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四月中にクラス全員と面談をします。

おはようございます。

高等学校で歴史総合・世界史探究を教えているAKSです。

今年度は高校1年生の担任になり、慌ただしい四月を過ごしております。

そんな中で、この四月に自分に課しているのが、クラス全員との面談です。

一人10分の計画で進めていますが、15分、20分、中には30分程度面談をした生徒もいます。39人クラスなので、一人10分で計算すると約7時間、一人15分で計算すると約10時間かかる計算になります。

基本的には放課後を使うのですが、朝や昼も活用して進めています。

四月は入学式以降、登校日数が15日程度しかなく、会議その他で放課後を使えない日も多くあります。

時間を捻出するのはなかなか大変です。

実はこの四月の面談、義務というわけではありません。すべての担任がやっているわけではないし、一人2分程度で終えている担任もいます。

おそらく20以上ある全校のクラスで、僕がいちばん面談に時間をかけていると思います。

なぜか。

これはもう、デメリットに比して、メリットがとても大きいから、ということになります。費用対効果が大きい、と言い換えてもいいかもしれません。

デメリット、つまり費用は、時間です。アンケート調査や授業、会議とちがって、やりたくなければやらないで済ませることもできる仕事なので、面談に時間を割くことは、他の何かに充てる時間を割くことになってしまいます。

朝や昼、放課後を使うので、いわゆる勤務時間外も多くなります。

教員に残業手当が出ないことが良く話題になりますが、その残業手当がでない仕事ということになります。

一方、メリットはというと、こちらは書ききれないほどあるのですが、主なものを書いてみます。

本当は人と人と対話である面談を、あまり費用対効果で考えたくないのですが、教育を生業としている以上、必要なことかもしれません。

まず、何より、生徒が心を開き、良い関係を作る土台ができます。

面談では、生徒にできるだけ話をしてもらい、担任は聞き手に回ります。

今回、問いかけている質問は次のようなものです。

高校生になって気持ちや環境の変化はあったかな。

将来の進路について考えていることを聞かせてもらえるかな。

担任に知っておいてもらいたいこと、話しておきたいことはあるかな。

みんな、自由に話します。最初は表情が固かった生徒も、話し終えるといい表情で面談室を出ていきます。

自分のことを聴いてもらえたという経験は、生徒が教員を信頼する最初の入り口です。

また、自分の言葉で自分のことを先生に話すということ自体が、教育相談として大きな効果があります。

未来や目標を語ることで、勉強へのモチベーションが上がるかもしれません。中学までは学校を休みがちだった生徒が、学校に通おうという前向きな気持ちを抱くかもしれません。

四月最初の面談で、教員はカウンセラー役に徹します。三月まで高3担任として進路指導をしていましたから、アドバイザー的な役割が大きかったのですが、高校1年生の四月面談は、アドバイザー役よりもカウンセラー役の方が良いと思います。もちろん面談中でアドバイスが必要な場面ではアドバイザーにもなります。

次に、自分のクラスの担任が全員と面談をしているという事実が、生徒に、この先生はきちんと時間をかけて話を聞いてくれるという情報として共有されていくでしょう。

これは保護者にも伝わります。

先日保護者会がありましたが、クラス懇談で面談のことも話題になりました。

まだ名簿20番ちょっとしか面談が進んでいなかったので、後半の保護者には、今月中に全員と面談する予定なのでお待ちくださいと伝えました。

まだまだ利点はありますが、最後に、自分自身の喜びです。

高校生になったばかりの生徒から、前向きな目標を聞いたときには、自分も前向きな気持ちになれます。

部活や趣味の話、悩み事、小・中学生時代のこと、家族のことなど、色々な話を聞かせてもらう中で、一人一人の生徒それぞれが生きている世界の中に、担任の先生という役割で関われることは、とても幸せなことだと感じます。

それも、39人分も、です。

働き方改革が言われる時代にそぐわない意見かもしれませんが、面談をした時間は特にお給料はいらないなと思っています。

お金には代えられないもっと大切なものを、面談を通じて自分自身が受け取っていると思うからです。

今日も面談を進める予定です。

授業も5時間、放課後は部活集会もあり、忙しい一日になりそうです。

それでは行ってきます。

今日も良い一日になるといいですね。


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