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グラディエーションの時代

人生100年時代が到来し、働き方の変革を余儀なくされている。
終身雇用、定年制度の概念はすでに崩壊している。
今までは、「定年まで勤め上げれば、あとは余生をのんびりして過ごす」がスタンダードだったが、定年後の余生が20年、30年と伸びるに従って、余生をのんびり過ごすどころではなくなった。

以前、年金が60歳で支給された人々は、60歳で定年し、あとは余生をのんびり過ごすライフスタイルが主流を占めていた。私の知人も年金が支給される60歳で会社を定年退職し、たまにゴルフに行ったり町内会の役員をしたりと、余生を楽しんでいる。終身雇用で60歳で定年を迎え、その後のんびり暮らすパターンがまさに「定年後のロールモデル」だった。

しかし医療技術の発達で人々が長生きするに及び、定年後の余生が途轍もなく伸び、多くの高齢者は長い人生をどう過ごすかの命題に向き合わねばならなくなった。困った国も年金を65歳からの支給とし、企業に65歳雇用を義務づけ。企業も仕方なく「福祉的雇用」で、やる気のない高齢社員に最低限の賃金で働いてもらうシステムにせざるを得なくなった。

そうした流れを受け、「ライフ・シフト」の考え方が一般化し、今や終身雇用+余生の「ワンステージ」を生き抜くのではなく、途中で転職したり、副業したり、ボランティアで社会参画したりと、高齢になっても複数の動きをする必要性に迫られている。

リンダ・グラットンはこれからの時代を「マルチステージ」と名付けたが、私は「グラディエーションの時代」と捉えたい。つまり、以前のように60歳で定年と同時にスパッと余生に入るのではなく、40代、50代からすでにいろいろなマルチな生き方が60代以上も続く、「なんでもあり」のグラディエーション的なライフスタイルが続くものと理解する。だから自分の生き方も世界や社会の変化に合わせてカメレオンのように七色に変化していく。転職・副業・プロボノ・社会活動やボランティアなど、変化に合わせて多彩に自分を変えていく「変形資産」を身につけることが大事になってくるだろう。

なぜなら世界や社会の変化は物凄く早いから。その変化に少しでもついていかないと、とてもではないが充実した第二の人生は送れないと確信するからである。

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