【往復書簡】(仙仁透様)

仙さんへ

海沿いの田舎町なんかで、そこには初めて来たはずなのに何と無く懐かしい気持ちになる場所があります。「あれ、来たことあったっけ?」と一瞬自分を疑うほどに既視感がある風景。記憶っていい加減なものだなと呆れ半分で、でも見慣れた景色に安心感を抱いたりします。仙さんがお生まれになった浜松にもまだ伺ったことはないのですが、お話を聞くだけでもおそらく懐かしい気持ちになるんだろうなと勝手ながら思いました

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Distance: Chère ma petite-5

Chère ma petite-5

ここには時間がない
風もなく
全ては止まっているようだ

結局
この距離で推進力を得
更に美しくなったのはお前の方で
オレはただ
間延びした時間の中で
すりつぶされるように、消耗している

オレには見える
お前の炯眼が開くのが
オレには聞こえる
運命の雪崩れる音が

結局、このdistance
否、オレ自身は
単なるアンテルメディア(媒介)に過ぎなかった

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Distance: Cher mon petit-7

Cher mon petit -7

人が言う程弱くはない
世間が見る程強くもない

私は自分自身のことなんか
これっぽっちも分かりません
ただ懸命に生きているだけです

あなたもそうではありませんか?
あなたが夢見たもの
それこそがあなたを輝かせる
それこそが私の見たかったもの

あなたと過ごしたのはほんの一時
長い人生の
ごくわずかな時間なのかもしれません

それでもその間受けた
胸のときめき

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【往復書簡】10通目(シモダヨウヘイ様)

拝啓 シモダヨウヘイ様

そういえば、シモダさんは猫アレルギーだと聞いたことがあるような、ないような。
「ずっと駄目だと思っていたものが実は思い過ごしで」、まったくそのとおりですね。小さいころ、オクラは絶対においしくないものだと決めつけていた私を見かねて母がオクラにポン酢をかけてくれた記憶が蘇りました。それからはオクラが好物です。しかしそういった食わず嫌いとアレルギーはまた別物のような気がいたしま

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「惜しい」の次にはベストなものが来るらしいよ

Hola!  Kaoriちゃん

びっくりすることに、2019年ももう残り3ヶ月を切ったね。ちょうど去年の今ごろ、Kaoriちゃんをブエノスに見送ったんだなぁと思い出していました。

そうかー、そうなったかー。マリアーノ君とのことは、残念だったけど仕方ないねぇ。Kaoriちゃんが言うように、何となく自分も心のなかでわかっていたことが無事現実化したというか、そういう感じなのかなと思いました。

ここ

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3通目の手紙〜Dear M嬢〜

M嬢、お返事ありがとう。
運動会の声がよく聞こえてきます。秋らしくなってきましたね。

出会ってから3年どころじゃない月日が経っていたとは驚きです。
時間が伸び縮みしているんじゃないかしら?
最近のあなたは、以前に比べて、とっても柔らかく、艶っぽくなってきたみたい。
それも、あなたが「自分に還って」いるからなんでしょうね。

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2通目の手紙~Dear M嬢~

Dear M嬢。

ゆるゆると、はじまりましたね、この往復書簡。前からやってみたかったので、とても嬉しい。

記憶が朧気だけど、中学生の頃、初めて付き合った男の子と、交換日記的なものをやってみたことがあります。たいして続かなかったんだけども、普段ちょっとわるっぽく突っぱねている男の子の、やわらかいところが、文字から浮かんで見えて、なんだかこそばゆく嬉しかったような思い出。

そんなわけで、M嬢。私

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【往復書簡】9通目(急行2号様)

拝啓 急行2号様

最近猫アレルギーを克服しつつあるシモダです。

ずっと駄目だと思っていたものが実は思い過ごしで、蓋を開けてみたらなんてことはないというのはよくある話で、試さずに決めつけるのはよくないなあと改めて実感しました。とはいえ今もまだ目の痒みと鼻水、くしゃみはでます。本当に克服できているのかは定かではありません。

さて、ゴールを決めた時がスタートとして、道具を使うのと使わないのではどち

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1通目の手紙〜Dear M嬢〜

初めての手紙なので、緊張しています。
お元気ですか?
あいかわらず、お忙しいご様子。

あなたと初めて会ったのは、まだ3年前くらいなのに、もうお互いにずいぶんと違うところに来てしまいました。
どんな風にここまで来たか?を、手紙にしてやりとりしてみましょうと言ってから、なかなか書き始められずにいてごめんなさい。

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