見出し画像

女優ノート『松たか子さん』

気になる女優さんの出演作についての覚え書き「女優ノート」。今回は2021年春ドラマ『大豆田とわ子と三人の元夫』に主演する松たか子さん。

大学時代、クラスには東京(関東)出身と地方出身が半々。上京組の泥臭さとか、ガツガツした感じも嫌いではなかったのですが、東京組の身の丈を知った感じ、軽やかさが羨ましくもあり。東京育ちの松たか子さんというと、まずこの「軽やか」という言葉が浮かびます。

父は二代目松本白鸚、兄は十代目松本幸四郎という歌舞伎界の名門に生まれ、19歳で『紅白歌合戦』の紅組司会に抜擢。映画・ドラマ・舞台の全てをトップレベルでこなすオールラウンダー。歌手としても一流。しかし、大女優ぶったところは一切なく、どこまでも「軽やか」。

木村拓哉さんとの共演で、『HERO』(2001年-)など複数の大ヒット作を持つ松さん。『ロングバケーション』(1996年)時のお嬢様風もいいのですが、イチオシは『ラブジェネレーション』(1997年)。

二流広告代理店の男女のラブストーリー。クリエイティブから営業に回されて不貞腐れている哲平(木村さん)の長髪を、理子(松さん)がバッサリと切るシーンが印象的。哲平の兄役は内野聖陽さんで、元カノ役の純名里沙さんが可愛い。大滝詠一さんの主題歌「幸せな結末」も最高。

次は『カルテット』(2017年)と行きそうなところを外して、『ノーサイド・ゲーム』(2019年)。日曜劇場でお馴染みの池井戸原作作品で、主演は大泉洋さん。松さんはヒロインで、その妻を演じました。

主人公が、低迷する社会人ラグビー部を立て直す感動作ですが、合間に挟まれる大泉さんと松さんの掛け合いが絶妙。愚痴りがちな夫と、そんな夫の尻に敷き鼓舞する妻役は、当て書きかと思うほどで、ドラマに緩急をつけていました。

最後は映画。 岩井俊二監督『四月物語』(1998年)の初々しい松さんも必見ですし、 中島哲也監督『告白』(2010年)の感情を押し殺した演技も圧倒的ですが、同じ岩井監督の『ラストレター』(2020年)を挙げます。

宮城を舞台に、手紙の行き違いで始まった、ふたつの世代の男女の恋愛を描いたストーリーで、松さんは現代パートで主演。娘時代パートで松さんを演じるのが、今話題の森七菜さんで、その姉役が広瀬すずさん。岩井監督の『Love Letter』(1995年)がお好きな方はぜひ。




この記事が参加している募集

コンテンツ会議

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?