見出し画像

#4 彼とわかめごはん

彼の不調時に、私が急遽こしらえたわかめごはん。
絶対おいしくないといけない場面だったのに、全然おいしくなかった。
私は戻しわかめ60グラムと乾燥わかめ60グラムを間違えて、炊飯器をわかめだらけにしてしまったのだ。そのわりに味も薄く明らかに失敗だった。
でも彼は普通どおりご飯をよそって、まずそうな顔ひとつせず食べてくれた。
それだけでもありがたいのに、彼はいつもより多く二杯目をよそって食べてくれたのだ。
私は彼の優しさに感涙しながら「たくさん食べてくれてありがとう。今度はもっとおいしく作るからね」と心から誓った。
「君は料理が苦手って言うけど、料理の基礎ができてるよ。みりんにお酒も入れたんでしょう?すごいよ」
「僕、料理にはわりとうるさいんだよ、そんな僕でもこれはおいしいと思う。元気出して!」
謎の褒め方が君の優しさを際立たせている。
しかも、私が料理を作るのは珍しいということで、喜んで写真も撮ってくれた。
私、この人の前なら失敗を恐れずに新しい料理に挑戦していける、彼のためなら精進したいよ。
今度はもっとおいしい料理を作るから、もっと輝いた笑顔を見せてね。

よろしければ、記事を書く足しにしますので、サポートお願いします🎶