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ファイナンス基礎~後編

ファイナンス基礎~前編に引き続き、後編をまとめました。
9. 加重平均資本コスト
債権者からのROD、株主からはROEのリターンを求められる。
これを加重平均したものが投資家総体のリターン。
このリターンが企業にとっての包括的な資本コストとなるため、加重平均資本コストと呼ぶ。
負債による資金調達のメリットは、損金算入ができる、経営裁量に大きな影響がない、調達機動性が高い等がある。
資本による資金調達のメリットは倒産リスクが不変であり、財務指標の安全性が高い等がある。
社債は担保付と無担保の両方があり、銀行融資枠が少ない時等に発行する価値がある。

10. アカウンティングとファイナンス
アカウンティングの計算は予測利益の流列、将来価値計算、中立性から算出する。
ファイナンスの計算は将来キャッシュフローの流列、現在価値計算、割引率から算出する。
アカウンティングとファイナンスの成果計算の評価モデルは、
それぞれ投資家と企業の広範な利害関係者を対象としている。
負債による場合は時価と簿価のRODは同一となり、
資本による場合は時価と簿価のROEfinとROEaccは異なる。
CFOは最適資本構成を考えることが仕事となる。

11. 限界効用逓減の法則
リスクに対して、よりリターンを求める危険回避者を基準に話をすすめる。
限界効用逓減とは、最初はリターンを大きく感じるが、2回目は最初よりもリターンをより小さく感じること。
無差別曲線とは、効用が同等に得られるポイントを結んだ曲線。
リスクの測定は分散と標準偏差のバラツキで語る。
1番目のポイントは、単品投資の個別株式のリターンは期待収益率、リターンは標準偏差であること。

12. ポートフォリオ投資
リターンのバラツキが2つ以上の資産を組み合わせるとリターンのバラツキが小さくなる効果が分散効果。
2つ以上の相関係数がプラス1であれば全く同じ動きをするが、
それ以外であればリターンのバラツキは小さくなる。
投資家は標準偏差が一定とした場合、
期待収益率の高い効率的フロンティアの曲線上のポイントを選択する。
債権無リスクと組み合わせる場合、資本市場線と効率的フロンティアの接点を選択する。
2番目のポイントは、2銘柄のポートフォリオ投資のリターンは期待収益率の加重平均値、
リスクは標準偏差の加重平均値以下であること。
3番目のポイントは、3銘柄以上のポートフォリオ投資ではすべての投資家は効率的フロンティア上に位置すること。
4番目のポイントは、無リスク証券を含むポートフォリオ投資ではすべての投資家は資本市場線上に位置すること。

13. 資本資産価格モデル(CAPM)
ポートフォリオ投資では、固有のリスクはポートフォリオのなかで相殺されるため、
市場リスクへの関心を考慮する。
市場リスクに対して敏感な銘柄であるかは個別証券のリスク指標、感応度としてβ値がある。
株式の期待収益率ROEは下記算出となる。(シングルファクターモデル)
ROE= rf(リスクフリーレート) + 個別株式のβ × (E(rm)(株式市場全体の期待利回り) - rf)(マーケットリスクプレミアム)
企業・事業価値で表すと下記算出となる。
Σ(FCF/(1+WACC))
FCF=営業利益(1-税率)+減価償却費 – 投資 – ΔWC
WACC=D/D+E × (1-税率)× ROD + E/D+E × ROE(CAPM)
5番目のポイントは、ポートフォリオ投資の個別株式のリターンはCAPMの期待収益率、リスクはβ値であること。

14. MM理論(モジリアーニ・ミラー)の命題1
MM理論命題1は完全資本市場(税金が存在しない、企業と投資家は同じ金利で資金調達が出来る)の下では、企業価値は資金運用により決定され資金調達には影響を受けない。

15. MM理論(モジリアーニ・ミラー)の命題2
MM理論命題1は完全資本市場(税金が存在しない、企業と投資家は同じ金利で資金調達が出来る)の下では、株主資本コストは負債比率に比例して増加する。
負債の利用により株主の期待収益率の分散が大きくなる。
要するに財務レバレッジとβ値は正比例の関係にある。

16. 苛税
日本の法人税20%越えは、その他税金も7種程あるようでその他先進国と比較して高い。
負債の利用により支払利息分の税金は払わなくて良いため節税効果となる。
法人税が存在する現実社会においては、負債の利用が高まれば節税効果が生まれ、企業価値はその節税効果の現在価値だけ高まるとともに節税効果からWACCが引き下がる。
企業価値は全額株主資本調達の場合の企業価値と節税効果の現在価値の和から求める。
従来のWACCアプローチと異なり、負債の節税価値を別個に算定する企業価値評価法をAPVアプローチ(Adjusted Present Value Apploach:調整現在価値法)と呼ぶ。

17. 最適資本構成
財政破たんコストの現在価値により減額にならない程度に負債比率を高める。
日本企業が負債比率を高めない理由は借入をいつでもできるようにしておきたい?
または、借入による信用の格付け低下リスクを気にしているから?
ソフトバンクのような格付けが下がっても負債比率を高めている会社もある。