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自家製酵母(サワー種)のパンを焼く(1)

ちょっと白状すると、私が前職で作っていたパンには、ほんの少量だけドライアクティブイーストが入っていました。もちろんオーガニックだったり、信用できるソースから仕入れたイーストですが。(工場で生産されているイーストは、GMOの砂糖など、糖質培地の上で育てられている場合もあるそうなので、一応オーガニックを選んでいました)

天然酵母100%のパン生地を、仕事場のキッチンで、前日の午後成形をして、夜の間二次発酵させると、朝焼くまでに時間が長くなり過ぎてしまって、発酵が進み、生地が弛れてしまう事がありました。特に暑い夏。冷蔵庫に入れて時間をかけて低温発酵方法もありますが、100%天然酵母のパンは、冷蔵庫に入れると戻ってくるのに時間がかかって、タイミング的に無理だったのです。なので、ほんの少量、工業生産されたイーストを混ぜていました。

でも今は、家のオーブンで焼いているので、夜遅くに見る事も、朝早くに見る事も可能に。また家では半地下のような所に発酵棚を設置して、冷蔵庫よりはちょっと暖かく、室温よりは低めの場所を作り、冷蔵庫には入れずにゆっくりと発酵させています。

1日目の夜に、熟成したサワー種と粉、水を混ぜて、室温で一晩発酵。レヴァン(熟成した少量のサワー種に「えさ」=小麦粉などの糖質類を与えて、より元気にしたサワー種の事)を作ります。そして2日目の朝に、小麦、水、塩とレヴァンを混ぜてパン生地を作ります。それを一時発酵。夜になったら成形します。

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私はパン発酵用のカゴをいくつか持っているので、成形したパンを、上の面を下に向けて(カゴに面している)カゴに入れて、ちょっと涼しい場所で二次発酵。カゴはなくても大丈夫。お料理用のボールと、大きめの布巾があれば大丈夫です。朝までそのまま寝かせて置きます。パン生地の大敵は乾燥なので、発酵している間は、濡れ布巾などをかけるのをお忘れなく。朝になったら、オーブンを華氏450〜500度に設定して、パンを焼きます。

今回はざっとアウトラインを書きましたが、色々な「理由」やディテール…裏技、そしてレシピもあるので、またぼちぼち書いていきます。パンの化学は面白いですよ。サワードウの酸味や旨味を作る乳酸菌の話や、天然酵母(イースト)などの発酵微生物の話のみならず、グルテンの話やその他素材の話、そして焼き方などのもっと物理的な話。私もまだまだ習い始めた素人ですし、化学的にではなく「キッチンで料理をする私」の感覚で書いていくので、プロや専門知識をお持ちの皆さまお手柔らかに、ご指導ご鞭撻頂ければ嬉しいです。(笑)



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