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ドラマ日記『大奥 season2』(最終回)

吉宗の遺志を継ぎ、若き医師たちが「赤面疱瘡」撲滅に向けて立ち上がるその後の物語から、女将軍をはじめとした幕府の人々が、江戸無血開城のために奔走した幕末・大政奉還の物語までを描く『大奥 season2』の最終回。

国の行く末を案じ奔走した家茂(志田彩良さん)の亡き後、すっかり塞ぎ込む和宮(岸井ゆきのさん)。国政が新たな時代へ移り、瀧山(古川雄大さん)や天璋院(福士蒼汰さん)もかつてない変化を強いられる。そこに帝(茂山逸平さん)から和宮宛に文が届き…。

あと2話は欲しいと思えた怒涛の展開だった最終回。

前半は、徳川慶喜(大東駿介さん)が15代将軍となるも大政奉還。幕府側と討幕派側は交戦状態となり、江戸を守るため、西郷隆盛(原田泰造さん)と勝海舟(味方良介さん)の談判に、和宮と天璋院と瀧山も付いていったシーンが最初の山場。原田さんの憎々し気な西郷が実に良かったです。

中盤は江戸無血開城のため、大奥から退去する準備と最後の宴、瀧山の自決未遂が描かれました。回想シーンに登場した家光(堀田真由さん)と有功(福士さん)のシーンは新撮とか。瀧山を守ったのが、天璋院が家定(愛希れいかさん)に贈った形見の懐中時計だったエピソードも泣けました。

ラストは時代が進んで、明治4年。天璋院と瀧山らは、サンフランシスコへ向かう船の上。瀧山のシルクハットが風で飛ばされ、それを拾ったのは、留学先の米国に向かう、まだ6歳の津田梅子(宮崎莉里沙さん)。

梅子に近寄った天璋院は、良妻となるためにと送り出された梅子に「大きな事をなさるのは、きっとあなたご自身かと。これは誰にも内緒なのですが、私は将軍の御台所であった男なのです。この国はかつて、代々女子が将軍の座に就いておったのですよ」と。

「歴史は勝者によって作られる」の言葉通り、新政府が歴史を改竄したということを間接的に伝えた天璋院。かつて女性が国を動かしていたという(フィクションとしての)真実は、梅子ら新たな時代の女性たちの希望となるのでしょう。この国で「ガラスの天井」はまだ打ち破られてはいないけれど。

いや、傑作でした。できればいつか、大河ドラマでやって欲しいなあ。


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