貧血と栄養源🦖🥘

野良犬が暴れ回ったような部屋だ、と思う。そんな荒れ果てた部屋に、今日も彼は足を運んでくれる。睡眠不足になってふらふらでも、料理をしにきてくれる。どうでもいい相手なんかに、生姜入りスープやレバニラやホットココアなんて作るものか。
「僕たちはもう他人じゃないって思う」突然彼がそう言うから、本当に他人じゃない気がした。今は結婚していないから法的には何のつながりもないのだが、当人同士が認め合えばそれは「他人じゃない」ということにはならないか? 私の栄養源は今間違いなく彼の言葉で、彼の作る料理で、それを含めた彼の存在すべてだ。
彼のかわいらしい笑顔、ときどき怒ってみせる顔、冗談を言ってぺろっと出す舌の角度や、何かをしらばっくれる時の首の角度まで、私は愛している。

貧血の頭で考えていると「いつか男の人とはみんなダメになってしまう」と卑屈な考えをしてしまう。だって将来を誓った相手とも、もう何回も別れてしまったのだ。そして別れ自体はこれまでで6回にものぼる。
それでも、この人の言うことは信じたい。
「もう一生、離さない」その言葉を、私は今日から信じてみることにした。

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