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青いにんじん便り:一通目

しのさん、ろびんさんへ

こんにちは!初めて手紙を書きます。昨日の午後、お話したばかりだと言うのに、慣れない手紙に少し緊張しています。私の拙い文章と焦る気持ちに、多少の不安を覚えずにはいられないのですが…ひとまず温かく見守ってくださると幸いです。

おふたりと出会って、早いもので約10年が経ちますね。その間、文芸誌を発行したり、小さなイベントを開いたり…これからやってみたい企画もあります。

私にとっては、3人の読書会が(空白期間を置きながらも)続いていることが特に嬉しいです。そんな私たちが、今回、新しいチャレンジとして往復書簡、その名も『青いにんじん便り』を始めることになりましたね。


そこで、第1回のお題として……

「10年後の自分を想像してみる」のはいかがでしょう?

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私は、うーん、海が見える丘の上に住んでいて、出来れば誰かと暮らしていたいな。人間もいいけど数匹の猫でもいいです。キリンも素晴らしい。馬もいい…ただの思い付きですが、オウムと暮らすのは?とっても意外だけど素敵かもしれません。

丘の上の我が家は、想像するに…手に余らない程度の、少しこじんまりとした戸建です。イメージは『赤毛のアン』のグリーンゲイブルズ、『西の魔女が死んだ』のおばあちゃんの家、もしくはターシャ・テューダーや(NHKで見る)ベニシアさんが住んでいそうに素敵な、スローライフ的な、そんなお家…でも、虫嫌いの私に庭いじりが出来るか不安です。ちょっと浮かれすぎちゃったかも…。いや、まだまだ。内装のアイデアはイラストレーターのこぐれひでこさん宅を参考にしたい!


…落ち着きます。でも、住む家って大事ですよね。私は今の住まいに不満が溜まっているようです。狭くて、ユニットバスで、電気コンロの火力も不満!壁の薄いアパートめ!…最近、家に篭りがちなせいか、安アパートの「アラ」ばかり見えてしまうんです。10年後は、せめて「まあ、この家もなかなか良いじゃん」ぐらいの気持ちで暮らしたいです。

家のこと以外だと、時々でいいので旅に出られる仕事がしたいな…とか、今より美味しくコーヒーや紅茶を淹れたいな…とか、ぼんやりと空想に耽っております。大金持ちになりたくはないけど、多少の余裕は欲しいですし、生き生きと働けていれば嬉しいです。

答え合わせは少し先になりますが。あ、出来れば健康でいたいですね。

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最近、名探偵コナンを見返しています(映画第1作目~7作目)(TVアニメ第1話~6話、あとは飛び飛びで…)。子どもの頃は気付かなかった発見がありました。

例えば、毛利小五郎・妃英理夫妻が当たり前に夫婦別姓であること(妃さんが仕事上で妃姓を名乗っているだけではなく、結婚式の芳名帳等も当然に「妃」で記名)。別居しているけど、一緒に暮らせないことを除けばある程度良好な関係を保っていること。そんなふたりを、周囲も特に気にしていないこと。

例えば、阿笠博士が子どもたちと対等に話すこと。大人・子どもの区別なく、ただ人として接していること(どちらかと言えば子どもたちに呆れられ気味)。それと同時に、他の大人に対しては「責任者・保護者」として進んで対応すること。これは小五郎のおっちゃんにも言えることで、コナン君に何かあれば保護者としてすぐに飛んできてくれる安心感があります。

こういう事柄が、大げさではなく当たり前に描かれている。とても良いなあと思いました。


おっと…長くなってしまいました。

次の書簡は、しのさん担当です。どうぞよろしくお願いします。

トクラより

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