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仕事だけの人生は後悔する

大津秀一氏「死ぬときに後悔すること25」の中で、死に近づくなかで後悔したことは何かの発言に「仕事ばかりで趣味に時間を割かなかったこと」がある。

日本人は真面目に一生涯を仕事に捧げ、仕事が無くなった途端にセミの抜け殻のように気力も生きる意欲も失う人が多いと聞いたことがある。それはおそらく、地位や収入、肩書、役職など「外発的動機付け」で生きてきた人が、それを失ったことで一気に淋しくなることにつながっているのかもしれない。仕事が全てという人に限って、それを失った瞬間に一気に辛い思いをし、人生に絶望してしまうのは、いかにも勿体ないと思う。

そこで「内発的動機付け」により、やりたいこと、好きなこと、他者に貢献したいことを見つけることが、セカンドライフでは重要になってくる。

大津氏は、「何か一芸を長年追求し続けるのは、いろいろな点で心の糧となる」と述べる。

確かに、巷を賑わせている有名人をよくよく見ると、ひとつのことを極めていて、とても楽しそうに映る。

好例は日野原重明さん。100歳を超えても現役で医療を行っていたことは記憶に新しい。あとは林家木久扇さん。惜しまれながら笑点を卒業したが、落語で人を魅了する姿は微笑ましい。この二人は仕事の面での活躍ではあるが、その他にも80歳を超えてスマホアプリを開発した若宮正子さんや、87歳の現役トレーダー藤本茂さん、日本最高齢インストラクター、タキミカさんなど枚挙に暇がない。

彼らはメディアでも大きく取り上げられているから有名だが、そうではない、高齢になってもいきいきと学んだり、積極的に活動する人は山ほどいる。それらの方々は仕事を離れたり、主婦業を卒業してから新たな道を極めている方々であり、とても輝いて見える。

だからそんな彼らを良好なモデルケースとして参考にし、「自分でも何かをしよう」と積極的に行動することこそ、後悔しない生き方だと言える。

死ぬ間際になって「あれをやっておけば良かった」「これをしておけば良かった」と嘆いても後の祭りである。それに早くから気づき、元気なうち、健康なうち、脳がまだしっかりと働くうちからスタートすべきである。「仕事が忙しいからそんなことは思いも及ばない」と考えるのは危険。定年で仕事が無くなってから考えるのでは遅く、50歳を超えるくらいから助走期間としていろいろ考え、行動し、トライ&エラーを繰り返していく。そうしたなかで一生の友となる「好きなこと、やりたいこと」に出会えるのではなかろうか。

よく研修で、50歳到達時点でライフプラン研修を行う企業が多い。その根拠は上記のように「50歳くらいからセカンドライフを考えろ」の理屈なのだが、50歳はまだまだ油が乗り切っていると同時に「まだ出世できる」幻想が残る。せっかく研修を受けても身にならないケースが結構あるようだが、意識の高い人や、そろそろ出世も頭打ちという人は早目に気づいて行動をスタートさせる。

そうなるように積極的に行動したいものである。

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