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子供も見ていた「ベトナム戦争」映画

狭義の「ベトナム戦争」は、1964年のトンキン湾事件以後の米国によるベトナムへの軍事介入を意味しますが、1973年1月のパリ和平協定を経て、3月29日に完全撤退しました(その後サイゴン陥落を経て、1976年に南北ベトナム統一)。

世界的なベトナム反戦運動の後、米国でも“敗戦”のショックが多少和らいでいく中で、1970年代~1980年を中心に「ベトナム戦争」を描いた映画が多数制作されるようになりました。残虐なシーンも多かったですが、子供も普通に見ていましたね。

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まず挙げたいのは、アカデミー賞5部門受賞の名作『ディア・ハンター』(1978年)。戦闘シーンはほぼないものの、有名な”ロシアンルーレット”のシーンが強烈な印象を残し、戦争の狂気と後々まで続く傷跡が胸に迫ります。

主演は米国を代表する名優のロバート・デ・ニーロ。ロシアンルーレットを鬼気迫る表情で演じたのがクリストファー・ウォーケン。メインキャストの一人、ジョン・カザールは末期がんに冒されながらも撮影を完徹。共に出演していたメリル・ストリープが、実の恋人だったという裏話も。

狩猟仲間のスティーブンの結婚式に出席したマイクとニック。3人は数日後に、ベトナムへ出征することになっていた。最後の宴を楽しんだ後、彼らは戦場へと旅立っていく。やがて、偶然にも戦地で再会した3人。しかし捕虜となった彼らは、敵にロシアン・ルーレットを強要され、精神崩壊ギリギリの絶望的な状況に追い込まれる。

もう一作、アカデミー賞4部門受賞の名作『プラトーン』(1986年)。自身もベトナム戦争に従軍した経験を持つオリバー・ストーン監督の出世作。600万ドルという低予算ながら、20倍の1億3800万ドルの興行収入を記録するミラクル。

最前線の小隊(プラトーン)が極限状態に追い込まれていく中で、兵士たちは平時の人間性を喪失。善(理性)と悪(欲望・暴力)との狭間で、苦悩する姿がリアルに描かれています。 チャーリー・シーンやウィレム・デフォーの出世作。ジョニー・デップも出ています。

1967年、激戦のベトナムに若い志願兵クリスがやってきた。いきなり最前線小隊『プラトーン』に配属された彼を待ちうけていたのは、想像を遥かに超えた過酷な戦争の現実。死の恐怖が渦巻く最前線の中、彼はやがてベトナム人への虐殺・略奪・強姦など、戦争の狂気とその現実を体験していく。

他にも、『地獄の黙示録』(1979年)、『ランボー』(1982年)、『グッドモーニング ベトナム』(1987年)、『フルメタル・ジャケット』(1987年)、『7月4日に生まれて』(1989年)、『フォレスト・ガンプ』(1994年)、『国際市場で逢いましょう』(2014年)などがあります。


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