見出し画像

春になったら

秋にぷらっと娘と出かけた先で買ったチューリップの球根。
色んな色が混じっている色とりどりの球根をプランタに植えた。
その球根から緑の角がにょきにょきと生え
先日一番最初のチューリップが咲いた。
一番に顔を出したのは白いチューリップだった。
背は低めで8部咲きのやわらかな花びらが愛おしい。
上からじょうろで水をシャワーしてあげると少しだけ横に揺れるのだ。
あぁ・・・春が来た。
あれからもう半年がたったのか。
月日の流れが過ぎ去っていくのは早すぎる。
半年間の間に考え方がずいぶん変わった。
あれこれ悩んでいたことも、思い返せば懐かしくあの頃のどん底の自分に言葉をかけるとしたら、「いつかはまたこのチューリップのように花が咲き春がくるのだよ」と優しくいってあげたい。
その保証をしてあげたい。

長い人生の中でのほんの少しの時間、時には立ち止まって何も考えずにぼーっとすごしてみるのも良いものである。
今ここでこうして私の文章に目を通してくださった誰かが今非常に苦しい場面でもがいているならば、そっとその場から離れる勇気を持って頂きたい。

あなたの心を守れるのはあなただけ。である。
いらいらする心も傷ついた心も時間が解決してくれると思っていたのは間違いで。確かにそれぞれ時間というものは必要だけれども、時間だけでは解決できない、結局のところ自分の心がGOと言わない限りは前に進むことなんてできないし、無理に前を向いたところですぐにまたぺしゃっと崩れてしまうものなのだ。

人間関係で悩んでいたならば・・・そっと離れてみませんか。
会社でプレッシャーに押しつぶされたなら・・・少し休んでみませんか。
最初は社会からの疎外感・孤独感でいっぱいになりますが
とにかく好きな事に集中することで自然と穏やかになってきます。
仕事での立場が上にあればあるほどに自分がやらなきゃ。と思うかもしれませんが、あなたがいなくてもどうにかなるものです。
それは責任感の強いあなたならきっとそんなはずない。と思ってしまうかもしれませんが。誰も死にはしない。


私のおすすめは自然に触れ合うこと。動物に触れ合うこと。
本を読むこと。音楽を聴くこと。スマホやテレビから離れること。眠ること。温かい飲み物を飲むこと。日記を書くこと。

この環境に慣れてくると本当に幸せを感じるし心が癒されてきます。
今日も一日中布団から出られなかった。という罪悪感ではなく
今日も布団から窓の外を眺めると美しい雲の流れをゆっくりと観察できた。と思えるようになる。そして、生きていた。それだけで充分。と思える日が来る。
そして小さな幸せを発見できるようになり、負の感情の割合が少しずつ減ってくる。嫌なトラウマを思い出す時間が短くなってくる。

私はこの半年間人と接するのがしんどい時には無理をしなかった。
自分が家から出たくない日はひたすら本を読んで温かい飲み物を飲んだ。
そして、時々自分の感情を日記に綴ってみた。
それは、誰にもみせないものであるから自由に書いてよいのだ。
怒りもぶちまけたらいいし、弱音を吐いたって良い。
誰にも言えないような恥ずかしい内容でも良いのだ。

来る日も来る日も代り映えのない日々に嫌気がさした日もあった。
なぜ私はこうして何もしないまま過ごしているんだろう。
私がまた何かをしたいと思う日は果たして来るのだろうか。
自分には何ができるだろうか。
色んな事を考えた。

考えても考えても答えが見つからないことになぜか焦っていた日もあった。
孤独で、自分の不甲斐なさを自分で責めて心痛む日もあった。
しかし、次第にすべてを受け入れる自分がいた。

徐々に人と話したいと思うようになった。
なんでもない他愛もない会話で笑ったりすることが心地よいと感じた。
もしかしたら、人からこういう風に思われているかもしれないというネガティブな感情はすべて勝手に自分が作り出していることだということにも気が付いた。
心優しい人はいる。
ひとりの人間として何事にも執着しすぎず、自分を守り自然に生きる。

庭に咲いた様々な色のチューリップのように
これからどんな色にもなれるのだと
ワクワクしながら春の出発に胸を踊らせているのだった。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?