーパーの中が人出多くなりすぎないようにコントロールしていた
どこのスーパーも6 feetの間隔を開けるように、というサインはたくさんあるし、
レジもだいたい前の人に寄りすぎると「そこのラインまで下がって」と注意される
スーパーによってはレジ打ちの人と客との間に透明なプラスチックの板を置いて、物理的に隔てるようなことをしているところもある

と、いろいろこの2週間くらいで見たことを写真入りで書いてみたけれど、
単なる備忘録みたいなものでしかない

実際には、街から人がいなくなって人の目がなくなったぶん、
ちょっと治安は悪くなりつつあるような気はする
単純に犬のウンコが道のど真ん中によく平気で放置されていたりね
やっぱり人は人の目があることで社会性を保ってる部分はあるから、
そういう些細なことも影響は出つつある

NYでの感染者数は、全米の3分の1とも言われているくらい多いけれど、
どこかリアルさに欠けている
たぶん日本でもそれは同じで、
日々状況は深刻になっているのかもしれないけれど、
多くの人たちは、いつまで続くのかわからない自粛モードをキープするのに必要な危機感をリアルに感じ続けられていないように思う

ニュースなどで見ても、日本では、自分には起きないこと、と思っている人が多いような印象を感じる
政府が強制的に外出禁止にしないから、とか、政府がもっと補償を積極的にしてくれないから、とかというコメントも聞くけれど、
政府は命は守ってくれないことをもっと意識しないといけないと思う
先も見えないし、何なら戦っている相手も見えないので、現実味を持つことは難しいとは思うけれど、
政府の判断ではなく、自分の判断でしか自分は守れないのだ

どれだけリアルにこの危機を感じているのか、と問われれば、私も答えには詰まってしまうけれど、
2週間ほど前に、友人、と呼ぶには少し遠い、学生時代のクラスメイトの家族の一人が、
この新型コロナによる肺炎で亡くなってしまった、ということを知って、
本当の本当にあるものなんだ、という実感は湧いた
初めて、ちょっと恐怖を覚えた

有名な芸能人の訃報で、同じように恐怖を覚えた人も多いのではないかな
誰もが彼の感染の報道を見ても、そうは言っても回復して戻ってくるはず、と思っていたと思う
でも、そうならなかったこと
そして、実際に症状が出てからあっという間の悪化だったこと
そういう事実は、彼を喪ったことと合わせてきちんと心に刻んで、
自分の行動に責任を持つべきだと思った

私は、こんなタイミングでもラッキーなことに仕事もあまり影響がないし、
一緒に暮らしている人がいて、今だからできることをしよう、と言ってくれて、いろいろ一緒に試したり遊んだりしているし、
もともと外に出るのも家にいるのも何でも楽しめるタイプなのもあって、
家にいてもあまり退屈しないので、
今の状況を結構楽観的に平和に暮らせてる気はする

でも、楽観的に、と言っても、自分は大丈夫ということではない
楽観的でも悲観的でも、できることは最大限するしか人にはできない、と思っているので、
状況の変化に過剰に反応せず、
必要な情報はしっかり集め、何ができるのかをきちんと判断し、
外出したら必ず手洗いうがいはするとか、外では手で目や鼻・口などを触らないとか、人混みは避けるとか、
そういう絶対的な最低限の予防策を取りながら、出来る限り普通に暮らしていくしかない、と思っている、ということ

まぁ、私は何か偉そうに言える立場ではないのだけれど、
NYや各地のいろんな人が現地やその人の状況を伝えながら、訴えかけようとしてることがもっとまっすぐ伝わればいいのに、とは思う
それは悲観的になろう、とかいうことではなく、
東京の感染者数の爆発的な増加は、3月のNYの状況とすごく似ていること、
それでもまだ感染者数の実数は圧倒的に少ないこと、
その事実を踏まえて、今は窮屈でも苦しくても耐えなければ、結局NYと同じような状況になりうるのだから、
今、危機感を持って行動して、海外の各地のような状況は避けてほしい、
という日本人としての日本への思いだと思う

緊急事態宣言に法的強制力はないと言うけれど、
状況が変われば、例外的な措置だってありうるかもしれない
でも、それを待つんじゃなく、今からできることをしましょうよ、っていうことを伝えたい人たちばかりだと思う

私はそこまで強い思いを持って発言しているわけではないけれど、
日本にいる大事な人たち、家族、友人、その人たちの大事な人たち、
みんなが無事に、そして不安を抱えず平穏に普通に暮らしていてほしいし、
そういう状況が早く戻ってくることは強く強く思っている

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これは先週だけれど、晴れてて雰囲気は穏やかだけれどやっぱり人の往来が圧倒的に少ない
NYも早く誰もが怯えることなく、人が行き交う街の光景が戻ってきますように

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