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俳優ノート『小日向文世さん』

気になる俳優さんの出演作についての覚え書き「俳優ノート」。今回は、2021年春ドラマ『イチケイのカラス』に出演、『70才、初めて産みます セブンティウイザン。』に主演する小日向文世さん。

現在では、仕事が途切れない名バイプレイヤーの小日向さんですが、実はかなりの遅咲き。中村雅俊さんの付き人を経て、オンシアター自由劇場で20年近く活躍。劇団解散後の1996年から、本格的に映像の世界に進出し、ドラマ『HERO』(2001年)の検察事務官役で一気にブレイク。

そんな小日向さんの作品でまず挙げたいのは、脚本家・橋部敦子さんの「僕シリーズ」3部作の1作目『僕の生きる道』(2003年)。小日向さんは末期ガンの主人公(草彅剛さん)に的確に対応、寄り添う担当医役で、大杉漣さんと共に、この作品を傑作に押し上げました。

無難に生きてきた高校教師の中村秀雄(草彅さん)は、ある日スキルス性の胃癌が見つかり、余命一年を宣告される。死への恐怖、葛藤、そして後悔をしながらも“素晴らしい余命一年”を生きるため、ポジティブに生きようとする姿を描いた感動作。

続いては、大河ドラマ『真田丸』(2016年)。三谷幸喜さんの前作『新選組‼』にも起用されていた小日向さんですが、今回は中盤のメインキャスト豊臣秀吉役。天真爛漫な部分と、ゾッとするような闇まで自在に演じ、「黒小日向、白小日向」と評されました。傑作。

戦国時代最後の名将・真田幸村、その本名は真田源次郎信繁。好奇心にあふれ、冒険を好み、戦国の世を駆け抜けた真田信繁は、いつしか徳川家康をも恐れさせる伝説の武将となった。乱世を生き延びていくために、苦しみながら成長していく、家族愛にあふれた信繁の生涯を描いた。

最後は、『アンナチュラル』の野木亜紀子さん脚本『MIU404』(2020年)。小日向さんは、主人公である伊吹(綾野剛さん)の恩人で、元刑事を演じたのですが、小日向さんがただのいい人で終わるわけがない、という大方の予想通り…圧巻でした。傑作。

警視庁の“機動捜査隊"(通称:機捜)に、働き方改革の一環で作られたという架空の臨時部隊「警視庁刑事部・第4機動捜査隊」が舞台。機動捜査隊員の伊吹と志摩(星野源さん)2人がバディを組み、24時間というタイムリミットの中で犯人逮捕にすべてを懸ける。



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