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ドラマ日記『ファーストペンギン!』(第6話)

漁業の世界に飛び込んだシングルマザー・和佳(奈緒さん)と、彼女と共に改革の荒波に漕ぎだした漁師たちの“奇跡の実話(坪内知佳さん)”をモデルにした、リアル・サクセスストーリー『ファーストペンギン!』の第6話。

永沢(鈴木伸之さん)の退社宣言に唖然とする和佳。どうやら妊娠した彼女が「漁師を辞めてほしい」と思っているらしい…。そんな中、テレビ局から「お魚ボックス」への取材依頼が舞い込む。テレビで取り上げられれば彼女の気持ちも変わるのでは?と思った和佳は、片岡(堤真一さん)らを説得。

村社会の中で、慣習を破った者に対して、住民が結束して交際を絶つ「村八分」。かつては地域の秩序を乱す者への制裁行為でもあったのでしょうが、現在の価値観から見れば集団いじめ。そんな田舎の陰湿な「村八分」が描かれた今回。放送禁止用語でもあるこのキーワードを久々に聞きました。

マスコミ取材を受ける和佳たちを、住民たちは無視&嫌がらせ。それは磯田の妻(鷲尾真知子さん)の命に係わる事態となり。和佳たちは逆襲するため、漁協の不正の証拠などを集めるのですが…。

放送では「お魚ボックス」のプラス面は宣伝されたものの、漁協の不正は明かされず。元々和佳は、漁協や「村八分」を行う住民たちをビビらせるのが目的で、そうした人たちを「敵対勢力」として潰すのではなく、「仲間」を増やすというポジティブな発想でした。

「村八分」的な発想は田舎に限らず、都会でもPTAや自治会への強制加入などは今もあり。「空気」を読み過ぎる日本人の悪弊が、ヒリヒリと感じられる中にも、未来の希望を感じさせる奈緒さんの演技でした。

余談:谷川雁さんの「連帯を求めて孤立を恐れず、力及ばずして倒れることを辞さないが、力尽くさずして挫けることを拒否する」という言葉を思い出しました。


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