最初に聴きこんだ落語の話
こんにちは。噺のキャリアコンサルタントこたにです。
噺やおしゃべりのコツは落語から学んだので、最初の偏愛は落語について語ります。
昭和40年代後半は上方落語ブーム
私が物心ついたころというのが、ちょうど上方落語ブームだったようで、吉本の劇場もうめだ、なんば、京都にあって、落語という演芸を寄席で、テレビで、観る機会が結構ありましたし、ラジオでも良く放送されていました。
寄席やラジオ中継では、繰り返し聴くのは難しいのですが、落語を収録したレコードが発売されており(今もCDやDVDが発売されています)、たまたま家にあったのが、朝日放送開局20周年記念の落語会を収めたものでした。
朝日放送20周年記念1080分落語会
昭和46年、大阪の朝日放送が開局20周年を迎えていました。
今でも開局〇〇周年というときには、何かイベントを企画されるのだと思いますが、20周年の記念イベントとして、1080分(だから18時間)ぶっ通しの落語会が開かれたのです。
開局記念イベントに落語会というのが、当時の落語の人気っぷりをうかがわせます。
私はまだ幼稚園にも入っていなかった頃なので、流石に会場で聴くことはできなかったのですが、なぜか家にこの時のライブ盤のレコードがあり、寝物語的にそのレコードを、それこそ擦り切れるほど聴いていました。
1080分の落語会に登壇された落語家は46人にもなったそうですが、家にあったレコードは、その中から12席の落語を3枚のLPレコードに収めていたものでした。
聴いているうちに、好みの噺というのが定まってくるもので、笑福亭松之助師匠(明石家さんまさんの師匠として有名)の「テレビアラカルト」、笑福亭仁鶴師匠(四角い仁鶴がまあるく納めますで有名)の「くしゃみ講釈」、桂春潮師匠(巨人の王貞治さんにそっくりなのでも有名)の「昭和任侠伝」の三つがお気に入りでした。
古典と創作と漫談と
そのころはただ面白がって聴いていただけなのですが、今、思い返すとこの3つは、それぞれに違ったジャンルの噺でした。
くっしゃみ講釈 :王道の上方落語
昭和任侠伝 :当時流行の任侠映画に憧れる男を描いた創作落語
テレビアラカルト:当時のテレビ番組やCM、世相を風刺した漫談風
これらの落語を繰り返し繰り返し聴くことで、
「くっしゃみ講釈」からは、話の状況説明から入って、トラブルで盛り上げ、最後にサゲるというような、「話には型がある」こと
「昭和任侠伝」からは、題材は任侠映画を使った話なのだけれど、古典落語と同じ構成で組み立てられていること
「テレビアラカルト」からは、皆が見聞きしているものをちょっとずらした目線で観て、そのずれを語ることで笑いが生まれること
を、なんとなく体感していたように思います。
これらのことを意識すると、日々のおしゃべりのネタを拾うのに困らなくなりますし、伝えたいことを相手に伝わるように話すことができてきます。
「くっしゃみ講釈」「昭和任侠伝」「テレビアラカルト」は、YouTubeに上げている方がおられるので、ご興味があれば聴いてみてください。
(1080分上方落語会 で検索していただくと出てきます)
あとがき
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
落語を聴き倒すことで会話のコツをつかんだのですが、その原点となるのがこの 3つの落語を同じタイミングで聴きこんでいたからなんだなぁと書いてみて気づきました。
ただ、昭和46年の落語なので、今の常識で聴くと「不適切な表現」のオンパレードです。
ご気分を害される方もおられるかもしれないなと思い、リンクは貼っていません。
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