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ファイナンス基礎~前編

1. ファイナンスの基礎の考え
企業価値とは利潤からなる株主価値、利子、地代を追加した剰余価値、給与、租税を追加した付加価値、公益を追加した社会的価値がある。
その価値評価をファイナンスの技法を使って行う。
ファイナンスのパラダイムはキャッシュイン、キャッシュアウトからなりコーポレートファイナンスとインベストメントファイナンスがある。

2. ファイナンスとは何か
対象の価値を将来にわたるキャッシュフローによって定量化する。
対象の価値を評価する方法は代表すると3つある。
過去の取得価額を基準におくコストアプローチ法。
現在の価格を基準におくマーケットアプローチ法。
将来の評価も算出するインカムアプローチ法。
インカムアプローチ法がファイナンスの考え方。

3. なぜ、ファイナンスの考え方が重要なのか?
投資家か従来のアカウンティングの定量値から、将来予測を織り込んだファイナンスの定量値を重視するようになったから。
企業価値の評価方法はDCF法、その背後に潜む資本市場の理論を学ぶことで、企業の算定能力と向上方手法を学ぶ。

4. アカウンティングとファイナンスの違い
アカウンティングのファイナンス化が進んでいる。
具体的には、リース債務、退職給付債務等の減損会計が進んている。
ファンドは収益還元法で投資先を選別し、手元資金の残高が株式時価総額よりも大きい会社を狙っていた時期もあった。
アカウンティングとファイナンスは今後も往還的に行来する。

5. DCF法
現在価値から将来価値へは前回り、将来価値から現在価値へは後回り、いつの時点で評価しても結果は同じであるが、現在価値で評価する(DCF法)が解り易い。

6. キャッシュフローの現在価値を求める計算要素
将来のキャッシュフロー、割引率、期間。

7. 投資の意志決定はどのように行えば良いのか(NPVとIRR)
割引率に加算するリスクとは将来予測が立たないこと。
赤字の予測が立っているのであればリスクではない。
リスクはリターンのバラツキでもある。
投資案からのキャッシュフローの現在価値から初期投資額を引いた差額によって、
投資の意志決定を行う方法を正味現在価値法という。
正味現在価値と割引率の関係において、
正味現在価値が0となる割引率を内部収益率という。
内部収益率は投資対象に内在する固有の利回り。
IRRとハードルレートを比較して投資判断材料とする。
ハードルレートとは、最低限必要とされる利回り。
企業におけるハードルレートは、資本コストとすることが多い。
実務では、WACCに市場の期待する利率などの努力目標を上乗せすることもある。
資本コストとは世間相場の利回りである。
IRRはキャッシュフローの変動により内部収益率が2つ以上になることもある。

8. 企業価値の算定式(FCFとWACC)
企業価値とは企業が将来生み出すキャッシュフローの現在価値。
企業が将来生み出すキャッシュフローとはフリーキャッシュフロー。
現在価値の割引率は加重平均資本コスト。
加重平均資本コストとは株主および債権者の全体が要求する収益率。
FCF = 営業利益×(1-税率)+減価償却費-投資-△運転資本
営業利益は正しくはEBIT(利払い前の税引前当期純利益)で算出する。
減価償却費は非資産支出費用。
フリーキャッシュフローのフリーとは、計算式から有利子負債がない(=100%株主資本で調達)、
資本構成(調達の方法)の影響を受けないキャッシュフローと言える。