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約1年半、NYから日本の仕事をフルリモートでやって思ったこと

2020年の3月、コロナ禍が激アツになる直前にNYに引っ越したのは以前書いた通りなのだが、
NYでは今までと変わらず仕事を続けている
変わったのは、仕事をする場が日本かNYか、ということだ

コロナ禍で多くの人がリモートワークを経験し、
意外にできるっていう人も、やっぱりオフィスに行かないとっていう人も、
どちらもいたようだ
私といえば、もともと自宅でもしていたし、オフィスに出勤する場合もあったが、
朝に起きて出勤するのが苦痛だったので、家での仕事を好んでいた

NYに来る前に行ってた会社がコロナの影響でいち早くリモートになり、
図らずも結果的にNYに来る前からフルリモートになった
そのまま、NYで時差をどうにかやりくりしながら日本の仕事のみをフルリモートで続けている、という状態の中で思ったこと・感じたことを書き連ねてみる

1. 場所は関係ない

仕事柄もあるが、Macやら機材やらの仕事環境さえ整ってしまえば、結局場所は関係なかった

実は以前は私のようなフリーランスのデザイナーでも、
すぐにコミュニケーションが取れないとかでオフィスに来ることを好むクライアントも多かった
ましてや海外に行くとなると時差があるので、もっともっと嫌がられることも多かった

のだが、そんなときにコロナの影響でリモートワークが推進になり、
多くの企業がオンラインでのコミュニケーションを導入したことで、
その壁がだいぶ一気に取り払われた感がある
おかげで2020年は思った以上に普通に仕事ができた
むしろ「NY在住」みたいなのがちょっと面白がられる気配もあったくらいだ
とあるクライアントとは、NY、ドイツ、東京、みたいなミーティングもあったりして、
ますます「近く」の意味合いがシフトしているのを感じた1年だった

2. 時間は関係がある

前述の通り、場所は関係ないのだが、時間は大いに関係があった
つまり、クライアントが稼働している時間帯に自分もある程度稼働をする必要があった
オンラインでのコミュニケーションは確かにどこにいても繋がれるのがメリット、ではあるのだけれど、
そのコミュニケーションを成り立たせ、相手に「私とつながっている」と感じてもらうためには、
ある程度はすぐに返信ができるような環境を作らなければならない
なので、先方の稼働時間に合わせてある程度稼働をすることで、基本的にコミュニケーションを取れる時間帯があると先方に思ってもらうようにした
具体的には、日本時間の10AM〜3PMあたりまでを主な「重なる」稼働時間とし、チャットやミーティングなどのコミュニケーションを取る必要がある場合はその間で、とした

これ自体はうまくいったと思うが、結構自分の生活リズムを崩すはめにはなった
日本とNYの時差は14時間(夏は13時間)なので、だいたい9PMあたりから2AMくらいまでを「重なる時間」に充てる
その間に終わらなかった場合は、朝の5時とか6時までやってることもある
寝るのが遅いので、朝はほとんど存在せず、大体昼過ぎくらいからが意識のある時間になり、3時過ぎあたりからまた少しずつ仕事をして、夕食を食べ、再び「重なる時間」に突入、みたいな毎日だった
早く寝ようにも、クライアントが稼働している時間はフィードバックが返ってくるので、作業すべきことが生まれるわけで、結局「重なる時間」に稼働することになる
クライアントとの関係を成り立たせることを優先してしまった結果ではあるのだが、自分の生活も整えることは疎かにしてはならないとも思うので、
時間の使い方は2021年の課題ではあった

2021年は、少し解消した
一時期日本に帰っているときは、やはり同じクライアントと同じ時間軸で仕事ができることは楽だった。朝起きて、仕事して、夕方終えて、飲む(コロナだったから、飲みには行けなかったが)という普通の生活の尊さを味わった
これがきっかけで、NYに戻ってからもなるべく昼間動いたり、夜は短めの稼働にして2時くらいには寝るようになった(ときどきどうしても遅くなることはあるが、こればっかりは仕方ない)
そうすると、少し朝が生まれるし、昼間動ける時間が増えることで生活に必要なことができることも増える。人間は昼間が活動時間になるようになってるのだな、としみじみ思った

3. とにかく、タスク/タイムマネージメント大事

正直これはフリーランスになってからずっと課題なんだけど、特にフルリモートになって、全てが自分の采配で時間を使えるようになった反面、その時間をいつ何に割り当てるのか、をきちんとプランしないと、だらしがない性格なのでついダラダラしてしまう

なので、私はタイムブロッキングという形でカレンダーにざっくり何時から何時までは、どのクライアントのどの仕事をするか、というのをプランするようにしている
このタイムブロッキングは、仕事の内容(ミーティング、何の作業)とかだけではなくて、どの時間にどれだけ休憩を取るか、どの時間にシャワーを浴びて食事をして...など、思いつくことは全て書き込む
タスク管理のウェブサービスやアプリはたくさんあるが、そういうサービスを使うとタスク管理というタスクが増えることになるのが苦痛だったので、タスクマネジメントとタイムマネジメントを同時にできるこのやり方がすごく性に合っているようだ

一応、何の仕事を抱えてるかのリストは、普通にMacのNotesで単純なリストとして書き込んでおいている。終わったら消せばいいし、増えたら書き込めばいい、というシンプルなやり方が楽
とにかく、自分の持ちうる時間を何に使うかをプランして実行する、が大事だという話

ちなみにフリーランスになってからタスク/タイムマネジメントが課題だったのは、最初の3年くらいはとにかく細かい仕事を大量に抱えてて、1日18時間くらい働いて残りの6時間で通勤と風呂と睡眠(食事は仕事しながら)という生活だったので「今、何をどれだけ抱えてて、どれがいつまでか」がわからないと提出日を失念してしまうことがあったから
なので、どちらかというと、限りある時間をどう使うか、ということに苦労していた、という感じでした

4. 日本でやっていたことは、今につながる

日本にいた頃、いろんな会社や人とお仕事させていただいていて、もともとNYに来た頃はフリーランスになって最初にお仕事させてもらった会社とつながりがそのまま続いて、収入自体はある程度確保できたままNYに来れた
その後、以前一緒に仕事をした人だったり、ちょっとしたサービスを使って繋がった会社さんだったりと仕事しているのだけれど、それらの継続的に今でも仕事できている人・会社は、直接的・間接的にかかわらず日本での仕事や人脈の延長線上にあるものになっている

正直、NYに来るときは、少なくとも1年は売り上げが落ちると思っていたが、結果的にはそうはならなかった。それもこれも、NYに行こうが時差があろうが、それとは関係なくお仕事の話をくれる人たちだったり、日本にいた頃にしてきたことを価値に思ってくれる人だったり、日本にいたことをベースにNYにいること自体を価値としてくれる人たちだったりのおかげ

日本にいたときにやってきたことがたくさん今につながっているなぁ、という実感がすごくあるのでした

5. 結論

結論としては、日本だろうがNYだろうが、自分のやるべきことは変わらなかったけれど、時間の使い方は大きく変わった。自分以外の要素も絡むし、自分自身の性格や体質も絡む。逆に言えば、そこさえしっくりきてしまえば、あとはどうとでもなる、ということ。長らくやってると、クライアントも時差があること前提でいろいろ配慮してくれるようになるしね

特にフリーランスになってからは、常々「作業している間はどこにいても同じなのに、なぜ会社にいなければならないのか...」と疑問に思っていたので、私自身としてはフルリモートになって、NYに来て、最初は難しかった面もあったけど、生活も犠牲が最小限にとどまるようになって仕事できるようになってきて本当に気持ちが楽になった

時差があっても、問題ない。過去は未来につながる。
このふたつが体現できたのが、自分にとってとてもよかった

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